コロラド州 ベール Vail, CO USA
アメリカで有名なスキーリゾートの一つ、Vail Resort。アスペン、レイク・タホ、パークシティなど人気のスキーリゾートはいくつもありますが、規模とサービス/ホスピタリティで多くの人々を惹きつける魅力を持っているのは、ここベールです。
今回はこのベール・リゾートについて記します。
Vailの魅力
ベールというリゾート地の魅力、それは一言では語り尽くせません。いくつもの魅力が合わさって今のブランドを築いています。では、ベールの魅力とはなんなのか、見ていきましょう。
ベールは、コロラド州デンバーから車で2時間半ほど行ったロッキー山脈にあるリゾート地です。。シーズンは冬で、スキー場には世界中から人が集まります。アメリカ最大の面積を誇るスキー場なので、多彩なコースがあるのが1つ目の魅力です。世界中からスキー場目当てで人が集まるのです。麓には大きく分けて5つの町(Village)があります。観光客やスキー客は、主にVail Village、Lionshead Villageにあるホテルやロッジに宿泊し、この地を楽しむことになります。こレラの町は、それぞれに特徴があり華やかです。この町で過ごしたり買い物をしたり食事をするのもベールならではの魅力となっているのです。そして、世界中から集まる富裕層向けの様々さサービスがあります。豪華なリムジンサービス、スキーのバレサービス、ヘリ・スキーなど他のスキーリゾートではなかなかお目にかかれない気配りも満足度を高めています。
Pros
ベールの素晴らしいところは、アメリカの雑なサービスとは無縁の気配りの効いたシステム、美しい街並み、そして雄大な自然、誰もが楽しめるゲレンデなどなど、世界中を探してもなかなかこの規模のリゾート地はないと思います。それほど行って満足度が高いところです。これだけの規模のリゾートなのに町を上げて整備が行われていて、様々な建築規制を設け、お客さんを満足させているのです。
Cons
ベールの良くないところもあげておきましょう。べールは、宿泊費も食費もとんでもない価格です。特に冬のシーズン(12月から3月)は、ホテルは1泊10万円は当たり前、数十万という価が付いています。リフト券も1日券が2,500円程します。そう、ここは世界の富裕層が集まる場所なのです。
これほど物価が高いのに、毎シーズン、ホテルは満室です。価格は街の運営に反映されていて、町はまるでスイスのようにおしゃれで綺麗で快適です。各町を結ぶシャトルバスは頻繁に出ていて無料です。しかしとにかく何でも高いのです。
お金をセーブしたい人は隣のビーバーズ・クリークやデンバーに宿を取り、レンタカーでスキー場に通う人もいます。ただ、せっかくベールに行くなら、ベールで宿を取り1週間くらいかけて贅沢をしたいものです。
私の経験ですと、ベールは全ての価格が高いですが、ここでは金額に見合う以上の幸せな時間を過ごすことができます。そして世界の富裕層の生活を垣間見れるという日本では体験できない驚きを楽しむこともできます。この辺り皆さんの価値観にもよるともいますが、いかがでしょう。
スキー場
では、ここからベール最大の魅力であるスキー場を紹介します。
ベールスキー場の広さは2140ヘクタール。コース数は193。リフト・ゴンドラは33基あります。アメリカ東海岸で最大のキリントン・スキー場の8倍の広さです。日本でいうと白馬のスキー場全部を合わせてもベールに勝てないくらいの広さです。あまりに広過ぎて、困りますが、現在はアプリ(Epic Mix)があるので安心です。自分がどこにいて、どのコースがオープン/閉鎖しているのか、どのリフトが動いているのか、営業時間がいつまでなのかなどはリアルタイムでわかります。
スキー場は大きく分けて3つのエリアに分かれます。
Front Side
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フロントサイドは、ホテルなどがある麓の町から見える斜面です。まずはこの斜面でスキーを楽しむことになります。基本的に圧雪されている斜面が多いのと、初心者コースが多く設置されているので、気軽にスキーを楽しむのはこのエリアとなります。と言ってもかなり大きな面積なので、滑る前にどんなコースで滑るのかをイメージしておく必要があります。気づいたらホテルに戻れなくなるほど遠くにきてしまいリフトも止まってしまって、ホテルまでバスで帰らざるを得なくなったりします。滑る前に自分のいるホテルの前のゴンドラやリフトを確認し、最終的にはここを目指すというプランを立てるとわかりやすいです。私の経験ですと、1日にフロントサイドだけで3〜5本滑れば十分です。1回の滑走距離が長いので、これくらいで1日が終わります。リフト代金の元を取ろうと何本も滑りたくなりますが、あまりの大きさなので、そんなには滑ることができません。
