メンバーに問いかけ、一緒に考える。会社のミッション・ビジョンに対する私のスタンス
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メンバーに問いかけ、一緒に考える。会社のミッション・ビジョンに対する私のスタンス

アディッシュのHPにアクセスすると「つながりを常によろこびに(Delight in Every Connection)」という一文が目に入ってきます。これがアディッシュ創業時からあるミッションであり、会社の目的です。

そして昨年には、「As in Your Hometown」というビジョンを策定しました。インターネットやソーシャルメディアがある社会が健全で、より心地いい状態、まるでホームタウンにいるような環境になるよう支援していく。それが僕らの事業だと思っているので、このフレーズに決まりました。

僕自身はとりわけこうしたミッションやビジョンを大切にしているのですが、実はミッションには半年以上、ビジョンに至っては一年近く時間をかけました。

今回は、アディッシュのミッションとビジョンがどのように決まったのか、そのストーリーを紹介します。

メンバー8人で3ヵ月かけて議論。出来上がったように見えたミッションだけど

「つながりを常によろこびに」というミッションが形になったのは、アディッシュがガイアックスからスピンアウトし、会社として独立したのとほぼ同時期です。会社の設立が2014年10月1日、その1, 2ヵ月前にミッションがちゃんとできている状態を目指し、およそ8ヵ月前から動き出しました。

振り返ると、このミッションができていく過程は非常にアディッシュっぽいもので、スクールガーディアン事業ができた過程と同じく、ボトムアップでミッションも決まっていったんです。

(スクールガーディアン事業の生まれた過程は前回のnoteでご紹介しました)
https://note.mu/adish_edo/n/ndd42362531d7

スピンアウトが決まった時点で、会社としてのミッションは絶対作ろうと考えていました。そこで最初に取りかかったのが「ミッション作成委員会」の組成。8人ほどのメンバーを様々な部署から集め、月1, 2回のペースで毎回2時間ほど、継続的に議論していくことになりました。

それぞれが宿題として、「自分たちの事業では何を大事にしているのだろうか」を考えてきて、それを持ち寄りディスカッションを重ねる形で進めた結果、3ヵ月で一度ミッションの骨子が出来上がりました。

しかし、会社全体に共有しても、なぜか納得を得られない。そこで一度「失敗」を経験しました。

なぜ時間をかけて作ったミッションが受け入れられなかったのか

なぜ失敗したのか?それは「そもそもアディッシュにとって、ミッションとはどのような位置付けなのか」が充分に議論されていなかったからでした。議論はゼロどころかマイナスに、、、

ミッションの定義や私たちのなかでの位置づけが決まり、もう一度議論しはじめてからさらに約2ヵ月。やっと、アディッシュのミッションに込めたい思いをひとことの「キャッチフレーズ」にまとめる状況まで来ました。そこでまたメンバーの力を借りました。

・そもそもミッションとは何か?何のために必要なのか?
・アディッシュがミッションとして掲げるべきものは何か?

これが腹落ちしたメンバーの力はすばらしく、「つながりを常によろこびに」という一文にまとめられました。

ビジョンの策定でも難航。それでも折れなかったワケ

ミッションが創業期に出来上がっていたのに対し、ビジョンである「as in Your Hometown」は2018年にできました。ミッションの時と同じく、「ビジョン作成委員会」を組成し、策定することにしました。ミッションはすでにあるし、なにより一度失敗を経験していたので、正直3ヵ月くらいで出来上がるだろうと思っていました。

しかしそううまくはいかず、全く同じ失敗をまたやってしまいました。ミッションに対するビジョンの位置づけがなかなか腑に落ちず、議論が空回りしてしまったんです。

ミッションに対してそれぞれが思いがあったからこそ、議論は難航。結果としてミッションを決めた時の倍ほど時間がかかっています。それでも、作成委員会で骨子が完成し、説明文が完成し、その後、社内公募によってメンバーから「ワンフレーズ」を募集し、100案以上の中から考えて、作成することができました。

こうして振り返ると、本当によく折れなかったなと思います。

ミッションができるまで半年以上、ビジョンは一年以上。途中で何回も折れかけました。それでもメンバーとミッションを作ることにこだわったのは、会社や組織は一人が作るものではないからです。

議論することで全員が腹落ちし、納得感を得られますが、それぞれに考える機会があるということ自体が大事かなと思います。

変化が激しい今の世の中、仮説を立ててそれがもし違っていたら、考えを変えなくてはいけない。会社や事業、あるいは日々の業務には、決まった答えがあるわけではありません。
答えが先にあって動くのではなく、問いがあって、そこからどうするか考える。もし誰かが出した答えに疑問を感じたら、臆せず声を上げられる。そういった状態を作り出すのが大切なのではないでしょうか。

ミッションとビジョンをどう「使う」?柔軟に、でも芯は強く、存在意義を示し続けるために

ミッションにしろ、ビジョンにしろ、それを決めたことで会社がガラッと変わった実感はあまりありません。
僕はそもそも、ミッションやビジョンを仰々しいものにする気はまったくないんです。目的があって組織があり、事業がある。それは当たり前のことだと思っているので、なるべくそれらを「自然に在るもの」としておきたいと考えています。

ただそのスタンスは今も模索中でして、ミッションやビジョンを活かすためにもっといいやり方があるかもしれません。ミッションは最初からあったのに対し、ビジョンが途中から作成したこともあり、納得感については人によって温度差もまだまだあるかな、という風に感じています。
ミッションやビジョンを決める時もそうでしたが、決まった答えがあると決めず、こうして問いを立て続けることがなにより大事なのでしょうか。

ミッションは企業にとって最も揺らがない芯であって、迷いが生まれたときに立ち返るべきもの。しかし同時にそれに縛られてもいけません。確固たる思いを持ちつつ、メンバーとともに常に問い続けたいと思います。

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東京大学農学部生命化学・工学専修卒業後、2004年株式会社ガイアックスに入社。 投稿モニタリング事業、学校非公式サイト対策事業、ソーシャルアプリのカスタマーサポート事業の立ち上げを経て、2014年にアディッシュ株式会社を設立、代表取締役に就任。2020年3月東証マザーズ上場。