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【広告・マーケNEWS】逆切れアプローチに昔話構文・・などトレンドニュースまとめ

毎朝1つずつ、広告・マーケの最新トピックから得た洞察を投稿しているホイポイプロダクションズのX(Twitter)の1カ月分の内容をテーマ・項目別にまとめて掲載します。

広告クリエイティブ

PickUP①:昔話構文を広告に適用する

昔からある物語の文脈を借りてブランドリフレッシュを図るアプローチもコミュニケーションスピードが速い。「九州のみなさん、あのとき助けていただいたブラックサンダーです。」は発売直後の30年前、終売しかけた時に声を上げてくれた小売・卸に感謝し、同時に恩人探しをするキャンペーンを展開。
参考:“ブラックサンダーの恩返し” 発売30年、新聞広告で九州の恩人へ感謝伝える

PickUP②:カップヌードルの「逆ギレ」アプローチ

逆をいく、も広告において有効なアプローチ。通常CMでは99.9%が「売れてます!」というところ「(夏が暑すぎて)相変わらずカプヌが売れない」と逆ギレ。なんとなく夏らしいカプヌ1位のシーフードだけでも食べてほしいとアピール。ゆこぴの強風オールバックコラボも昨年から継続(23年度CM好感度no.1)
参考:日清食品シーフードヌードル、「強風オールバック」コラボCMの続編を公開

PickUP③:伝説のTVCMのリメイク

誰もが憶えているTVCMのリメイクは「0秒で心を掴む」方法。湖池屋ドンタコスはリューアルに合わせ新発売時の「ドンタコスったらドンタコス♪」を再利用。ユーザー層に合わせてデジタル施策中心だが、「ドンタコスの音楽なんの動画にも合う説」など思わずCGM作っちゃう切り口でのキャンペーンも仕掛ける
参考:ドンタコスったら、ドンタコス♪のCM復活 30周年でフルリニューアル

PickUP④:ポカリ23年春キャン「ポカピタしたい」

ポカリは毎年春に若者向けのキャンペーンを開始する。コロナが5類に移行する直前の23年春のキャンペーン「青が舞う」篇は再起動のファンファーレとなるCM。「みんなでプール掃除したい」「思い切り廊下をダッシュしたい」など満喫できなかった青春シーンを描き、「ポカピタしたい」も混ぜ込んで訴求。
参考:「生きている味がする。」ポカリスエット新CM開始 椿&池端杏慈がWヒロイン

PickUP⑤:ポカリ24年春キャン「青春の再開」

24年の若者向けポカリCMは、抑圧からすっかり解放された高校生(キャスト2人は昨年と同じ池端杏慈&椿)を描く。「潜在能力は君の中。」をキーメッセージに、海に出かける様子をピクセルアートを組み合わせて「学生の生命力が発露する瞬間」を表現。ポカリを今の若者の日常に置き直すアプローチ。
参考:K-POP文脈取り入れたポカリ新広告 “学生の生命力が発露する瞬間”を表現

▶このNEWSを基に作成した記事はコチラ➡LTV時代のマーケティングの勝ち筋。ポッキーとガッキーに学ぶ「青春の1ページに残す」ブランド戦略 - アトリエライフ通信 (hoi-poi.net)

PickUP⑥:AIで伝説の男を復活させる

AIの言葉はまだまだ違和感が残るが、TVCMの品質で15秒に込めればクリアできる。シャープのスマホ「AQUOS」は松田優作を復活させたが、美由紀氏の魂の監修もあり絶妙にチャーミングな味が出ている。「近道ばっか探して、面白い?」「哲学ってね、自分の背骨だからね」など、まさに令和に足りない味。
参考:AIで松田優作が復活、シャープAQUOSのブランドアンバサダーに 新CMにも出演

PickUP⑦:国民的モチーフの援用

なるべく多くの日本国民にメッセージするとき、「国民的」モチーフの援用は有効。防災啓蒙のために100シリーズを超える朝ドラの要素をぶち込んだ「ばんぜん」は「ん」の使い方&ひらがなタイトルからして秀逸。トンビの鳴き声ではじまり、ヒロインの話を皆で立ち聞きするガヤなど朝ドラギミックが溢れる
参考:NHKが朝ドラ出演の俳優を起用し、朝ドラ仕立ての防災ムービーを公開

PickUP⑧:ポッキーって、楽器じゃん。

同じ「薪をくべる型広告」でも、ポッキーはワクワクする。今年のテーマは「音楽」。 ポキっと割れる音やリズミカルな食感という物性を軸にCMソングやダンスなどでコミュニケーションをしてきたが、今年は「ポッキーって、楽器じゃん」のメッセージで世代や国境を超えて人をつなぐ音楽&ポッキーを訴求。
参考:ポッキーって、楽器じゃん。音楽祭にアイナ・ジ・エンドら出演