Back Bowls
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フロントサイドの頂上から山の裏側に広がっているスキーエリアです。ここはフロントサイドと同じくらいの面積があります。山の裏側なので、麓の町が見えず位置関係がわかりづらくなりますが、ルート表示がきちんと出ているので安心です。英語を読むのが伝い場合はアプリが活躍します。
このエリアはほとんどが上級者コースです。7つの尾根があり、その尾根の間を滑ことになります。このコース、尾根なので狭いと思うかもしれませんが、かなり幅があります。巨大なボールの内側を滑っているような気分になります。幅があるので、斜面の角度はあまり気になりませんが、初心者には辛いかもしれません。
こちらは圧雪していないパウダースノーのコースも結構あるので、スキーに自信のある方は未圧雪のスキーを楽しんでいます。
このエリアを滑る際は、朝、ゴンドラでフロントサイドを抜け、バックボウルに直接向かいます。バックボウルでスキーを楽しんだ後は、フロントサイドを滑ってホテルに戻ります。戻るにはスキーで山を下るのではなく、リフトで山を登り、山頂から裏側の斜面(フロントサイド)を降ります。午前中、フロントサイドを楽しんでからバックボウルに行くと、すぐに日が暮れてしまいます。バックボウルだけでも巨大なエリアなので、ここで1日スキーをするのがいいと思います。
Blue Sky Basin
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バックボウルを滑り切ると、正面にさらにスキー場が広がっています。これがブルースカイ・ベイジンです。バックボウルとは向かい合わせになっています。バックボウルから見える正面の山がブルースカイです。このエリアは他のエリアよりは小さく滑りやすいです。ただ初心者コースはありません。
バックボウルとブルースカイは麓が同じなので、1つのスキー場のように楽しめます。スキーをしたらリフトのどれかに乗り滑る。そしてまた別のリフトに乗り滑るを繰り返せます。
帰りは必ずバックボウル側のリフトに乗り、バックボウルの頂上からフロントサイドに出ます。
このエリアを滑るためには、まず到着するまで時間がかかります。ホテルからフロントサイドを登り、裏側のバックボウルを滑り降り、やっとブルースカイの麓に到着です。ここまで来ると初心者はおらず、とても空いています。そして雄大な景色が見えます。スキーに自信のある方は是非ここまで行ってみてください。
Heli Ski
さらにスキー場ではヘリスキーも楽しめます。これはいくつかのルートがあります。ヘリでホテルから一気にブルースカイへ行って、そこから滑るというのも楽しいです。天候により運行状況は変わるので、ヘリスキーをする場合は、ホテルのコンシェルジュなどに聞いてみるのがいいでしょう。
アクセス
先にスキー場を紹介しましたが、ベールに行く方法を記しておきます。日本からは、まずデンバーを目指します。
デンバーへ
まずデンバーに向かいます。日本からはユナイテッド航空がデンバーに直行便を飛ばしています。これが一番簡単な方法です。そのほか日本からシアトルやサンフランシスコ、ロサンゼルスなど西海岸の年に向かい、そこから国内線位乗り換えデンバーに目指すという方法もあります。デンバーからは車で2時間30分から3時間程度でベールに着きます。
イーグル空港
スキー場の最寄りの空港は、イーグル空港です。と言ってもイーグル空港は小さな空港ですので1日に20便ほどしか飛んでいません。それでもサンフランシスコやロサンゼルス、ニューヨークなどから日に1便の直行便が運行されています。空港からは車で30分でベールに着きます。デンバーからも日に数便短距離線が飛んでいますので、3時間近く車に乗るのが嫌な場合は、デンバー空港から飛行機を乗り継ぎイーグル空港で降りることも可能です。
ベールへ
