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【写真】直島, 大竹伸朗 5作品+1

 季節とともに移りゆく風景を背景に、現代アート作品を鑑賞できる直島。それなりの数となったストックから、作家別で整理してみるということをしてみたい。

 大竹伸朗作品から。

大竹伸朗「シップヤード・ワークス 船尾と穴」1990年

 今年2月に終了した大竹伸朗展@東京国立近代美術館では、圧倒的な情報量の作品のなかに翻弄されることとなった。

「残景0」

 東京国立近代美術館では、偶然、作家自身のパフォーマンスも鑑賞した。



家プロジェクト「はいしゃ」≪舌上夢/ボッコン覗≫(2006年)

 大竹伸朗らしいと感じる作品の一つは、直島の「はいしゃ」だ。島のバス通りに、突然こんな家屋が見えてきて「えっ」となる。

「はいしゃ」は、かつて歯科医院兼住居だった直島・本村地区の建物を、2006年の「直島スタンダード2」展をきっかけに大竹伸朗氏がまるごと作品化したものです。彫刻や絵画、スクラップなど、外観・内観ともに大竹氏ならではの多様な作品様式が盛り込まれ、家全体が一つのコラージュ作品として成り立っています。

「2,000個の陶器製の歯」が出迎える――
大竹伸朗「はいしゃ」追加制作ドキュメント
 より


「はいしゃ」制作時、大竹氏は建物を囲む塀には手を加えず、既存の塀をそのまま活かしました。しかし2018年、安全上の理由から塀の一部を建て直すことになりました。建て直しについて福武財団が大竹氏に打診したところ、「どうせなら塀も作品の一部として手を加えたい」という意向が示され、追加制作が決まりました。大竹氏は「歯茎色」の塀に陶器製の歯を埋め込むというアイデアを提案しました。

同上

 埋め込まれた陶器製の「歯」は、たしかに確認できる。


 びっくりするのは、外観だけではない。

 最も驚くのは、2階の床を抜いて、こんな存在が設置されていることだ。

 自由の女神のような…いや、よく見ると微妙に違うような、巨大な像。

 この女神は、もともと新潟のパチンコ店に設置されていた。作家がそれを、アトリエのある宇和島に引き取り、使いみちが見つからないままに10年近く保管し、半年の修復を施したあとで、(回顧展である)「全景」展の吹き抜け会場に設置。その後、直島の「歯医者跡地」(=この場所)を終の棲家にすることとなった。
(大竹伸朗著『見えない音、聴こえない絵』149頁 ほか、より)

 「新潟のパチンコ店」に設置、という光景が目に浮かんでしまう。そしてこの、日本的というか、もしかして意図したのかもしれないちょっとチープな感じが、ネオン管によく似合う。

 ところで、このように、どこかで長らく使われていて、使われなくなったものを作家が「もらい受け」、作品に取り込むということも、この作家にはおなじみだ。

 直島からは脱線するが、たとえば思い出すのは、有名な「宇和島駅」だ。
 宇和島駅の駅舎で本当に使われていたもので、こちらに関しては取り壊される際に、作家が入手し保管。下の写真のように、屋外に展示されたこともある。

今年2月まで、東京・九段下ではこんな大胆な展示が


直島銭湯「I♥湯」(2009年)

  フェリー乗り場のある宮浦港から歩いてすぐの場所に、この銭湯はある。

アーティスト・大竹伸朗が手がける実際に入浴できる美術施設。直島島民の活力源として、また国内外から訪れるお客様と直島島民との交流の場としてつくられたこの銭湯は、外観・内装はもちろん、浴槽、風呂絵、モザイク画、トイレの陶器にいたるまで大竹伸朗の世界が反映されています。

ベネッセアートサイト直島 より

 なかなか声をかけたりドアをくぐったりがしづらく、残念ながら入浴も、見学もしたことがないので、外観のみ。


ガチャ景(※ガチャ)

 アート作品、ではないのだが、面白いガチャがあるので紹介しておく。

 「シップヤード・ワークス 船底と穴」をゲット。


「シップヤード・ワークス 船底と穴」(1990年)

 ガチャつながりで、ベネッセハウス2階に屋外展示された、「シップヤード・ワークス 船底と穴」(1990年)を。
(写真を整理していると、今、作業をしている卓上にある「ガチャ」が、とてもよくできていることに改めて気づく)


「シップヤード・ワークス 船尾と穴」(1990年)※ビーチに設置

 ベネッセハウスから山を下ったビーチに設置されている、同名作品。


「シップヤード・ワークス 切断された船首」(1990年)

 夏だと草で隠れてしまいそうな作品が、そのすぐ近くに設置されている。

 冬に訪れると、このような感じ。

 もともと静かな場所なのだけど、オフシーズンである冬の、晴れた日のこの場所の静けさは格別だ。波と風の音を聴きながら、ただ風に吹かれる。



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