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【直島】旅の記録 & 地中美術館で『睡蓮』を観る

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モネの『睡蓮』を展示する地中美術館に通った2022年。加えてそれ以降の、直島アート旅の記録。
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【写真】直島 杉本博司ギャラリー 時の回廊

 直島、「杉本博司ギャラリー 時の回廊」。  撮影したのは昨年10月だ。もう少し腑に落ちてから作成しようと思いながらほぼ1年が過ぎ、そう遠くないうちに再訪しようとも思っているので、写真をまとめておこうと思う。  丘陵地に建てられており、建築はもちろん安藤忠雄。  エントランスから地階へ。 写真作品  作品の多くは、モノクロ写真だ。 「護王神社模型」2003年  「家プロジェクト」の護王神社の模型。  完成作品はこちら。 ラウンジ  入場料には、ラウンジでの

【写真】直島, 大竹伸朗 5作品+1

 季節とともに移りゆく風景を背景に、現代アート作品を鑑賞できる直島。それなりの数となったストックから、作家別で整理してみるということをしてみたい。  大竹伸朗作品から。  今年2月に終了した大竹伸朗展@東京国立近代美術館では、圧倒的な情報量の作品のなかに翻弄されることとなった。  東京国立近代美術館では、偶然、作家自身のパフォーマンスも鑑賞した。 家プロジェクト「はいしゃ」≪舌上夢/ボッコン覗≫(2006年)  大竹伸朗らしいと感じる作品の一つは、直島の「はいしゃ」

【写真】直島 ベネッセハウス ミュージアム③地階

 ベネッセハウス ミュージアム 地階に展示されている、ブルース・ナウマン「100生きて死ね」、柳幸典「ザ・ワールド・フラッグ・アント・ファーム1990」、ジョナサン・ボロフスキー「3人のおしゃべりする人」、宮島達男「Counter Circle No.18」、杉本博司「タイム・エクスポーズド」について、前回紹介した。 安田侃「天秘」1996年  安藤忠雄の無機質なコンクリートの四角と直角の世界に、すべらかな石が設置されている。この石の上に、座ったり寝転んだり、自由に時間を

【写真】直島 ベネッセハウス ミュージアム②地階

 ベネッセハウス ミュージアム、地階。  地階とはいえ、山の頂上に位置するため、陽光が射し込み、眺望も格別だ。 ブルース・ナウマン「100生きて死ね」1984年  最も展示スペースが割かれているのが本作。地階~2階までの吹き抜けに展示されている。  1階から、ガラス窓越しに見下ろすとこんな感じ。  このようにスロープを下っていくと、  椅子の前にふしぎな巨大な箱が鎮座し、ネオン管で造られた文字が、ランダムに点灯していく。  「OO and DIE」「OO and

【写真】直島 ベネッセハウス ミュージアム①1階

 直島。この話のつづき。  振り向くとこんな風景。坂道を、ベネッセハウス ミュージアムへ。  前回の大竹伸朗「シップヤード・ワークス 船底と穴」につづき、展示作品を紹介していく。今回は、1階の展示作品の中から何点かを。 セザール「モナコを讃えてMC12」1994年  ホテルロビーのあるエントランスで、まず出逢うのがこの作品。  圧縮した自動車、で有名なアーティストだと思うが、圧縮されひしめきあうポットたちも、多くを語っている。 リチャード・ロング「瀬戸内海のエイヴ

直島を歩く【写真】海の風景,ベネッセハウス ミュージアムまで

 直島「宮浦(みやのうら)」港に到着し、  宮浦港から「つつじ荘」まで町営バスに揺られ、  草間彌生の「南瓜」を鑑賞しながら、  急勾配の道を歩いたことを振り返ってきた。  地図で見るとこんな感じだ。  中央右あたりの「つつじ荘」、そこから向かって左すぐの桟橋のシルエットに「南瓜」がある。海岸を向かって左にさらに歩いて白い線で示された道に入り、細い道に右折した、そのあたりが、屋外作品が展示された「シーサイドギャラリー」が、ここを訪れたときに長い時間を過ごす場所だ。

直島【写真】ヴァレーギャラリー(草間彌生,小沢剛),再び

 約1年ぶりの、ヴァレーギャラリー(直島)。  ベネッセハウスからは、徒歩でも向かえる。鑑賞料金も、ベネッセハウス ミュージアムの入館料に含まれている。 小沢剛「スラグブッダ88 -豊島の産業廃棄物処理後のスラグで作られた88体の仏」  ここには2人のアーティストの作品が展示されている。  坂に沿って恒久設置されているのは、小沢剛「スラグブッダ88 -豊島の産業廃棄物処理後のスラグで作られた88体の仏」(2006/2022年)。  直島からも船で渡ることができる豊島

