天国二丁目、ふつうのはなし。

海と山の間、とある二丁目に、古びたアパートと少しの庭があります。 そこでは老人から若者…

天国二丁目、ふつうのはなし。

海と山の間、とある二丁目に、古びたアパートと少しの庭があります。 そこでは老人から若者まで、10室に15人ほどが暮らしております。 何でもないような日常を記し続けると、それはいつか物語になるかもしれない。

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空気読む人

空気を読むか読まないか、長年考えてきた。しばらく空気を読まない様に気をつけて、今度はしばらく逆をして。しばらく空気を読む様に気をつけたら、またその逆を。なんだか…

ピザを食って帰ってネル

どこに行きたい?「一緒に行きたい」 何を食べたい?「ピザを食べたい」 どのピザが良い?「チーズたくさん」 帰る?「かえる」 もう、寝てる。 遊びに来た二人の子供…

手をピンと伸ばして、信号を渡る。

近所を歩いてたら、そんな人がいた。 此処は都心ではないから、信号のない横断歩道で車は割と止まってくれる。でもその人(推測60歳過ぎのおばさん、背筋はまっすぐ)は…

空気読む人

空気を読むか読まないか、長年考えてきた。しばらく空気を読まない様に気をつけて、今度はしばらく逆をして。しばらく空気を読む様に気をつけたら、またその逆を。なんだか、ずっと気をつけているジャナイ。

ある人が言っていたのは、目の前の出来事をちゃんと分かりたければ、自分と世界の両方を、意識の中で呼吸するように行き来し続けるのが大切ということ。座禅を組めば、内臓から指先、そして徐々に世界へと意識を広げてゆ

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ピザを食って帰ってネル

どこに行きたい?「一緒に行きたい」

何を食べたい?「ピザを食べたい」

どのピザが良い?「チーズたくさん」

帰る?「かえる」

もう、寝てる。

遊びに来た二人の子供たちと。

手をピンと伸ばして、信号を渡る。

近所を歩いてたら、そんな人がいた。

此処は都心ではないから、信号のない横断歩道で車は割と止まってくれる。でもその人(推測60歳過ぎのおばさん、背筋はまっすぐ)は、意志を持っていた。車を自ら止めるのだと、私はお前に勝つのだと。「さん、はい!」と言わんばかりの調子で、一拍助走をつけた風に、ピッと手を挙げた。若い頃はそんな気概で、修羅場を潜り抜けたこともあったもんだ。

近頃はヌルいよ。世の中は勝ち負

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