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#SF
俺と横綱の無限土俵 ~世界一短いタイムリープ~
初顔合わせは上手投げにて瞬殺。
十五戦にして叩き込みで初金星。
撒いた塩が煌めく。満員御礼の熱気が肌に伝わる。
現人神の存在感が世界を塗り潰す。
発揮揚揚!
やられた!思った時には既に廻しを引かれ、よろめくことすら出来ない。数秒の攻防、天地逆転。
これじゃダメだ。これじゃ――
幻の決まり手、襷反りに敗れたのは三十ニ番目。
撒いた塩が煌めく。満員御礼の熱気が肌に伝わる。
直前の対戦を
鳥宮恵里は俺の”何”?
人類はあと四半世紀でタイムトラベルが出来るようになるンだとさ。
「パパ!中庭でお昼食べよ!」
「パパじゃねぇよ!」
この問答にも慣れたもので、もう教室はざわめかない。一ヶ月前は俺の元に駆け寄ってくるだけでモーゼの海割りの如く人が避けたモノだが。
「あっ……ごめんなさい、えーと、恵弥くん」
「いいよ。行こう」
クラスメイトの手前とはいえ、強く否定したのには罪悪感がある。しょげた顔は見ててつらいし、