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和合亮一さんの「詩の礫」から派生した 礫を起点に波紋のよう奇想は巡る
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#雨

美しいし優しくない

美しいし優しくない

美しさと優しさは共存できないというか
べつもので
環境の為にはビニール傘とか使わないで
なるべく長く
マイ傘を使ったほうがいいのはわかるが
理屈抜きで
ビニールを叩く雨粒は美しいと思ってしまう
空をみる
止まっている雨を
水滴を
わたしを打とうとした
この散弾を。

ヤフーが観測史上最多を叫んでくる

ヤフーが観測史上最多を叫んでくる

観測史上の言葉が踊る

観測していなかった頃は

こんなことはなかった筈だ

記録に残すって

表明することで

じゃあ

記録には残さず

記憶にすら残さない

そんな

あったことは

残像でしかないんだろうね

瞼を

閉じて

終わって

しまって

また

見開いて

はじまるよ

リバース

リバース

文明は川から生まれた

いつまでなのかはわからない

永遠なんて存在しない

紀元前から

江戸時代から

2022年

今も流れる  

そしてまた帰ってくる

雨は

いつかの

雨なのだ

リバース

いつかの雨はいつもの雨

いつかの雨はいつもの雨

たん
とたん
たんたんたん
雨は降り出した
寝る前に
コップ一杯の水をって言うけれど
雨に打たれながら
寝てしまえば
身体は勝手に
水を吸収するんじゃないか?
もしくは溺れてしまうのだろうか?
まるで
デジャブのように
決まったリズムで
雨は踊り跳ねている
連続性
つまりは

リバーエコーズ

リバーエコーズ

安積永盛は  

いつも雨が降っている

いつもだなんて   

大袈裟なことはわかっている

でもいつも雨が降っている

しとしとと

ざぁざぁと

ぱしゃぱしゃと

踊らせて

輪舞曲







雨め

頭を湿らせ

熱を奪い

わたし

わたし

わたしを

洗いざらいさらして

阿武隈川へ

わたし成分を

垂れ流すのだ

感即私情最高速度

水滴
その単体では
気にも止めてもらえない
事象は観察されて認められて
確かに在るとされる
確かに在るのに
在る筈なのに
水的は降り続いて雨と言われる
雨とも言われない
はじめの
いってき
ひとしずく
たとえ
観測出来なくても
そこから雨がはじまる

雨中
宇宙
雨中人
宇宙へ