直島【写真】-草間彌生[南瓜],海

 高松港からフェリーに小一時間乗り、直島・宮浦港へ。  草間彌生の「赤かぼちゃ」に挨拶をし、  町営バスに乗って、終点の「つつじ荘」前まで。  海を前に、はるか右手に、その黄色い作品はこんなふうに見える。 野外展示を意識して制作,94年に展示  本作には長い歴史がある。  直島が「アートの島」と一般的に知られる前から、この場所に在った。 台風で破損,一時避難も  ただ、島の桟橋に展示されているということは危険と隣り合わせだ。何度か台風などで破損し、長い間、「台

直島【写真】-草間彌生[赤かぼちゃ],夏空

 フェリーで直島を訪れるとき、真っ先に視界に入る屋外作品、草間彌生の「赤かぼちゃ」。  瀬戸内国際芸術祭の紹介でも、直島のアート「01番」。  この作品よりもずっと前、「アートの島・直島」の黎明期に展示されている(※台風で破損したりして、現在のものは昨年再設置された)黄南瓜と並んで、この島のシンボル的存在だ。  12月には、クリスマスの飾りで周囲が彩られていたり、 塗り直し中、だったりもした。 フェリーからの[赤かぼちゃ]  まず、高松港ー直島(宮浦港)間のフェリ

直島【写真】李禹煥(Lee Ufan) 柱の広場(無限門)

 そんなわけで、直島に短い旅をした。2022年は月に一度は訪れて、瀬戸内国際芸術祭2022を含めて1年楽しみ尽くしたので、もう暫くは訪れることはないのではと思っていたのだけど。  格安の航空券情報とホテル情報を目にしたら、条件反射的に予約をしてしまっていた。天候はずっと雨と曇り予報だったのだけど、島の転機は雨予報から快晴に逆転することが経験上多く、今回もそうなった。  それなりの枚数の写真を撮ったので、順次紹介していこうと思う。まずは李禹煥(Lee Ufan) 美術館の「

【写真】直島02:直島-高松 船上,サンセット(2023年2月撮影)

 今日から連日、同じ路線に乗るのだけど、そしてほぼ快晴が続く予報なのだけど、2月撮影の直島(宮浦港)-高松行フェリー最終便からの夕景を。  下記からの景色の続きだ。  日没を迎える前の、陽の最後の輝き。宮浦港。  草間彌生の水玉模様が描かれた「なおしま」に乗り込む。 おおづち島と並ぶ夕陽  まるで歩いて渡れそうな穏やかな水面。フェリーは、静かな海を進んでいく。  さきほどの写真でも登場していた、三角形の島、おおづち島。夕陽に隣り合って並ぶ。 人々の影、美しいシルエ

【写真】直島01:地中美術館からの帰り路(2023年2月撮影)

ほぼ毎月訪ね、早くも1年  瀬戸内海の直島に(ちょうど時期的に、ワーケーションにもかこつけて)都内から月に1回は訪ねるようになってから1年。  3月7日で地中美術館の年パスの期限が切れるので、(自分にとっては記念の)その日に訪ねて、同美術館は一度卒業しようと思う。ただ、つい高松までの飛行機と宿の予約は入れてしまうので、2023も直島の四季を愉しみ続けると思う。  直島を含む島々を訪ね、1年で、かなりの枚数の写真を撮った。10月にカメラとレンズのスペックを上げてからは、な

【写真】睦月,直島② パブリックアートと海,空,雲,

 2023年1月の直島の旅。施設全面メンテナンス期間中に訪れてしまったのだけど、ひとけのない島で、珍しい経験ができたのは書いた通り。 ■高松港10:14発フェリー  ただ、旅程は短縮し(また2月に来ます)、この日は滞在さいごの日。手が届きそうなふわふわの白い雲が立ち込める高松港、10:14発。  船はもちろんすいていて、デッキもほぼわたしひとり。空を見上げると、鳥たちが美しい列を作りながら飛び去って行った。  どう見ても曇りなのだけど、予報では晴れ間もあるという。船が

【写真】睦月,直島①:「赤かぼちゃ」修復中、黄色い「南瓜」と過ごす午後

 高松港発、直島(宮浦)。すっかりいつものコース、往復990円。 ■一斉休館、直島行は閑散  この1週間、ベネッセアートサイト直島のアート施設は、ほぼ一斉にメンテナンスに入る。完全なオフシーズンの2月は、休館日に気を付けていたのだけど、1月は年末年始のところしか注意していなかった。  高松への移動中にInstagramを久しぶりに見て、「しまった」と。これはわたしの、完全な不注意。  12月~3月までは、国の制度に乗っかる形で、月に1度ずつ、高松滞在→直島ほかの島々へ