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究極型パラダイム:サイニック理論とインテグラル理論の関係

今回は、究極型パラダイムを支える三つの要素

究極的位置取り(パラダイムコントロール)についてより深く言及する。

究極的位置取りでは、根本的な問いを繰り返し続けると第一原則(利己的な遺伝子、熱力学法則)などになってしまうことを知る。

なぜ、結婚したいの? 幸せになりたいから。
なぜ、幸せになりたいの? 好きな人と一緒にいることが幸せだから。
なぜ? そうすることで先祖は子孫を残し生き残ってきたから(利己的な遺伝子)。

そこで、ある段階で、「それが自分(組織)の究極的な意味、目的だから」、あるいはそれに比肩する究極的な答えだからと歯止めを掛ける。

また、その目的を達成するために、
お金を稼いで、結婚して幸せになりたい。
であれば、先に幸せになってしまうことが最も結婚し、お金を稼ぐことの近道だと知った上で、先に幸せになってしまうことでゴールから拾ってしまうという手段を取る。そしてその順にすることを、真のウォーターフォール思考と呼ぶ、

自分の感情は世界と比べれば遥かにコントロールが容易いことを理解し、先に幸せを手にする。仮にそれができない場合は、進化型思考やアジャイル思考にダウンサイジングするだけでなく、欲求不満や承認欲求、エゴ・恐怖を完全にコントロールした上で、自らの行動になるよう植え付け、自らをあえて「子供化」させる。

ただ究極型では、常に第一原則まで根本を突き詰められること、いつでもエゴを自由に利用可能なこと、それさえも世界を広く見ることに使ってしまうことが肝になる。

このことが実は、オムロン社が開発したSINIC理論でも説明されている。

サイニック理論は、オムロン社の創業者・立石一真が1970年国際未来学会で発表した未来予測理論である。この理論は、1970年に情報化社会の到来を予測しただけでなく、DAO、ティール組織の登場を予想していた。

新たな科学が新たな技術を生み、社会の変貌につながるという流れと、社会のニーズが新しい技術の開発を促し、新しい科学の期待となるという流れの相関により社会が発展するとした理論である。

そして、その先にあるのが自然社会であり、これが究極型パラダイムへと歩みを進める道となる。

https://www.omron.com/jp/ja/assets/img/about/corporate/vision/sinic/theory/theory_img01.svg

そして、このサイニック理論と、インテグラル理論の組織の発達段階の変化を比較するとより深くお互いが理解できる。

・SINIC理論
原始社会は100万年前、集落社会は1万2000年前、農業社会が7000年前、手工業社会が1300年、工業化社会が1765年、機械化社会が1876年、自動化社会が1954年、情報化社会が1975年、最適化社会が2005年、自立社会が2025年、自然社会が2033年である。
 ・インテグラル理論
無色が10万年~5万年前、マゼンダが1万5000年前、レッド型が約1万年前、アンバー型が6000年前、オレンジ型は700年前のルネッサンスに前に始まり、200年前から主流になった。グリーン組織は、230年前から始まり、2000年から主だってきた。ティール組織は30年前に始まり、今後主流になる。

・順序
原始社会→無色→集落→レッド→農業→アンバー→オレンジ初期=手工業社会→工業化社会→グリーン出現→オレンジ台頭→機械化→自動化→情報化→ティール出現→グリーン主流→最適化→自律社会→→ティール台頭?→自然社会

SINIC理論とインテグラル理論は交互に成長していることが分かる。SINIC側の変化は、インテグラル側の始まりになり、SINICが組織の発達段階を上げ、組織の発達段階がSINICを先に進めている。

そして重要なのは、サイニック理論もインテグラル理論も循環しているという点だ。これが子供に戻ろうともする、という究極型の姿を暗示している。

かつてインテグラル理論で無色型だった位置に、サイニック理論の自然社会は戻ろうとしているのだ。究極思考をすれば、これが今後も循環し続けることになる。

ということは、大人的思考と子供的思考の両方を統合し、新たに形作るということが言えるだろう。

この子供的思考には行動する力を喚起することや、あえて思考にエゴや鈍みを付けることで、かえって全体性を大きくするという目的がある。

子供達が素早く紙やテープを使って、MBAホルダーの大人達よりも高いタワーを建てたという。この力さえも使いこなそうとするのが、究極型パラダイムだ。



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