▶このNEWSを基に作成した記事はコチラ➡LTV時代のマーケティングの勝ち筋。ポッキーとガッキーに学ぶ「青春の1ページに残す」ブランド戦略 - アトリエライフ通信 (hoi-poi.net)

PickUP⑨:素人を広告する

個人主義化は日本よりも世界でさらに加速している。そして誰もが認められる社会になるべきだとの意識が高まっており、これに向けた広告アプローチが増えている。カンヌB2Bグランプリのスペイン地下鉄広告はフォロワー27人の100歳インスタグラマーを起用し有名にすることで地下鉄広告の「訴求力」を訴求
参考:「100歳の女性インスタグラマー」を一躍有名にした広告、その背景にある文化的価値観とは

▶このNEWSを基に作成した記事はコチラ➡【自分時間 vs 社会という敵】しごおわでは一日が終われない若者たちに刺す企業コミュニケーション - アトリエライフ通信 (hoi-poi.net)

PickUP⑩:MVの世界観に商品をプレイスメント

アーティストの世界観をそのままブランドにつなぎ込むことで羨望をかき立てるアプローチもある。マクドナルドがフラッペ等の1周年にコラボしたaespaは同性からの憧れが強い「ガールズクラッシュ」に分類される世界的アーティスト。日本デビューに合わせてMVのような世界観で商品の「アイテム感」を訴求
参考:aespaとMcCaféがコラボレーション、SNSで次々と動画を公開

PickUP⑪:ゲーム文脈でテンションを表現

フォーマットもメッセージである、で若者にアニメ訴求もあるけど、隣接ジャンルとしてゲームのパロディで訴求するテもある。19分でフル充電できるソフトバンクの神ジューデンスマホは乃木坂46池田瑛紗を起用。「こんなに早いということは中で誰かが頑張ってるに違いない」という妄想ゲームの世界を描く
参考:乃木坂46池田瑛紗出演 実写とアニメが融合したソフトバンク新CM

マーケティング

PickUP⑫:スポーツガム

利用シーンを限定することで特定の時間帯の利用頻度が上がる。これを広げていくと総体として需要の底上げになる。ロッテが出したスポーツガム「キシリトール スポーツガム」はガムベース多めで噛みごたえを強化し、スポーツ時の利用を狙う。chocoZAPでのサンプリングやサイネージでも訴求。
参考:ロッテ、日々のスポーツに適したガム 「chocoZAP」で配布

デジタルマーケティング

PickUP⑬:インサイトの検索エンジンとしてのSNS

Twitter(現X)はホンネ投稿が溢れているので「インサイトの検索エンジン」として使える。ランダムマックの仮説は「みんなメニューが固定化しているのではないか?」これを検証するのに「マック おすすめ」などで検索すると他人にオススメを聞くユーザーが多数確認された。レスを見れば温度感もわかる
参考:2800万リーチを記録した「ランダムマック」。若手クリエイターのX活用術とは?

PickUP⑭:イスとテーブルとスマホ置き場

本業での努力は前提として、スマホ文脈で来店動機を付加するやり方もある。錦糸町のフーフー飯店は荷物置き場が頭上にあり、たまたまそこからEATシーンを撮影したユーザーの動画が大バズり。店側は積極的にそれを活用し、スマホのオススメの置き場所も発信して話題化。日経新聞にも取り上げられた。
参考:Z世代のTikTokトレンドと、新時代のタレント論

PickUP⑮:キャラクターを躍動させるSNS

SNSによって使いやすくなったのがキャラクターマーケティング。年に数度のCMではなく、毎日新しいコミュニケーションを積み重ねられる。キャラクターが全ての接点のつなぎ役となり、またテクノロジーの無機質さを包むインターフェースとなる。全て正確に答えるよりもたまに「わからん」という方がいい
参考:認知だけじゃない!「Ponta(ポンタ)」生みの親が語る、キャラクターマーケで進化する顧客体験

消費者インサイト

PickUP⑯:恋人が自分時間の「敵」となる

博報堂の30年ぶりの若者調査は、意識の移り変わりが明確にみえて興味深い。特に男性と母親の関係性が大きく進展していること(女性-母親の方が絶対値は多いが)、異性の恋人よりも同性の友だちを重視する傾向、また能力や運よりお金、自由、時間、安定などを重視。充実する自分時間を死守したい傾向。
参考:博報堂生活総研30年ぶりの「若者調査」、逆転する親子の意識差

