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組織図を書いてみよう1

組織図を書いたことはありますか?

経営者や経営幹部、管理職なら構想を練ったり、実際に組織図を作ったことはあるでしょう。しかし、それ以外の人はどうでしょうか?日々の業務の中で敢えて組織図を書くことに迫られることは少ないでしょうし、書いてみたいと思うきっかけもないかもしれません。

しかし、例えば飲み会の席で、ちょっとした雑談の中で、自分の組織への不満や改善ポイントは話し合われたりしていますね。或いは、4月、10月前後では誰がどこに異動したかの情報交換やその背景や賛否を話したりします。そういう意味では潜在的に組織図を頭にイメージはしていたりするわけです。

今回は、そこからもう一歩進んで経営の基本を座学ではなく、実践的に学ぶ機会として組織図作成のススメをお伝えしていきたいと思います。自分が仮に組織を自由に動かせるとしたらどのような組織図が理想的か?ということを実際に書き起こしてみるということです。

組織図作成のススメ・・・まずは範囲を決める

組織図を書くにあたっては、まずは一旦記載する範囲を決めたほうがいいです。範囲というのは2つあります。一つは組織の規模、一つは組織の粒度です。

あなたが社長の立場になってみて組織図を書くとなれば、全社的な組織図です。会社の規模にもよりますが、全社的な組織図となれば結構なボリュームになります。すなわち、組織の規模は大きくなります。こういう場合には組織の粒度は粗くすべきです。例えば記載は「課」までにするといった具合です。課のメンバー1名、1名は記載せず、課名と課長名だけにするような感じです。

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一方、部長の立場で組織を書く場合は、組織の規模は先程の社長の立場と違って、もう少し小さい組織図になります。これまた会社や部署によりますが、「部」ランクであれば、組織の粒度はむしろメンバー一人一人まで記載するのがちょうどいいと思われます。

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広い組織で書くか、狭い組織で書くか、それは問題意識で異なります。広い組織図は会社全体の構造的な問題の解消にフォーカスします。狭い組織の場合はより特定の問題の解消にフォーカスすることとなります。

組織図を書く効用

ではまずは実際に組織図を書いてみましょう。既存の組織を横目に見ながら自分なりの組織図を書いていきます。あまりこだわらずに書いていきます。部署名も自由にバンバン変えて書いてみます。いかがでしょうか?

これはやってみると気づくのですが、組織図自体をパッと完成させることができた人は、組織図の中身の賛否はあるかもしれませんが、完成させただけでなかなか優秀な人です。いや、というか相当優秀な人だと思います。

例えば部署自体は一切かえず、人の配置だけ変えるというやり方をしたとしても、相当難しいです。

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あの人はこっちの方が向いてる、この部署はこの人に任せよう・・・と決めれるということは、そもそもその部署やその人たちの特性を理解している、少なくとも自分なりに判断や評価を下すことができないといけません。最低限、知っていないとやりようがないのです。つまり相当な社内の事情通か、ジョブローテーションなりを経験したベテランということになります。

組織図を書く効用は、当然ながら経営課題を炙り出す、そしてそれを解消する方法を見つけ出すことが第一にあります。そして、第二に、上記の通り、自分自身が組織をみしっかりと見つめてられているのか?という自分自身の経営的な鍛錬の意味があります。歯抜けの組織図しか書けないなら、その空白の欄の部署や人材について研究不足なのかもしれない。そういう気づきを与えてくれます。

もう少し掘り進めていくと、そもそもこの部署は必要なのか?この部署の存在意義は何なのか?という疑問にも到達します。こうなってくるとそもそも会社は何のために存在するのか?私たちは何を目指すべきなのか?というミッションについても考えさせられます。

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そして、組織図を完成形で書けたそこのあなた、今何を思いますか?一つはくどいようですが自社の経営課題でしょう。もう一つは自分の価値観ではないでしょうか?あの人は課長にしたけど、その人はメンバーのまま。その判断にはもちろん能力もあります。経験年数もあるでしょう。しかし、価値観という評価軸も含まれていることにも気づくと思います。あぁ、自分ってこんな判断をするのだな、という気づきです。

組織図を作成する効用をもう一度まとめます。

・経営課題とそれに向けた施策のヒントになる

・会社や組織のビジョンの再認識や再構築ができる

・自身が経営的観点で社内を観察してるかのチェック

・自身と組織の価値観の認識と照らし合せチェック

次回は具体的に組織図を書くときのポイント紹介とそもそも組織とは何かということにも少し触れてみたいと思います。

ということでまた。


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