ベールの街には空港からは車で行くことになります。レンタカーという方法が便利ですが、冬は結構雪が積もるのでレンタカーの場合は必ず4WDの車を借りるようにしてください。そしてドライブには十分な注意が必要です。ホテルのシャトルバスなどが空港とホテルを頻繁に結んでいるので、これに乗るのも良いでしょう。私の場合はいつもドライバーさんをお願いします。空港に迎えに来てくれてプライベートでホテルまで送迎してくれます。金額は高いですが、待つ必要もなく、快適にホテルに向かうことができます。金額はデンバー空港からベールまでは片道500ドルくらい、イーグル空港からは片道200ドルくらいです。
因みに富裕層の皆さんは、ロサンゼルスやニューヨークなどからプライベートジェットでイーグル空港に飛び、そこからドライバー付きの4WDで、自分の所有するベールの別荘に向かいます。カーダシアン・ファミリーも番組でベールに行っていました。これを見ると"本当のベールの楽しみ方"を垣間見れます。
ビレッジ
ベールにはいくつかの山麓の町があります。かなり高級なリゾート地となっていて、この町(ビレッジ)を歩くだけでも楽しいです。ではそれぞれのビレッジを紹介しましょう。各ビレッジ間は無料のシャトルバスが頻繁に走っています。
Vail Village
ベールで一番豪華な町。たくさんの豪邸と別荘、ロッジ、そして高級ホテルが立ち並んでいます。それらのデザインはヨーロッパ調で、なんとも美しく周りの自然に溶け込んでいます。ゴンドラ・ワンの出発場所にあるビレッジ。ここにある建物の1階は各種ショップやレストランになっています。みなさん、優雅にテラスでお茶をしていたり、ショッピングをしています。レストランも各国の一流レストランからファーストフード風のピッゼリアまで多彩です。日本食レストランやシーフード専門店まであります。く富裕層の皆さんはこのVail Villageに宿泊しています。ここにいるだけで、自分もリッチになったような気分位なれる異世界のような場所です。
Lionshead
イーグル・ベイジン・ゴンドラの駅がある町。Vail VillageとCascadeの間に位置します。ベール・ビレッジと同じくらいの大きさがありベールの中心です。こちらはベール・ビレッジと比べるとゴージャス感は減りますが、品の良い豪華っぷりで私は好きです。日本にはこのようなスキーリゾート地が何故ないのかと残念に思うほど素敵な町です。
ライオンズヘッド内には車が入ることはできず、完全に歩行者のみが歩き回るようになっています。通りはレンガでできていて両脇に様々な店やレストランが並びます。スケートリンクはここにあります。
車で来る場合、スキー場に一番アクセスしやすい駐車場もここにあります。
Lionsheadからは、歩いてVail Villageに行くこともできます。ちょと歩きますが、この道が素敵です。高級ロッジが並んでいますが、その中にポツンポツンとある商店やカフェ。Vellageの中心ほど混んでいない道をゆっくりと歩き、2つのVillageを行き来するのが私は好きです。(もちろん2つのVillage間には頻繁に無料シャトルバスが走っています)
Cascade
カスケード・ビレッジ・リフトの駅があるビレッジ。ここはベール・スキー場の西端になります。リフトがスキー場との唯一のつながりです。ホテルは2つしかなく、とても静かな場所です。人混みが嫌で静かにリゾート気分を味わいたい人向きの場所です。
East Vail
Vail Villageの東にある町。他のヴィレッジと比べると小さいです。ここにはホテルもなく高級別荘地となっています。ショップやレストランもないので、とても静かな場所です。
West Vail
Cascadeよりもさらに西にある町。ベールの中では比較的庶民的な町です。ここは通年住んでいる住人の家や別荘が建っていますが、大きなホテルなどはありません。そして住人が使う普通の店が並んでいます。即ちガソリンスタンド、ショッピングセンター、マクドナルドなどなど。スキー場には面していなくリフトなどはありません。ここでは、長期滞在の場合のシャンプーを買ったり、たまにはSafe Wayでサンドイッチでも買おうというタイミングで利用する場所です。
ホテル
ベールに来る富裕層のほとんどは、自分で別荘を持っています。あるいは巨大なコンドミニアムを所有していてホテルに泊まることはないようです。それでも有名な高級ホテルや地元の人が経営するホテルなどがいくつもあります。以下のホテルは日本人を気持ちよく受け入れ、別荘を持っていなくてもそれなりのリゾート気分が味わえるホテルです。
Four Seasons Hotel
Lionsheadにあるリッツ・カールトン。私がいくつかのホテルに滞在してみて、ベール内ではここが一番素晴らしかったです。
Pros
