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男木島灯台,水仙の季節

 瀬戸内海の男木島(おぎじま)。直近では、2022年の年末に訪れた。

 主に、瀬戸内国際芸術祭2022の開催地として、アートを観に行っていたのだけど、島の北端に水仙の群生地があり、2月が見ごろだと知った。

高松港から40分の旅

 高松港を小さなフェリーで出て、40分。鬼ヶ島伝説のある女木島(めぎじま)を経由して、男木島に渡る。

 急勾配の山に、民家が密集している。下の写真でいえば、その家々を越えた先、画面左側奥をずっと進んだ先に灯台があり、その周辺に水仙が咲くという。

 案内書で地図をいただく。「2月11日に水仙祭りをやったばかりだから、まだ咲いていると思いますよ」とのこと。

 下の画像の地図内の、船の絵が港、上の端の灯台のマークが灯台だ。

集落を通り抜け、山道を進む

 男木島は周囲4.7kmの小さな島だ。ただ既述の通り、かなり急な山道が多い。集落を過ぎると一本道だというので、近道ではなく、集落を通り抜けてみることにした。

 石段でつながり、ある家の屋根が、その上にあるお宅の玄関に相当するくらいの高さがあり、全体がひとまとまりのように感じられるこのエリアが好きだ。

 集落を抜け、一本道らしい道に入った。ここからは進むだけ。どこかで「不安になるほど(長い間)歩く」というコメントがあったけれど、たしかにその通りだ。

 木々の狭間から海が見える。瀬戸内海らしい、おだやかな海だ。

 梅の花が風に揺れる。

 群生地らしき場所。そろそろ、近そうだ。

 背後には、トレッキング的なコースの入口があった。油断していたな、と思う。民家のあるエリアしか訪れたことがなかったので、男木島がこんなに自然にあふれた場所だと想像していなかった。靴などの装備を整えて、また来てみたい。

男木島灯台へ

 今までわたしが歩いてきた細い道は「車道」らしい。そのまま車道を下っていく。

 灯台が見えてきた。

水仙と灯台、静寂と海

 海を左手に、坂道を下っていく。

 1895年から働きはじめて、今も仕事を続ける男木島灯台。

 その裏山に、水仙が群生している。

 上品な香りが、あたりに立ち込めていた。

 浜のほうに向かってみる。

 ゴツゴツとした石の浜。足を滑らせないように気を付ける。周囲に人影はない。

 波の音を聞きながら、しばらく佇んだ。

島猫、アート、最終フェリー

 17時の最終フェリーの時間を気にしつつ、屋外アートのある正反対のエリアにも足を延ばしてみたいので、来た道を戻ることにした。

 島のいたるところに、植えたのではなく自然に生えているという感じの水仙を見かける。

 君たちには前にも逢ったね、とわかる猫たちと再会した。

 いったん港に戻り、今度は島の東側を目指す。

 漁港を通り過ぎ、

 パブリックアートを鑑賞しながら、

 夏は賑わうであろう、海水浴場へ。

 島ではよくこんなふうに、太陽と目が合う。

 港のほうへ、少し急ぎ足で戻ると、

 ちょうど、最終フェリーが入港してきた。

 この日の夕焼けは望めなかったけれど、こんなふうに雲の狭間から、最後の陽光が射しこんでいた。

 40分の航海を経て、高松港へ。

 これまではアート、今回は水仙。そして灯台のある風景を好きになった今、また次の出逢いをもとめて男木島を訪ねるだろう。



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