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読んだ本2冊

さらっと書くつもりです。


データで読み解く世代論

世代ごとの違いについて知りたいと思ってパラパラっと読みました。

世代と聞くと、この頃は「Z世代」という言葉ばかり耳にします。昨年に『Z世代』という本を読みましたが、全く内容を覚えていません。

過去の記事を調べてみると、記事を書いてなかったのでやっぱり記憶に残らないんだな~と感心しています。

この本を読んで、世代の順番について理解できたような気がします。今まで、「団塊の世代」「ゆとり世代」「団塊ジュニア」「Z世代」と色々な世代に関する言葉を耳にしてきましたが「よくわからん。」という感じでした。

ですが、そもそもの「団塊」って何?とか、「さとり」って?というのはよく分かりませんでした。

そもそも世代の明確な区切りというのはないそうです。今まで世代論を書いた文章には「○○世代(△年~△年)」とわざわざ書いてあることが多い印象だったので納得です。

世代のくくりはざっくり5年~10年程度でした。まず戦後の「団塊の世代」。団塊の世代の後(ポスト)という意味で、「ポスト団塊の世代」。バブル真っ只中に大人になった「バブル世代」。ここまでで「団塊の世代」から大体20~30年くらい経つので、その子どもの「団塊ジュニア」、「ポスト団塊の世代」の子どもの「ポスト団塊ジュニア」と続きます。ここでバブルがはじけて(1990年あたり)、「さとり世代」が生まれ、インターネットが家庭に普及した2000年前後の「Z世代」という流れになります。

本書には書かれていませんが、それ以降がα(アルファ)世代なのかな~と。ここ数年で生まれた子どもはまた別の世代になるのかもしれません。AIの登場があるのでそれに関連した世代というくくりになりそうだと勝手に思ってます。


エネルギー危機の深層

ロシア・ウクライナ戦争をエネルギーの観点から読み解いた本。

この手の話には興味があるものの、ちょっと読むのが億劫だなって思ってました。

ですが、先月に書いたこの記事でこういう読み方もありかも?と気づいたので気楽に読むことにしました。

読んだ感想として、エネルギー観点から見た鋭い洞察がありました。

ロシア・ウクライナ戦争が起こった理由として、一般的に挙げられているのは不凍湖の確保です。ロシアは国土面積は世界最大であるにも関わらず、緯度が高い地域にあるため、冬になると港が凍ってしまいます。

元々、ウクライナは冷戦時代にはソ連の一部だったので、ウクライナに面している地中海からのルートは残されていました。しかし、冷戦が終わるとソ連は解体され、だんだんウクライナは資本主義化していきます。

そして今回の戦争はロシアにしてみれば、元々敵だった資本主義国のグループであるNATOにウクライナが加入しようとしたことを発端としています。ロシアにとってはアメリカを主とする資本主義国は敵です。そこへかつての仲間だったウクライナが加入しようとする。そうなれば、ロシアが海洋ルートとして使おうとしていた地中海はアメリカへ奪われてしまいます。

というようにロシアには凍らない港が必要だったにも関わらず、そこが無くなってしまうというのが通説です。
(ウクライナのクリミアにはロシアの軍事拠点があり、地中海への軍事において大切な点。資本主義国との間に緩衝国、つまりは本土との間にクッションになる国を作る意味があることを含めたかったのですが、まとまりませんでした。)

この話は私が事前に知っていた話と変わりません。

この本では、それ以外の点として、ウクライナのエネルギー輸出を防ぐ目的があります。それはどういうことか?

戦後にロシアから欧州へガスを流すための長いパイプが地下に敷かれています。その中継点として、ウクライナがありました。なぜウクライナが中継点になっていたかと言えば、先ほど書いたようにウクライナは当時ソ連の1つだったからです。

以前は、ロシアからウクライナ経由で欧州へガスを流していました。ウクライナはガスを流させているので、その代価としてお金をもらっていました。一部をウクライナも輸入していました。

しかし、2005年以降からの原油価格高騰とウクライナ国内での親露政権・親欧政権の争いで不安定化します。そこに、今までロシアが黙認していたウクライナのガス料金の未払いや、欧州向けの一部を中抜きしていたことへのツケが回ってきます。お金を払わないのならもうウクライナへガスを流さないと。

結局、ロシアはウクライナ向けのガスの輸出を止め、欧州向けだけにガスを輸出することになります。しかし、一部をウクライナが中抜きをし、一時完全にガスの供給が停止することに。

これを機に別ルートをロシアが施策し始めます。それがドイツへの直接ルートです。これが完成するとウクライナ経由で流す必要が無くなります。

完成後には、ロシアはウクライナに対してガスが欲しければ自分達の味方をしろと迫ってきます。ウクライナはドイツ経由でロシア産のガスを買っているので割高なガスを買っていることになります。これはウクライナ経済にとって痛手です。

しかし、2010年くらいに地中海でもガスが取れそうなことが判明します。すると、ウクライナがロシアが建設したガスパイプを使って、欧州へガスを輸出する側へ回ってしまう。これはロシアとしては面白くありません。なので、ウクライナに攻め込んで地中海へ睨みを利かせ、ガスが取れたとしてもウクライナの国益にさせない狙いがあったのではないか?という所。

間違っている所もあると思いますが、こんな感じです。納得しましたし、聞かない話でもあります。

もう一点としては、欧州はロシア産のエネルギーを排除したいのか?ということに対する考え。

これは著者自身の疑問でもあったようです。著者は国際エネルギー機関(IEA)が5年おきに欧州連合に対する政策評価に同行する機会に恵まれ、担当者に質問をしたそうだ。

その時の回答として、

現状、欧州はロシアへのエネルギー依存が高いし、ロシアは重要なエネルギー供給者であることにかわりはない。けれども、この機会に新たな競争者を生み出し、より安価なエネルギーを欧州へ供給させることを狙っているというようなことを回答したそうだ。

著者はすっと納得したようだったし、私も聞き覚えのある話だった。研究室にいた時に、既存の技術でも十分こと足りることでも、新たな技術を開発し、競争を促す狙いがある、と聞いたことがあった。

著者はこの競争を促すというのは天然ガスに限らないと言っている。確かに私も別の分野だけれども似たような話を聞いたことがある。間違っていないのだろうけれども、正直、ロシア・ウクライナ戦争に関しては物も言いように感じた。


どちらの本も読んで、ためになりました。

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