平山亜佐子✍

文筆、挿話蒐集。晶文社WEB「夫人小説大全」、Roadsider's Wee…

平山亜佐子✍

文筆、挿話蒐集。晶文社WEB「夫人小説大全」、Roadsider's Weekly「バンカラ女銘々伝」、中央公論.jp「断髪とパンツ 男装から見る近代史」連載中。『化け込み婦人記者奮闘記』『問題の女 本荘幽蘭伝』『戦前尖端語辞典』『明治大正昭和 不良少女伝』大学図書館勤務。

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「スコーピオンズ」とわたし。

今年から5のつく日、つまり5日、15日、25日に思ったことを適当に書く雑文noteを始めようと思う。 なぜ始めようと思ったか。 というのは単純な話で、わたしは今まで文庫を入れて5冊の本を出しているけれど、どれも研究書でもなければエッセイでもない、いわば思いつくまま気の向くままに気になったことを調べて書く勝手な自由研究のような本である。 それはそれでとても楽しいのだが、それっきりというかなんというか仕事の広がりがない。 本が出ればありがたいことに取材をしてもらったり、イベントで

    • ”Comin' Through the Rye”と「何日君再来〈ホーリーチンツァイライ〉」

      幼稚園の頃に父と母と3人で歌った”Comin' Through the Rye”と「何日君再来」です。 わたしは自分のことを「あーちゃん」と言っていたらしい。 【本日のスコーピオンズ】 57曲目「Long Tall Sally (Live)(2015 - Remaster)」 5th アルバム『蠍団爆発!! スコーピオンズ・ライヴ Tokyo Tapes(Live)』(1978)より。 これもリトル・リチャードのカバーですね。 ロケンロールタイム! の続き。 やはりハードロックの人もロカビリーが好きなんですね。 楽しそう。 どうしてもビブラートをかけちゃうところが興味深い。 また「sayonara!」って言ってるけど戻ってくるっぽい。 感想は以上です。

      • 断髪とパンツ

        今回は、久しぶりにはっきりくっきり告知をさせていただきます。 7月1日から(つまり4日前ですね)中央公論.jpにて 「断髪とパンツ 男装に見る近代史」という連載が始まりました!! わーパチパチパチ! 念願の、もっと言えば悲願の連載がいよいよ開始ということで、わたくしかなりコーフンしております。 この連載は遡ること13年前の2011年に北大生の有志が創刊した『girl!』という同人誌に連載していた「本朝異装奇譚〜ヤマトナデシコ⭐︎七変化」がもとになっております。 腐女子文化を

        • まどんな

          先日職場で「フェットチーネグミのベニマドンナ」が美味しいという話を聞いた。 が、ベニマドンナが何かわからない。 果物の品種であろうことは想像がつくが、なんの果物かわからない。 紅だからさくらんぼかなと思ったら、なんとオレンジだった。 オレンジはオレンジ色(橙色)なんだけど……? 後日、コンビニのグミ売り場で見たら「紅まどんな」という表記であることが判明。 うわっとなってしまった。 「まどんな」という表記がなんかもう、かなり苦手。 そもそも「マドンナ」という言葉をカジュアルに使

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        「スコーピオンズ」とわたし。

          「ヤバ人形友の会」

          昔々その昔、mixiというSNSがあってのう、コミュニティという機能で赤の他人と好きなものを通して繋がる交流が盛んだったもんじゃ……。 わしも20近いコミュニティを運営しておったが、そのうちの一つが「ヤバ人形友の会」というやつじゃった(古老の思い出)。 ……古老の口調は疲れるので普通に書く。 「ヤバ人形」とは、コミュニティのトップに自分が書いた定義によれば うーむ、わかるようなわからないような。 簡単に言っちゃうと、ヤバ人形=「なんだか素通りできない忘れがたい味のある人形」

          「ヤバ人形友の会」

          「バッドガールのゐる風景」

          Googleドライブを漁っていたら、2010年、つまり2冊目の本『明治大正昭和 不良少女伝 莫連女と少女ギャング団』が出た翌年に、とにかく連載が欲しくて某誌にプレゼンした時のPDFが出てきた。 当時、デザイナーとして誌面デザインを数回させていただいた縁があったこともあり、先方の雑誌デザインに寄せている。 タイトルは「明治大正昭和 東京盛り場遊覧ツアー バッドガールのゐる風景」。 当時の企画書によると「明治半ばから生まれたとされる戦前の不良少女の事件記事を、東京15区(1878

          「バッドガールのゐる風景」

          文学フリマ東京38奮闘記

          5月19日(日)、東京流通センターで開催された『文学フリマ東京38』に参加し、無事になんとか生還した。 前回同様、Xライブ放送(旧Twitterスペース)とclubhouse同時開催で参加者から集めた「今思い出してもよくわからない謎の体験を語る あれはなんだったんだろう」な話をまとめた本の、「其ノ貳」を新刊として販売した。 今回、慣れなかったために申し込みが遅れて抽選枠になり、島の真ん中辺りに位置することに(赤丸のところ)。 とりあえず10:30からセッティングを開始してな

