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『##NAME##』を読みました。

*ネタバレあります。

ベストセラーなのかよく宣伝されている本なのか分かりませんでしたが何となくタイトルは知っていました。

図書館で見つけて、手に取ってから芥川賞の候補作だと知りました。「まあ読んでみるか」くらいの気持ちで読みました。

前情報無しで読んだので最初は何の話かよく分かりませんでした。セクシー女優の撮影?くらいに思ってました。胸にニップレスを貼ることや中学受験をする話からアイドルとかタレントの話をする話だと分かりました(そういう年代のアダルトな撮影とも取れるかな~と頭の片隅にありながら読み進めました)。

全体を通して見れば、今風の作品なのかなって印象でした。

「自分が被害者なんだから訴えなさい」と大学の友人に言われている場面では、自分が被害者と自覚していない。もはやそれが当たり前としか感じていなかったと取れる節があり、自分にとっての当たり前が相手にとっての異常というのは自分では分からないんだなと。自分は至って普通だと思っていても全然他の人から見たら普通ではない。

他にも、大学生になった主人公が過去の活動の影響でアルバイトに支障が出ている点もSNS全盛期の今を思わせる出来事だなと感じました。

個人的にモヤモヤ感が残ったのは、友達から本名ではない「ゆき」と呼ばれていることに嫌悪感を示していたのに自らその名前に改名する所でした。ゆきと呼ばれるのを嫌がっていたのに、他人に決められた名前を自ら名乗るのは自分では決められない風潮を示しているのかなと感じました。

分かりあえそうで分かりあえない人間関係と世間を改めて知った作品でした。


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