・サービスが完璧。そして内外装が素晴らしい
・部屋は広く、バスタブや暖炉がある
・ラウンジの外に温水プールがあり、スキー場でありながら野外で水泳ができる
・Vail Villageの西端にあるので、豪華な観光を楽しむこともできつつ、静か
Cons
・スキーシーズンは宿泊費が大変高く普通の部屋でも1泊20万円くらいする
・クリスマスシーズンは、7泊連泊でないと予約が取れない
・これほど高いのにシーズン中はほぼ満室。(1年前の予約をお勧め)
・リフトまで、ちょっと距離がある(徒歩5分程度)
The Hythe, The Luxury Collection
Lionsheadにあるリゾート・ホテル。
Pros
・Lionsheadの中心に位置し、場所が良い
・日本で馴染みのあるBonboy系列のホテル。ポイントが貯まり、ポイントでの宿泊も可能
・部屋は比較的広く、バスタブ付き、暖炉付きの部屋も多い
・サービスは良い
Cons
・マリオット系列に加わったばかりなので、サービスが不安定。
・部屋によっては古い内装
Ritz Carlton Club Vail
Lionshead、The Hytheの隣にあるリッツ・カールトン。
Pros
・流石のリッツ・カールトン。安定のサービス。
・食事が美味しい
Cons
・こちらは基本リゾート会員向けのホテルなので、一般向けの部屋の販売がほとんどない(ネットでリッツ・カールトン、ベールと検索すると、隣のスキー場にあるリッツが表示されますのでご注意を!)
Gand Hyatt Vail
Cascadeにあるグランド・ハイアット・ホテル。
Pros
・近くにはホテルや商店がないので山の中のリゾート気分になれる
・綺麗でシンプルな内外装
・ハイアット系なので日本人も入っているHyattのポイントが貯まる
Cons
・ほとんどの部屋にバスタブはない(スイートであってもないところがあるので要確認)
・ちょっと寂しく見えるカラーの内装
・町から遠い
・スキー場へのアクセスがやや遠い(リフト1基のみ)
The Sebastian Vail
Vail Villageの真ん中に立つ歴史あるホテル。
Pros
・アメリカのリゾート地に来たと思える優雅な外観と内装
・個人経営ならではのローカルな雰囲気
・街の中心にあるので便利
・スイートルームとペントハウスがおすすめ
・スキーの細かなサービスであるバレー・サービスがある
Cons
・シーズン中はほぼ満室
・予約などは自分で行う。英語必須
ベールにはホテルはあれど、予約が取り難く、とても宿泊費が高いです。それに躊躇する方は、すぐ隣にあるビーバーズ・クリークに宿を取ることをお勧めします。こちらにも素晴らしいスキー場がありますが、シャトルバスで簡単にベール・スキー場にもアクセスできます。
Westin Riverfront Resort & Spa
ベールのすぐ隣、エイボンにあるウエスティン。ベールとはシャトルバスでつながっていてリフト券も共通。ホテルからはゴンドラでビーバー・クリーク・スキー場にアクセスできます。
Pros
・ベールの隣なのに価格が安い
・Avonの街もベールと同様に楽しめる
・ホテルからゴンドラで行けるビーバー・クリーク・スキー場も十分に大きく、しかも空いている
Cons
・ベールまではバスか車を使わないといけない(といっても10分程度)
・アメリカ最大のリゾート「ベール」にこだわるなら、ここは別場所
Ritz Carlton, Bachelor Gulch
ビーバークリークにあるリッツ・カールトン。スキー場の中腹にあり、景色もよくスキー場は目の前の贅沢なリゾートホテルです。
Pros
・隣のベールに比べ価格が安い
・リッツ・カールトンの素晴らしいサービス
・部屋が予約しやすい
・静かでゆっくりと冬のリゾートを楽しめる
Cons
・山の中腹にあるので、簡単に街に出ることができない
・ベールではない
美しく、贅沢なスキーリゾート、Vail。日本では知名度がありませんが、アメリカでは「Vailに行く」というと多くの人が反応します。行ったことがある人もない人も、Vailという名前にあるイメージを持っているからです。それは広いスキー場、街の美しさ、細部にわたるサービス、そして何と言っても寒い冬に暖炉にあたりながらゆっくりとした時間を過ごす贅沢。
日本からのアクセスは、それほど難しくありませんので、皆さんもVailに行ってみてはどうでしょうか。
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