          文学フリマ東京38奮闘記

          おかしなパーティー

          2011〜2012年に季刊で発行していた『純粋個人雑誌 趣味と実益』(まだ買えます!)でおかしなパーティーをしたいと考えて、情報を集めていたことがある。 結局、1年半の間に2回行った。 一つはわたしの息子、兎のぬいぐるみ「兎吉」のお見合いパーティー。 紙面に兎吉の釣書(履歴書のようなもの)を掲載。 お見合い希望のお人形たちを持ってきた人たちと古本屋「高円寺書林」さんに集まった。 候補の方々の写真を撮影してプロフィールをお聞きし、それも誌面にした。 結果、Yuko Nexu

          おかしなパーティー

          謎のいたずら電話が来た

          今回も、2006年の2ちゃんねる「オカルト」板のスレッド「【ハイ】謎のいたずら電話が来た【モシモシ】」からよりぬきでお送りします。 電話の怖い話が大好物です。 【本日のスコーピオンズ】 50曲目「…Pictured Life(2015 Remaster)」 5th アルバム『蠍団爆発!! スコーピオンズ・ライヴ Tokyo Tapes(Live)』(1978)より。 今回も中野サンプラザのライブ盤です。 前の曲の最後に次の曲紹介のMCが入っていて 「Virgin kill

          謎のいたずら電話が来た

          人には言った事の無い秘密

          2000年代半ばごろ、よく2ちゃんねるを見ていた。 とくに好きだったのは「生活全般板」と「掃除板」で、前者は今わたしがTwitterやclubhouseでやっている「今思い出してもよくわからない謎の体験を語る あれはなんだっただんだろう」に近いものが多かった。 いくつか特に気に入っているスレッドを保存しているので、今回はそのうちの一つを解放しよう。 【本日のスコーピオンズ】 49曲目「All Night Long(2015-Remaster)」 5th アルバム『蠍団爆発!

          人には言った事の無い秘密

          80年代資料庫「ニューニッポニア」

          昨日は長年のオンライン友だち(いわゆるマイミク!)ながら実際に会ったのはわりと最近という浜里堅太郎さんのお店、80年代資料と会員制の憩いの場「ニューニッポニア」からライブ配信をした。 店内はYMO関連(リプロ製品、同一楽器、ノベルティ含む)、飴屋法水さん主宰の劇団「東京グランギニョール」関連のグッズ、看板、ポスター、エフェメラなどなどでいっぱい。 安田理央さん提供のフリーペーパー類や、浜里さんがヤフオクで縁あって落手した大量のジャパニーズインディーズバンドのチラシなど、マニア

          80年代資料庫「ニューニッポニア」

          夜のプロトコルのあった時代

          意外と知られていない歴史のことを「意外史」と言ったりするが、平山亜佐子にも意外史がある。 そのうちのひとつが「夜のプロトコル」である。 これは「著者も本屋で本を売るだけではなくて、読者と直接交流したり発信する場が必要だ」という、今で言う「ゲンロン」のような思想を持ったグループで、メンバーは速水健朗、津田大介、いしたにまさき、大山くまお、成松哲、平山亜佐子の6人。 活動時期は2008~2011年と短いが、そこそこ精力的にイベントを行っていた。 当時のラインナップを見てみると……

          夜のプロトコルのあった時代

          ファミレス

          今回も、2007年ごろのノートより。 このところ駅向こうのファミレスに行く機会が立て続けに2回あった。立て続けといっても先月一度行っただけだが、この地に住んで5年間行ったことがなかったのだから、月1回、2回連続は立て続けと言っていいだろう。 そこに行くときは大抵夜0時過ぎてからで、意気消沈していることが多いから女一人でも目立たない店としてつい選んでしまう。 でもいつも入った途端にしまった、と思う。 まず、床が汚い。 25㎝四方のチェック模様のカーペットの2マスに一つは手で拾

          射的のおじさん

          2007年ごろに書いたものが出てきたので転載します。 毎夏行われる近所の諏訪神社のお祭りは楽しみなもののひとつだ。 この神社、敷地も参道も広くなく、両側に縁日が立ち並ぶと壮観というより下世話な雰囲気になるが、こう見えて800年以上の歴史がある。 数km先の根津神社が300年とちょっとだから、その古さがわかる。 根津神社は広い敷地に趣味よく剪定された植木が配置され、お祭りの縁日もぽつぽつあって情緒がある。 あくまでメインは神社、屋台は場所を借りていますという奥ゆかしさがある。

          射的のおじさん

          思春期

          最近、戦後の女性史にも興味が湧いてきて、1960〜2000年ごろまでに出版された女性に関するシリーズ本の一覧をGoogleスプレッドシートに入力している。 このエクセルやスプシに入力するという行為はわかる人にはわかる悦楽の行為である。 単純に穴をどんどん埋めていく達成感もそうだが、最初は勢いがあったのに途中から出版間隔が開いてきたり、担当者が変わったのか急に現実的になったり健康志向になったり変遷が見えて来るのも面白い。 とはいえ現物を揃えるとなると、バラバラの端本だし、ネット

          手紙

          先日、母から一通の手紙を渡された。 高校の同級生からのもので、懐かしい達筆で一年時の担任の先生が古希を迎えるにあたり、サプライズで同窓会を計画しているとあった。 みんなLINEで繋がっているというので早速登録すると先生をはじめ懐かしい名前が一気に押し寄せてくる。 わあ、懐かしい! と思うと同時に当時の自分を思い出して会うのが若干怖くなってきた。 思えば高校生も恥多き時代だった。 小学校、中学校とも恥しかなかったが、高校もなかなか破壊力があった。 わたしは一人っ子で大人に囲ま