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ヘザウィック・スタジオ展④スケッチと部分模型からプロセスを知る

 六本木ヒルズ展望台(東京シティビュー)で開催中の「ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築」@東京シティビュー。6月4日まで。今回は【セクション5】【セクション6】と、部分模型、デザイン画の展示を紹介。


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セクション5「記憶を未来へつなげる」
歴史は人々の物語の蓄積です。建築物にもそこで時間を過ごした人々の記憶が宿っています。当初の役割を終えた建築物の記憶を未来へ繋げること。ヘザウィック・スタジオのデザインには、こうした使命感が感じられます。建物の元のデザインを活かして大胆な改装をする一方で、かつての状態へ修復、復元しようとするこだわりが随所に見られます。

展覧会を構成する6つのセクション より

ツァイツ・アフリカ現代美術館


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セクション6「遊ぶ、使う」
ヘザウィック・スタジオのデザインは、遊び心に溢れています。円形から楕円に、楕円から円形に自由に形を変えることができる《フリクション・テーブル》は、人々のニーズに応じて家具に柔軟性を持たせるという大胆な発想によるものです。彫刻作品のような椅子《スパン》は、人が座ると弧を描きながら360度回転します。こうした柔軟で自由な発想の集積が、まさに建築という大きなスケールにも活かされていることがわかります。

展覧会を構成する6つのセクション より


拡張する家具(シリーズ)

 天井から吊るされたこの写真を観るまで、丸テーブルと楕円テーブルそれぞれ単体が展示されているものと思っていた。

 仕組みを知った後だと、円形テーブルの天板の厚さは、デザインでそうなっているだけでもないのだと気づいて「なるほど」となる。

 「膨張する~」シリーズは、家具以外にも。


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スパン

 じっと見ても、アート作品?以外の何だろうという印象だった。メタリックな(アルミニウムの)外見にも惑わされ、座わって使うと知ったとしても、どうもイメージできない。

 下のポリプロピレン製の椅子と、人々が使っているところを見て、なるほどとやっと合点がいく。椅子といえば椅子、遊具といえば遊具。落ち着いて座ることもできれば回転させることもできる、「楽しい」椅子。椅子といいながら、椅子のイメージを軽々と超えているところが愉快だ。


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スケッチ、模型から制作過程を知る

 本展の魅力は、膨大な枚数のスケッチ、模型も展示され、デザイナーの発想のプロセスを知ることができる点だ。メモし、記録用らしい写真を撮る学生とおぼしき来場者も多かった。

 展望台の大窓の対向の壁に、無造作を演出しながら蛍光色のテープでスケッチが貼られていた。これからミーティングでも始まりそうな、わくわくする雰囲気だ。

 見学したあとに、ここでデザイン画をじっくりと見れば、模型のところにもう一度戻りたくなる。二次元と三次元を行き来する面白さもあった。

 展示会場がそもそも展望台なので、少し疲れを感じたら眼下に東京の風景を眺めながら休んだ。そんなふうに展示に戻ると、特に麻布台ヒルズは、地上と六本木ヒルズ52階がつながったような、ふしぎな感覚も味わえた。



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