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【読書感想】ADHDですけど、なにか?

こんにちは、ADHDに翻弄されるキヅキです。
感想文を書くのは苦手ですが、自分の備忘録として時々読書感想文を記事としてアップ出来ればな、と思いました。
ちなみに、今回は読書感想2回目の投稿となります。
✔1回目の記事はこちらになります。
良かったらチェックしてみてください↓↓↓

「ADHDですけど、なにか?」チョン・ジウム 鈴木沙織 訳


本書はADHDに悩み、葛藤する私にそっくりな韓国人女性が、その生活や障害と対面からぶつかる様子を描いたエッセイである。この本の表紙には筆者が飼っているネコがたくさん描かれているので、ささやかな敬意ととして、記事のヘッダー画像もネコにまみれた可愛らしいものにした。

まず私が感動したことは、『障害って万国共通なんだな』と思ったことである。彼女のやる事なす事全部、私に当てはまってた。だから、日本だからこんな発達障害があるとかそういうのじゃなくて、どこの国に行っても同じ症状が出る。
当たり前と言われてしまえばそうだが、「アスペはコミュ障」旋風を一時期日本は起こしている一方、症状はスペクトラムのように人それぞれ違うんだという理解もまだ広がっていない。だから、日本には日本なりの苦労と症状があるんだなと勝手に思ってた。
身体障害や知的障害は万国共通だと思っていた自分が、一番発達障害者を疑いの%が多めに入ったサングラスで見ているのかもしれないという申し訳なさに苛まれた。

この感想文では、筆者のことをあえて”彼女”と呼ぶ。エッセイであるし、姉のように発達障害の血筋が通った筆者を、他人事とは思えないからだ。彼女もコンサータを飲んでる。韓国の取り決めは分からないけど、日本の最上級mg数を飲んでいるので相当苦労をしているだろう。

私は今までADHDやその他発達障害の本を買う時には、例えば職場でこうするのがいいだとか、こういう工夫をすると生きやすいという『How to 本』を探していたし、それしか持っていなかったし、それ以外の選択肢さえなかった。この本はそれこそシェアラウンジで見つけて、そそくさと隅で読んでいたら、「これは!」と思ってすぐ購入した。夫に見せたかったからだ。この本にも多少のHow toは書かれているが、重たくない。これはエッセイで、彼女の人生そのものを綴っている本だった。

ADHDの自助会みたいなものがあるのか知らないがそういうのに参加したことがないし、「成功している人を見れば辛くなる」と主治医に言われていたから参加しようとも思わなかった。
これはただの本だから彼女と対話はできないけれど、何度も何度も相槌をして読み込んでいった。「うん、わかるよ」「そうだよね」と言いながら。ほっとした。How to本に載っている〇〇をしなくてよくて、ただ共感することに。生きづらいこの社会に置いてかれてゆく残酷さを、共に分かち合えた。

そして単純に嬉しかった。彼女は失礼だけどイーロン・マスクのような成功者ではないし、本書の中にもそういうことを綴っている。彼女は私と同じ悩める発達障害者だ。彼女のADHDの症状はもちろん、アルコール依存症手前になったことも、悩めるADHDを救いたい気持ちも、読書は『眺める』ことも、二次障害の鬱を味わった経験も丸裸にして全部語っている、これすらも私は彼女と全く同じだから、親近感しかわかないのだ。

それからもう一度言いたい。よくある発達障害のHow to本にあるように、『○○をしてみよう』といった類の内容はない。これがおすすめだけど、という紹介だけ。これも強制されていないところにポンっと肩を押される心地良さがある。

彼女の文章には人を惹きつける力がある。
『こんな人もいるんだ』といった軽い気持ちで、ぜひ手に取っていただければこの上ない幸せだ。

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