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和合亮一さんの「詩の礫」から派生した 礫を起点に波紋のよう奇想は巡る
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#夏

寄せ書きの練習其の二

寄せ書きの練習其の二

よせやい
よせやい
寄せ書き
なんて
不感症に拍車がかかるだけだ
感じない
感じない
何も
感じない
テンプレート
誰が
何を
書いたかなんて
名前をシャッフルしてしまえば
途端にわからなくなる
だれ
それ
かれ
これ
たそ
かれ
黄昏
ときの
エモーション
やめて
とめて
泣きたくなるから
鳴かないで
ひぐらし
寂しくなるから
あり得たかもしれない過去
あり得なかった未来
蝉が 
死んでゆく

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六月の交差点

六月の交差点

衣替えの季節ってみな一斉に白くなるから光を反射して雪山の目が痛くなるキラキラした眩しさを地球の裏側みたいに反転した四季を
思い出した
纏うものは白いが身体は黒い

アイムパンダ
私はパンダになりたいと
あなたは言うから
笹団子でも買ってこようか
と私は言った

失速

失速

やがて
ひぐらしに変わる
力尽きた蝉は 
路上で蟻に
分解されていく 
終わってしまう
夏が
でも
終わってしまうなんて
エゴだ
人間の
ずっと続いている
はじまっている
はじまっている
はじまりだけがある
バチンと左の踝に
止まった蚊を叩き潰したら
掌に血がついた
自分の血の筈なのに
何故か
汚いと思ってしまう

夏」」」

夏」」」

ジュライ

オーガスト

セプテンバー

heyhey

ブラザーズ

あなたたちの言いたいことは

つまり

こういうことかな

生きている

今ここで

生きている

今まさに

生きている

今の今まで

こよみの上では

秋だ冬だ

春ダダダダダ

いやいやいや 

傘なんて無意味

豪雨はゲリラでやってくる