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語彙力のリノベーションをはじめよう

いきなりですが

日本人が今までずっと疑いもなく無意識にそして無頓着に使ってきた「うまい」という言葉。もしこれを撲滅することができたら選手も指導者もサッカーを見る目や捉え方が変わってくるし、救われる選手も多く出てくると思うので、まずは自分の周りだけでも【うまい撲滅キャンペーン】を始めてみたいと思ってます。

無意識に言っちゃいそうだけど⋯

例えば、今話題の静学・古川くん(負けちゃったけど⋯残念!)と青森山田の松木くんを、同じ「うまい」では言い表せないじゃないですか。2人ともとても良い選手。でも、2人を同じ「うまい」では評せない。

確かにこの古川くんのドリブルを見れば「うまっ!」って思わず言っちゃうけど、彼のドリは加速の仕方や前足(さわらない足)の使い方が他の選手とは明らかに違うわけで。でもその足の運びを評するときに「うまい」は違うと思うし、指導者はそういうところこそ、語彙力を使ってもっと別の表現で選手に伝えるべきだと思うんですよね。

ドリブルやシュートなどの派手なプレーだけじゃなくても、例えばこぼれ球を拾うためのポジショニングの良さ、簡単にボールを捌き続けること、スペースメイクのためのランニングなど⋯これらも全て素晴らしいプレーなわけで、でも「うまい」とはなんか違うじゃないですか。しかし「うまい」という言葉がそれらを差し置いて一番上に来てしまうのは、うーん⋯やっぱりなんか違うなと。

「うまい」に代わる言葉は一つじゃなくて、それぞれのプレーに応じた言葉があるはず。それを考えるのも、また楽しいよね!自分だけの言葉を持とうとするには頭を働かせないといけないし、何よりも感性が磨かれる気がします。

例えばどんなフレーズがある?と聞かれても今はまだ絶賛正月ボケ真っ最中なので何にも思いつかないけれど、とりあえず明日から考えることにする。

プレーだけじゃなく、選手それぞれに対してもそう。

アイツは うまい・うまくない
アイツは これができる・できない

で済ますのではなくて。それぞれの選手の良さを見つける目と、それを称する自分だけの言葉を、指導者は持たなきゃいけない。

そう、評するじゃなくて称する、なんだよな。評する、だとなんかすごく偉そうだし、上から目線まっしぐら。

称する。素敵な言葉だ。
選手ひとりひとり、それぞれを称する言葉。

「うまい」があるから「うまくない」「ヘタ」という序列もできちゃう。指導者が、例え口に出さず頭の中でだけでも選手をレベル第一で順序づけていたとしたら、それはきっと選手たちにも伝わってしまう。
無意識に吐いたとしても、言葉は時として人をあっけなく傷つける。
反面、言葉で救われる場合も、きっと同じくらいにある。

うまい、うまくない。できる、できない。ではない、それぞれの称し方をして選手を称え(たたえ)ながら(お、字が同じだ!!)伝えていたら、きっととんでもない波及効果が起こせる気がする。

よし、語彙力のリノベーションをはじめよう。

その手始めとして、まずは思いきって「うまい」という言葉を指導の現場からをなくしてみたらきっと救われる選手がたくさん出てくるだろうし、指導者の語彙力もきっと磨かれる。なんだよ、みんながハッピーになっていけるんじゃんか!と思って、きょうはこんな内容で書いてみました。

明日まずは高校生たちに会うので、ひとりひとりをどう称せばいいか、彼らのプレーをじっくり観ながら、持ち得る感性をグルグル回転させまくって考えてみようと思います。



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