⚫️🔵🟢「よろしゅうおあがり」美しい京言葉
اعوظ بالله من شیطان الرجیم بسم الله الرحمن الرحیم
フランス語「Bon appétit」は美しい言葉だ。料理を作った人でもそうでない人でも、食べる人が食事を楽しむことを願って声をかける。
ペルシア語にも同じ意味、同じ使い方の表現がある;「نوش جان ノーシェジャーン」。
夫の母語はペルシア系なので、夫やその親族と食事時に、たまにこの言葉を交わす。母国はじめ世界中にばらけて暮らしているので、これから食事だという相手に電話の切り際、挨拶ついでに言うことも多い。
日本の関東地方出身の私は、自分の母語にこの表現がないことを残念に思う。「よく食べてください」なんか違う。「よい食欲を」おかしい。「食事を楽しんで」意味は通じるが畏まりすぎている。
私の祖母は岐阜県出身、その父親(我曽祖父)は生粋の京都人。祖母は岐阜と京都を行ったり来たりして育った。
京言葉には「Bon appétit」にあたる表現がある:「よろしゅうおあがり」。
祖母を可愛がってくれたという祖母の祖母(我高祖母)が、食事の前によく「よろしゅうおあがり」と言ったそうだ。
子供時代の祖母「おばあちゃん何で?まだ食べてないのに?」
高祖母「この子はまた団子理屈をこねて」
という会話をよくしていたとのこと。団子理屈は屁理屈の意味。
祖母がいうには「食べ終わって"よう食べはりました"だったらわかるけれど、食べる前に"よろしゅう"って何?と思った」と。
美しい表現が京言葉にある。私の先祖が話していたのに、私が話せない言葉に。
今、祖母は東京の老人ホームに暮らしている。毎夕、晩ご飯前に電話をかけている。
祖母「そろそろ晩ご飯だわ」
私「あぁ、じゃあ、、、よろしゅうおあがり、です」←母語じゃないからぎこちねぇ。
祖母「そんな言葉もあったわねぇ」
よろしゅうおあがりやす。長寿は良いことだ
سبحان الله الحمدلله الله اکبر