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atsuko
2018年8月30日 11:28
尾崎一雄さんの夫人、松枝さんと姉妹のように仲良しだった祖母の久子さんについて、今回はファミリーヒストリー的に探ってみようと思います。父が小学生の時、「両親の家系を調べる」という課題があったそうです。個人情報保護が厳しい今だったら炎上必至ですが、戦前とはそういう時代だったのでしょう。それで、父は久子さんと林平さんに色々質問します。久子さんは自分の家系のことはあれこれ話すけれど、父親の林平さんにつ
2018年8月19日 00:01
日常のふとした出来事が記憶を呼び覚まします。少し気取っていうならば、プルーストの『失われた時を求めて』の紅茶に浸したマドレーヌ、のようなものでしょうか(文庫本の第一巻で挫折しましたが)。父の昔話も、ちょっとしたきっかけから始まります。おなじみの話もありますし、えっ、そんなの初めて聞く、という内容もあります。何年か前、テレビで〝欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞〟を父と一緒に観ていたときのこと。
2018年8月6日 03:07
二〇一六年三月に母が亡くなってからしばらく、父の精神も体も、目を覆いたくなるほどの衰弱を見せ、このまま母を追いかけるようにして逝ったらどうしようかと途方に暮れました。何か元気づけることはできないか、と思案し、私にできそうなことといえば、こうした物語を書くことくらいでした。でも、すぐには手をつけることができなくて、そんな時にふと思い浮かんだのが、写真家である田沼武能さんの『時代を刻んだ貌』という