【写真】直島, 大竹伸朗 5作品+1
季節とともに移りゆく風景を背景に、現代アート作品を鑑賞できる直島。それなりの数となったストックから、作家別で整理してみるということをしてみたい。
大竹伸朗作品から。
今年2月に終了した大竹伸朗展@東京国立近代美術館では、圧倒的な情報量の作品のなかに翻弄されることとなった。
東京国立近代美術館では、偶然、作家自身のパフォーマンスも鑑賞した。
家プロジェクト「はいしゃ」≪舌上夢/ボッコン覗≫(2006年)
大竹伸朗らしいと感じる作品の一つは、直島の「はいしゃ」だ。島のバス通りに、突然こんな家屋が見えてきて「えっ」となる。
埋め込まれた陶器製の「歯」は、たしかに確認できる。
びっくりするのは、外観だけではない。
最も驚くのは、2階の床を抜いて、こんな存在が設置されていることだ。
自由の女神のような…いや、よく見ると微妙に違うような、巨大な像。
この女神は、もともと新潟のパチンコ店に設置されていた。作家がそれを、アトリエのある宇和島に引き取り、使いみちが見つからないままに10年近く保管し、半年の修復を施したあとで、(回顧展である)「全景」展の吹き抜け会場に設置。その後、直島の「歯医者跡地」(=この場所)を終の棲家にすることとなった。
(大竹伸朗著『見えない音、聴こえない絵』149頁 ほか、より)
「新潟のパチンコ店」に設置、という光景が目に浮かんでしまう。そしてこの、日本的というか、もしかして意図したのかもしれないちょっとチープな感じが、ネオン管によく似合う。
ところで、このように、どこかで長らく使われていて、使われなくなったものを作家が「もらい受け」、作品に取り込むということも、この作家にはおなじみだ。
直島からは脱線するが、たとえば思い出すのは、有名な「宇和島駅」だ。
宇和島駅の駅舎で本当に使われていたもので、こちらに関しては取り壊される際に、作家が入手し保管。下の写真のように、屋外に展示されたこともある。
直島銭湯「I♥湯」(2009年)
フェリー乗り場のある宮浦港から歩いてすぐの場所に、この銭湯はある。
なかなか声をかけたりドアをくぐったりがしづらく、残念ながら入浴も、見学もしたことがないので、外観のみ。
ガチャ景(※ガチャ)
アート作品、ではないのだが、面白いガチャがあるので紹介しておく。
「シップヤード・ワークス 船底と穴」をゲット。
「シップヤード・ワークス 船底と穴」(1990年)
ガチャつながりで、ベネッセハウス2階に屋外展示された、「シップヤード・ワークス 船底と穴」(1990年)を。
(写真を整理していると、今、作業をしている卓上にある「ガチャ」が、とてもよくできていることに改めて気づく)
「シップヤード・ワークス 船尾と穴」(1990年)※ビーチに設置
ベネッセハウスから山を下ったビーチに設置されている、同名作品。
「シップヤード・ワークス 切断された船首」(1990年)
夏だと草で隠れてしまいそうな作品が、そのすぐ近くに設置されている。
冬に訪れると、このような感じ。
もともと静かな場所なのだけど、オフシーズンである冬の、晴れた日のこの場所の静けさは格別だ。波と風の音を聴きながら、ただ風に吹かれる。
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