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読書感想

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読書感想記事。本マガジンが初出のものもあれば、別途運営しているブログ「モーション・グリーン」で更新した記事から派生したものの場合もあり。
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#読書

約束のネバーランド 1 (ジャンプコミックス)

約束のネバーランド 1 (ジャンプコミックス)

kindle版はコチラ

旅立つまでの理想のゆりかご、と思っていた。
外の世界へのあこがれと、その先の幸せを願って、笑顔で送り出していた。

が、知ってしまった。

いまいる場所は養殖場。

自分たちは鬼に食べられるための存在だった、と。

主人公・エマが思いを同じくする仲間たちと共に、生きるため、生き残るため、今いる場所からの脱出を試みる、サバイバルマンガ。

結構題材がハードで救いが少なく、だ

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機動戦士ガンダム THE ORIGIN (2) カドカワコミック (カドカワコミックス・エース)

機動戦士ガンダム THE ORIGIN (2) カドカワコミック (カドカワコミックス・エース)

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大人になってみると、見方が変わる作品は多々存在する。
立場が変わり、価値観が変わり、そして感情移入でいる相手が変わる。

「『逆襲のシャア』は大人になって観て、初めてその作品のことがわかる」(意訳)
とは、ガンダムシリーズ(宇宙世紀)の監督を数多く手掛けている富野御大のコメントだが、ホントにその通りだなあ、と感じることが増えた。

1stガンダムの漫画版であるこの巻は、

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仮面ライダークウガ(3) (ヒーローズコミックス)

仮面ライダークウガ(3) (ヒーローズコミックス)

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平成ライダーシリーズでは、いくつかのテーマが繰り返し提示されている。

・「親殺し」(ライダーと敵は同じ力を持ち合わせていて、ある種同種であり家族)
・「異種の悲しみ」(ライダーがどれだけ人類のために戦っても、人間と同じ存在にはなれない)

そして、この巻で出てくる「相互理解」

原作のクウガでは、人類とグロンギとの戦いの一方で、同じ人間同士のコミュニケーションの難しさ

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仮面ライダークウガ(2) (ヒーローズコミックス)

仮面ライダークウガ(2) (ヒーローズコミックス)

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クウガ、赤への覚醒。

力を持った五代。
しかし、それでも助けられないこともある。

手が届かなかった人
力が及ばなかったとき

完全な戦士などいない。全てを助けられるわけではない。
まだ、白の状態ではあるとはいえ、そんなシーンを臆せず入れていくガチんこぶり。
さすが井上脚本、容赦がない(苦笑)

この犠牲を五代が引っ張りすぎないところが、物語を深刻にしすぎない反面、怒

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ワールドトリガー 1 (ジャンプコミックス)

ワールドトリガー 1 (ジャンプコミックス)

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異次元からの侵略者が現れながらも、同じ(別の?)異次元民が現れ、人類を守り始める。

その状況が続き、気がつけば、その非現実に慣れてしまった世界。
それを舞台にした、変則的(笑)王道をゆくジャンプマンガ

一言でいうと、全てが「程よい」

異世界と現実世界がつながる、という非現実的な世界設定
既視感と謎を含んだ構成
テンポの良さ
キャラクターデザインのデフォルメ感
作品内

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機動戦士ガンダム THE ORIGIN (1) (カドカワコミックス・エース)

機動戦士ガンダム THE ORIGIN (1) (カドカワコミックス・エース)

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宇宙世紀0079年

地球連邦軍とジオン帝国との間で始まった戦争。
そのさなか、地球から遠く離れたコロニー・サイド7で始まった連邦VSジオンの戦い。
そこから、人類の悲劇と可能性の物語が始まる。

アムロの知らないところで繰り広げられていた連邦のMSとジオンのザクとの激闘。
(なんと連邦側はアムロ搭乗機とは別のガンダムが登場!)