▶このNEWSを基に作成した記事はコチラ➡【自分時間 vs 社会という敵】しごおわでは一日が終われない若者たちに刺す企業コミュニケーション - アトリエライフ通信 (hoi-poi.net)

ブランディング

PickUP⑰:ど真ん中メッセージ、だから確実にストライク。

太いブランドを築くためには、太いメッセージが必要。2021年からリブランディングに取り組むダンロップが新製品SYNCHRO WEATHERと合わせて仕上げに出したメッセージが大谷翔平×ベーブルースの共演を通して伝える「想像を、追い抜け。」だ。ど真ん中ストレート。だから、確実にストライク。
参考:大谷選手とベーブ・ルースが共演、ダンロップのDNAを伝える新企業広告

PickUP⑱:ゆるふわコラボ

コラボは他のクラスタからファンを引っ張ってくるという機能と、文脈の交わりによる意味性の強化という作用がある。Yogibo×ミニオンズは愛らしさやユーモア、軽やかな開放感などの属性が似ている両者が新作映画の変身という要素を含めてコラボ。Yogiboをミニオン化できるミニオンカバーが当たる企画。
参考:「ミニオン×Yogibo」で癒し倍増!? 意外な組み合わせのコラボ企画がスタート

PickUP⑲:プロダクトの「温度」を共有する

プロダクトを育てるにはメンバー同士でブランドの魂や「温度」を共有する必要がある。超プロダクトアウトなNOT A HOTELは、超プロダクトアウト性を磨くために顧客調査をし、広告接触含めた全てをプロダクトであると定義し、人の琴線とビジネスの接続を意識している。
参考:NOT A HOTELの 「超プロダクトアウト」のマーケティング


プロモーション

PickUP⑳:ピーク外時間を埋める戦略

充分に浸透した飲食店が更に売上を伸ばすには、ピーク時間以外の余白を埋めていくことが必要。マクドナルドは23年に「本気カフェ宣言」をしてフラッペやスムージーを投入。ランチタイム以外の昼下がりや夜のちょっとした休憩や語らいなどに利用シーンを拡げ、顧客の利用頻度の拡大を進めている。
参考:「本気カフェ宣言」の成果 マクドナルド、ランチタイム以外の利用増

PickUP㉑:ユーモアというオブラート

ウェルビーイングな発信はユーモアを交えたほうが受け取られやすい。アルコール飲用者の35%が飲酒量を減らしたいと考えている調査を踏まえ、ヤッホーブルーイングが適正飲酒を啓蒙するために製作した飲みづらい「ゆっくりビアグラス」もそう。砂時計型の形状で「理想の飲みづらさ」を追求したという。
参考:ヤッホーブルーイングがあえて「飲みづらいビアグラス」開発

PickUP㉒:迎えに行くメディア=トレインジャック

OOHのメディア特性はリアルな体験価値にあり、車内ジャックは世界観で包み込むことで美術館から客を迎えにいくこと。えのすいのが小田急ジャックで実施した「くらげとれいん」はクラゲの幻想的な世界観を体験させる。光に照らされて水中をたゆたうクラゲってUFOそのもの。だから確認せずにはいられない
参考:新江ノ島水族館が小田急線で電車ジャック「くらげとれいん」実施、31日まで

メディア

PickUP㉓:電車を使った、企業と企業の往復書簡

見田宗介は鉄道を時空間の拡がりへの「想像力のメディア」であると言ったが、ヘルシア譲渡の広告はその想像力を刺激する。花王本社のある茅場町駅から、譲渡先のキリン本社のある中野駅までをつなぐ東京メトロ東西線の中吊りで手書きの手紙風メッセージを掲出。車輌が往復書簡に見えてくる素敵な演出。
参考:花王からキリンへ 「ヘルシア」譲渡で伝えたい想いを込めた広告を掲出

CMS

「CMSとは?」が分かる解説記事

「CMS 企業サイト」が分かる解説記事

「CMS 機能」が分かる解説記事

「CMS メリット」が分かる解説記事

「CMS デメリット」が分かる解説記事

企画の幹は、言葉でつくる。

今回取り上げたような最新の広告・マーケ情報をアップデートしながら、現在様々な企業・ビジネスの支援を行っています。2021年に淡路島移住と同時に立ち上げたひとり会社ホイポイプロダクションズで、代理店サイドと事業部経験、また広告発想と編集視点を身につけた二刀流ライターとして腕を振るっています。単にコピーだけではなく、そもそもの問題点抽出や課題設定から戦略➡表現定着まで一気通貫で手さばきよく対応しますので、モヤモヤした案件があればお気軽にご相談を。マニフェストLPはコチラ▼

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