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生存者バイアスとマネジメント~メンバーを育て、組織を強くするための方法~

現代のビジネス環境は複雑かつ競争が激化しており、組織が成功を収めるためには、強力なリーダーシップと適切なマネジメントが不可欠です。
しかし、組織が抱える多くの課題の中で、「生存者バイアス」が無意識のうちに蔓延していることが、しばしば組織の成長を妨げる要因となっています。

生存者バイアスとは?

生存者バイアス(Survivorship Bias)は、成功した事例や生き残った事象だけを観察し、失敗した事例や脱落した事象を無視することで誤った結論に至る認知バイアスです。これは、成功した人々や企業の特性や行動だけに注目し、その成功の背後にある失敗やリスクを見落とすことにより、過度に楽観的な判断を下す原因となります。
「自分のやり方を見てれば問題ない」「自分はこう育ってきた!だからこれをやれ!」ということを良く口にする人は周りにいませんか??
それが生存者バイアスの横行です。
基本的には、自分の経験の引き出ししかないので、自分と違ったタイプのメンバーが部下に来たら、その部下を平気で潰します。

生存者バイアスが組織に与える影響

生存者バイアスが組織に蔓延すると、次のような悪影響が生じます

  1. 失敗から学ばない文化
    組織が成功事例ばかりを称賛し、失敗事例を無視することで、従業員は失敗を恐れるようになります。失敗を避けるためにリスクを取らなくなり、イノベーションや新しい挑戦ができなくなります。失敗から学ぶ機会が失われると、個々のメンバーは成長することができず、組織全体の学習能力も低下します。

  2. 偏った評価基準
    成功した人材だけを基準に評価を行うと、その成功の背後にある偶然や運の要素を見逃す可能性があります。これにより、不適切な基準で評価が行われ、実際には有能であるが異なるアプローチを取る人材が評価されないことがあります。結果として、多様なスキルセットや考え方が組織内で認められず、単一の成功パターンが強調されがちになります。

  3. 心理的なプレッシャー
    生存者バイアスが横行している環境では、従業員はプレッシャーを感じやすくなります。全員が成功者のように振る舞うことを期待されるため、個々のメンバーは自分のペースやスタイルで働くことが難しくなります。結果として、クリエイティビティや自主性が失われ、モチベーションの低下やバーンアウトにつながることもあります。最悪、組織からの離脱へと繋がっていきます。

生存者バイアスを克服するためのマネジメントのアプローチ

生存者バイアスを克服し、組織とメンバーの成長を促進するためには、以下のようなマネジメントのアプローチが有効です

  1. 失敗を受け入れる
    失敗を否定するのではなく、学びの機会として受け入れる文化を育てることが重要です。失敗事例を共有し、そこから得られた教訓を組織全体で活用することで、次の挑戦に対する恐怖心を軽減します。これにより、リスクを取ることを奨励し、イノベーションを促進する環境を作り出します。しくじり先生のような機会を月一設けて共有するのも良いかもしれません。

  2. 多様性の尊重
    成功のパターンが一つではないことを理解し、多様なアプローチやスキルセットを評価することが重要です。異なる視点や方法を持つメンバーが組織にとって価値があることを認識し、個々の貢献を公平に評価するシステムを構築します。コンピテンシー評価を取り入れ、様々な視点からの評価ができる土壌を創れると良いでしょう。

  3. 透明性とオープンなコミュニケーション
    成功だけでなく、失敗も含めた情報をオープンに共有することで、組織全体の透明性を高めます。これにより、従業員は組織の現状を正確に理解し、自分の役割や貢献がどのように影響を与えるかを認識することができます。透明性が高まることで、信頼関係が強化され、チームワークが向上します。

  4. マネジャー陣のアンラーニング
    マネジャーは常に学び、改善するプロセスを持つべきです。そのためにも会社はメンバーに対して継続的なトレーニングや学習機会を提供し、新しいスキルや知識を習得することを奨励します。フィードバックループを確立し、定期的に評価と改善を行うことで、組織全体の成長を促進します。

結論

生存者バイアスが蔓延する組織では、メンバーは育たず、組織も強くなりません。成功事例だけに焦点を当てるのではなく、失敗から学び、多様なアプローチを尊重し、透明性のある運営を行うことで、持続可能な成長と成功を実現することができます。適切なマネジメントを通じて、生存者バイアスを克服し、強力で柔軟な組織を築くことが、現代のビジネス環境において重要な鍵となるでしょう。

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