管理職は何人管理できるのか?
本日はこちらです。
部長だと5人?
会社や組織の形態にもよりますが、一つの部の傘下に、課はせいぜい5つくらいではないでしょうか?極論すれば部長は五人の課長を管理できれば良いと言う話になります。
一方で、課の傘下の人数を考えてみると、例えば伝統的製造業の製造関連の部署だと、工程員や派遣社員、パートも含めると数百人という部下が存在する場合があります。もちろん課の傘下には、係長や班長が存在しますが、管理職が見るべき人数で言えば、課長が管理しないといけない人数は膨大です。
正直言って、最初に書いた五人の課長だけを管理する部長が、仮にその課の課長のサポートに回ったところで到底管理しきれる人数ではない規模感です。
或いは、いわゆるテレワークする組織での課長の人数の最大値を考えるとするならば、二十人〜三十人といったところでしょうか?それでもちょっと多い感覚かもしれません。逆に同じ会社や事業部であっても一人課長や数人のチームの課長も多く見かけます。一人部長とか、一人部長その下に一人課長の二人組織みたいなものもたまに存在します。
要するに管理職は管理する人数が個々でだいぶ開きがあるのが実態です。
課長代理
ここで唐突に話は変わりますが、課長代理について考えたいと思います。これまた様々な名前が会社ごとについていますが、課長じゃないけど職能的には課長級という人がたくさんいます。いわゆる労働組合の非組か組合員かで、管理職かそうではないかを分ける考え方です。
こうした非組の課長代理については、類似の名称として、副課長、部長代理、副部長、次長、主幹、事業部長付、などなどあります。管理をしない管理職です。上述した一人課長も含めて、部下を管理しない管理職が存在しています。
僕はここにひとつの問題点が孕んでいるのではないか?と思っています。別に課長代理こそが組織が機能しない諸悪の根源である、などとは結論づけません。
しかし、実態として、部長や課長は、(言葉が悪いですが)こうした課長代理を使いこなし切れていないし、課長代理は課長や部長の期待を正しく汲み取れていない(或いは汲み取れていてもやる気が上がらない)、といったギャップが存在しているのではないか?ということです。
管理できる体制を考える
なぜこんなにも人数や課長代理というマニアックな部分にこだわるかと言えば、現場の頑張っている課長と部長の口癖は、ほとんどが「リソース不足で回らない」ということだからです。
多少なりともやる気のある部長・課長は、多くの世間から投げかけられている疑問や指摘について痛いほど実感していると思います。そして僕も生意気にも部長や課長に仕事の仕方を変えた方がいい、などとアドバイスをするわけですが、「そんなことはわかってんだけね」という反応がほとんです。
例えば、社員一人一人との1on1での面談で思いや気持ちを汲み取り、それをもとに一人一人のキャリア形成を考えて仕事を割り振る、加えてビジョンを伝えて仕事のゴールを共有できるようコミュニケーションする、はたまたテレワークという環境下において成果を優先し部下のマネジメントに徹する・・・どれもそうしたいのは山々なのです。でもできません。
部下が二十人いれば、稼働日ベースで1ヶ月ずっと1日1回、1on1しながら仕事をすることになります。部下が四十人いたら業務の全てが1on1で終わってしまうかもしれません。
或いは本当は課長代理に高度なプレイングの部分は任せたいのだけれど、実は全然実力がないまま課長代理になっている人だと判明したら任せられない。
しかし、組織というのは人数で計算されます。「お前のところは課長代理もおるやないか?これだけ人数がいて、なんで仕事が回らないのか?」と上から言われれば、本来課長代理に振るべき仕事を課長がこなし続けなければなりません。
まとめ
結論から言えば、管理職は必要です。管理職が部下を管理、マネジメントするのが組織としては当たり前の姿です。しかし、以下の点が問題です。
一つは、圧倒的に課長不足であるということです。世の中には適性人数でない課が非常に多いです。では、何人が適切か?は簡単に結論づけられないかもしれませんが、課長の業務過多を無視して、課長にマネジメントに徹するよう要請したりすれば、かえって今より組織の状態を悪くするリスクがあります。
もう一つは、課長代理の存在です。一度、非組としての管理職になると余程の問題をおこなさない限り降格はありません。ここの流動性を高める必要があるように思います。昇格も降格も柔軟にすることで、課長不足の中、課長を本当に助けられる人、そういう人が次期課長を狙えるポストに付ける仕組みが重要なように思います。
ということで、また。
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