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アイリスの深淵~科学と魔法の謎

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魔法と科学の謎に迫るという、SFファンタジー小説を投稿します。 全3話構成になる長編になります。 第1話 魔法学校ギャラクシア 第2話 粒子爆弾と幻の数 第3話 魔界の旅 …
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#科学

12章 別宇宙の階段

12章 別宇宙の階段


料理当番

フランチェスカ、エリカ、マリアは、大食堂を歩いていた。

みな食事をしている中で、3人は真っ直ぐに厨房へ向かう。

厨房からは、あくせくしながら料理を運ぶ、白衣とコック帽姿のラベンダーが出てきた。

ラベンダーは、3人の姿を見つけると言った。

「あら、フランチェスカ研究長。
何かご用なら後にしてください!
シェフがいなくなったから大変なんです
用務員に料理人に、、、!
学園が開校し

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10章 魔界の扉

10章 魔界の扉


謎の囚人
エリカは、ギャラクシアの園庭で勉強していた。
潜入捜査の任務を兼ね備えている為、部屋に籠ることを許されなかったのだ。

そこは、雲の上に、実の成る木が生え、おしゃれなベンチやテーブルがある、楽園のような場所であった。

そこで、生徒たちは、勉強をしたり、休憩をしていたりしている。

ハープの音がどこからか聞こえてきて、心地よい風が顔に当った。

しかし、エリカの顔は暗かった。

三回生

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7章 魔力と意識エネルギー

7章 魔力と意識エネルギー




薄暗い廊下では、いくつかのランプの明かりが移動する様子と、人影があり、
ゆっくりと静かになっていきそうな消灯前の雰囲気にあった。

そんな微妙に人気のある廊下で、2名の生徒がひそひそと話していた。

「ちょっと目立ちすぎたんじゃないかしら。」
気弱にそう言ったのは、涙ほくろのある女の子、ジャスミンであった。

「おかげで、用務員の顔と名前が割れたからいいんだ。」
そう言い聞かせるように言っ

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5章 魔法物理学

5章 魔法物理学

4次元空間

快晴の空に浮かぶ雲たちの中に、一際大きな雲が浮かんでいた。

それは聖ギャラクシア帝国学園を乗せて浮遊する雲である。

学園の講堂では、生徒達が座り、落ち着きのない様子で話をしていた。

「皇族の方々に魔力がまだ残っていたんだね、、、。」
「本当に、魔法を学ぶの?」
「魔法じゃないよ、魔法物理学!」
「魔法と魔法物理学の何が違うのよ!」
「魔法物理学は、原理を学ぶけど、実践するのが魔

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3章  魔法遺伝子                  ~第1話魔法学校ギャラクシア~アイリスの深淵より~

3章 魔法遺伝子 ~第1話魔法学校ギャラクシア~アイリスの深淵より~



皇族メイデン・ギャラクシア

快晴の空に、綺羅びやかに聳え立つ巨大な城があった。
お伽噺の絵本から飛び出てきたかのような美しいその景色は、正に帝国メイデンのもの。

城下の賑やかな市場では、果物やパンが屋台で売り出され、絹の羽衣職人や、蛇使いなど、様々な娯楽や売買が成されていた 。

そのような活気溢れる雰囲気の中、1人の少年が、ただ事ではない様子で人々を押し退けながら走っている。

「皇帝陛

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2章 魔法の国   ~第1話 魔法学校ギャラクシア~アイリスの深淵より~

2章 魔法の国 ~第1話 魔法学校ギャラクシア~アイリスの深淵より~



魔法の支配

壮大な城を背景に、活気溢れる町。

そこに、皇帝を乗せた馬車が向かっていた。

そうとは知らぬ町人は、果物屋の前で値段交渉したり、踊り子に投げ銭をしたり、鍛冶屋で刃の品定めをしたり、それぞれの日常を送っていた。

その中で、不穏な様子で人々を押し退けながら走る男がいた。
腕に、年端もいかぬ子どもを抱いている。
ぐったりと項垂れており、重症患者のようだ。
その男は、その子の父親だっ

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1章 プロローグ ~第1話魔法学校ギャラクシア ~アイリスの深淵より~

あらすじ

人間は、科学の延長線上に魔法を創造した。
やがて、魔法を独占する者が現れ、人々は支配下に置かれた。
しかし、魔法は方法論しか解明されていない未知の領域だった。
様々な人物が、それぞれの思いを胸に、その謎に迫る。。。

【目次】

【第1話完】

魔法史

かつて、人間は科学の延長線上に魔法を創造した。
便利で魅力的な魔法はみなが利用し、一時は恵みと平和をもたらしていた。

しかし、愚か

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