設定上は存在していたのだが姿が見えなかっ

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仮面ライダークウガ(1) (ヒーローズコミックス)

仮面ライダークウガ(1) (ヒーローズコミックス)

からっぽの星 時代をゼロからはじめよう

このタイトル、あのマスク、そして光景。

20数年前に感じたあの興奮を感じながら、再びクウガの物語へ。

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一条の「正眼の意識」
五代の「大事なものを守る」思い

そしてクウガ継承のシーン

よりキャラクターの立ち位置を鮮明に打ち出したマンガ版クウガ。

グロンギに襲われるまでもなくどこか狂った人間が出てきたり
あるべき(あってほ

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文喫の日、そして映画の日。要するに六本木の日。

文喫の日、そして映画の日。要するに六本木の日。

これまで約1ヶ月更新してた読書日記をいったんやめて、普通の日記を書いてみることにした。

完全に『読書の日記』(阿久津隆著)の影響だ。

電話帳ばりの分厚さとは裏腹に、日によって違う文量。それでいてどこか情景が目に浮かぶ。

読書の記録でありながら、にじみ出る生活感がたまらない。

この更新も、そうありたい。

この日は朝から文喫へ。

『吹けよ風 呼べよ嵐』(文庫版)読了直前まで進んだところで到

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『良質読書』の話し

『良質読書』の話し

「美女読書」にて『良質読書』の書評書かせていただいた。

正確には昨日(3日)にUPされていたのだけど、気付いたのが今日だったので、今日、ということにする。

難産だった。

この本に共感するところがたくさんあった反面、これの紹介内容に対するニーズ、あるんだろうか?というところが何度も交錯し、そのたびに飲み物取りに席を離れる。

そして、そのたびに、また考え、ふらふらーっとパソコンの前に戻る。

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仕事の波、読書の波

仕事の波、読書の波

会社の打ち合わせで、衝撃的な事実が判明。

怒ってもいい事態のはずなんだけど、やれやれ、という思いで終わる。

そういえば、はるか昔、前職のころに激怒と落胆がいっぺんにきた日があったなあ。

今、自己振り替えしたら、あの時以来、どこか引いた姿勢で日々を過ごしている。前職の、あの日から。

傷つきたくない、というブレーキがかかっているのかも、ね。

あー、そんなこと思ったこと、前もあったなあ。

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とある日曜の一幕

とある日曜の一幕

割といつもの日曜の雰囲気ではあった。

ジオウ見て、本読んで、でかけるという流れ。

出先のお供は、再読の『虎の牙』

劇中で主人公・信友の強敵として描かれている北条氏綱。こんなに強敵っぽい雰囲気醸し出さないライバル珍しいな。

信友が山の民と武田の血とのハイブリッド武将。それに対し、人智代表として君臨する氏綱、という立ち位置は最高の皮肉が伴っていておもしろい。

まもなく結末。もうわかっているだ

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持てあました感情の行方

持てあました感情の行方

『虎の牙』再読了。

初読のときは世界観に入り込めなかったからか、随分長い文量と思っていたけど、再読のときはそこまで気にならなかった。

むしろ、大事な出来事抜粋してちょっと物足りなかったくらい。

そして、やはりラストは哀しい。

そんな思いに浸っていて、感情の逃げ場を求めて「美女読書」を覗くと、掲載中の『良質読書』書評 viewが伸び続けている姿を見つける。

そして、たまたま部屋にやってきた

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頂を目指す者の決意

頂を目指す者の決意

自分で発したもののはずなのに、自分のものじゃない感覚に陥る。

一流の作家みたいな偉そうな物言いになってしまったけど(苦笑)

そういうことが、起きた。

美女読書という女性向け書評サイトに書かせていただいた『良質読書』が15,000viewを越えた、という嬉しい知らせが届いた。

おーーーーー、と喜びながら、勢いで読み直してみた。

そのときの感覚が、この記事の最初に書いた、あの上から目線な(苦

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『伊東潤の読書会』前夜の話し

『伊東潤の読書会』前夜の話し

明日は伊東潤の読書会。

それに備えて読んでいた『日本一の商人 茜屋清兵衛奮闘記 (角川文庫)』、ギリギリで読破。

著者・誉田さんの著書、よくよく考えたら初めましての一冊だ。

読書会で何度もお会いしてるのに、スイマセン・・・

自称・乱読家のワタクシですが、それでも読まず嫌いのジャンルはある。

時代小説や"世話物"もその一つ。実はそれほど経験値ない(苦笑)

「過去の出来事を題材にしているの

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