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バレエ舞台レビュー

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一筆入魂。今まで寄稿したバレエの記事をまとめています。 (バレエを知らない方が読むような媒体がおおいので、バレエの世界を知ってもらえるように、書いています)
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記事一覧

【archive】2017.8 ルグリガラ 運命のダンサー Un destin La Danse LEGRIS GALA

【archive】2017.8 ルグリガラ 運命のダンサー Un destin La Danse LEGRIS GALA

*2017年8月 日仏協会会報に寄稿した記事です*

ルグリをこの目でみれる。
バレエを愛する人が彼を特別に想う気持ちと同じく、私にとってもルグリは幼い頃から憧れ存在。
日本で踊るのはこれで最後かもしれないと語った彼を、この目で見届けるのだと思うだけで胸がいっぱいになった。

ルグリガラ前夜、幼い頃から愛読してきたバレエ雑誌を取り出すと、表紙には必ずと言っていいほどルグリの名前があった。
それは言

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【archive】2019.3  Stars in Blue  Ballet&Music

【archive】2019.3 Stars in Blue Ballet&Music

*2019.3 日仏協会会報に寄稿した記事です*

3月上旬、春のうららかな風がふくころ、
バレエを、いや芸術を心から愛する人々のために、特別な舞台が用意された。

世界最高峰と名高いパリ・オペラ座の頂点に長きに渡り君臨したバレエ界のレジェンド "マニュエル・ルグリ"と、彼が呼び寄せた著名なダンサーたち、そして日本人の気鋭演奏家たちとのダンスコンサートだ。

場所は東京芸術劇場。
青空が一面に広が

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【archive】2018.12 マリインスキーのすべて(マリインスキーバレエ来日公演)

【archive】2018.12 マリインスキーのすべて(マリインスキーバレエ来日公演)

私がバレエの道を志そうと決めたのは、忘れもしない小学校5年生の頃。

NHKの地球に乾杯という番組で放映された、「ロシア国立ワガノワバレエアカデミー」 のドキュメンタリーを見たときだった。

入学倍率は60倍という狭き門、さらに卒業までの8年間で3分の2が退学を余儀なくなれる。

同世代の少女たちが、身ををすり減らしながら、ストイックにバレエと向き合っている姿をみて、それ以来、私のバレエ漬けの毎日

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【archive】日本バレエのパイオニア: 小牧正英の肖像 

【archive】日本バレエのパイオニア: 小牧正英の肖像 



バレエと聞いて、おそらく多くの人がイメージされるもの、
それは「白鳥の湖」ではないだろうか。
小牧先生は、「白鳥の湖」の日本初演を手がけた方である。
それも1946年8月 戦後からたった1年、まだ焼け野原が残る東京で。

そのときのことを、後にこう残している。

日本のバレエの発展のため、そしてバレエという言葉すら禁じられた時代もその燈火を消すことなく、守りぬいてきた同士たちのために、如何なる

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【archive】2019.7. ル・グラン・ガラ2019 エトワールたちの饗宴

【archive】2019.7. ル・グラン・ガラ2019 エトワールたちの饗宴

*2020年1月に日仏協会会報に寄稿した記事です*

2020年が始まり、早1ヶ月。

昨年は、5つの素晴らしいバレエ公演を見に行くことができた。
心にキラキラと残る舞台の思い出を、心のうちに留めておくのはもったいない。
5つの公演のうち、特に印象に残った公演の一つを書き綴りたいと思う。

2019年7月
〜新生パリ・オペラ座に出会う〜
世界には名だたるバレエ団が数多くある中で、とりわけその頂点に

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