マガジンのカバー画像

#空回る

23
普通になれなかった、
運営しているクリエイター

#エッセイ

中継塔の画面は閉じ忘れで

昨日と今日を切り分ける 午前7時の光は春で
行く宛の無い シャドーブラウンの猫が眠る
いつか頭を撫でられると 期待し続けていた
待ち惚けの耳が落ちる 涙を忘れた無関心な双眸

すりガラスの水槽で 熱帯魚が滲み出す
極彩色の体躯の前に 僕の悩みは薄汚れた
この孤独に目が慣れた時 世界はどう見えるのか
押し固めた幻覚は紙粘土みたいに
遊び飽きた頃には 軽くなって 転がっていた

不自然な人形劇の

もっとみる