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19YEARS

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19年一緒に暮らした最愛の夫を亡くし、心の空洞から逃げられなかった日々。 少しずつ立ち直っていく過程で、19歳年下の男性と出逢いました。(ほぼノンフィクション)
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2020年5月の記事一覧

19YEARS #7 初めて会う人種

19YEARS #7 初めて会う人種

←6より

その人と初めて会ったのは、すすむが亡くなって半年あまり経った、冬の寒い日のことだった。

私は、ささの仲間たちが主催する「朝ごはんの会」に参加するようになっていた。月に一度催されるそれは、藁葺き屋根の古民家に朝7時に集まって、みんなで朝ごはんを作るという会だ。
土間にはかまどがあって、火を起こすところからごはんを炊き、おむすびをこしらえ、汁物を炊く。青空の下で野菜を刻み、シンプルな味の

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19YEARS #6 予言スクリーン

19YEARS #6 予言スクリーン

←5より

2013年7月
ささ、という店へ行くことが日課のようになっていた。カフェのような飲み屋のような店で、お酒が苦手でも、1人でも、気兼ねなく溶け込める。コーヒーもお茶も美味しくて、体に馴染むような食事もあるのだった。
何より、マスターの佇まいが素晴らしくて、心の傷が異常なわたしのことや、他にも道に迷っている人や、体が病んでいる人など、深く癒しを必要としている人々を、大きな愛で包んでくれる存

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19YEARS #5 悲しみの終わり

19YEARS #5 悲しみの終わり

←4より

2013年5月
初めての命日が過ぎた。
車の運転をしている時、突然、はっきりとすすむの声がした。

「あっこ。結婚しろ」
「なに言ってんのよ、わたしあなたの奥さんだよ」
「だって俺、もういないじゃん!」

・・・いない?
・・・本当だ。

わたし、独身だ。
それは夜明けのような感覚だった。真っ暗な夜空に、一筋の朝日がさしたかと思ったら、信じられないくらいのスピードで目の前の景色が照らさ

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19YEARS #3 東京を知らない

19YEARS #3 東京を知らない

←2より

2013年2月

駅で友達と別れたあと、ひとりになった。
「ここはどこ」
代々木上原駅だと頭ではわかっている。けれど、知らない遠いところにいるような気がした。体が浮いている。不安な気持ちがどんどんふくれあがる。小刻みに震えがくる。どっち方面の電車に乗ったらいいんだろう。
「家はこっちにあるはず。でも、誰も待ってない。わたしの家族はどこにもいない」

東京に、20年住んでいる。よく知って

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