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【甲府】東京から日帰りで。文学館と太宰治の足跡巡り


これは今年の5月。GWに山梨県立文学館に行ったときの思い出。

目当ては「特別展示 文豪の筆跡―館蔵の名品から―」とその展示に関連した講演会文学資料をどう読み解くか-毛筆・ペン・鉛筆の間-」です。

筆跡に注目した展示って珍しいですよね?

講演会情報はSNSで見つけて、即座に申込みしました。普段ならできるだけ平日に出かけるのですが、この日はこの講演会に参加するため、祝日のお出かけ。

講演会は13時30分〜だったのですが、せっかく甲府に来たのだから!と太宰治ゆかりの場所を巡ることに。
甲府は太宰治が新婚生活を送った場所で、戦中には妻・美知子さんの実家に疎開していたんですよ。

9時半ごろ甲府駅に到着

甲府市の観光情報に太宰治マップが掲載されています。今回はこちらを主に参考に巡ってみました。


まず向かったのは、下宿「寿館」跡清運寺です
寿館は、太宰治が甲府に移って最初に住んだところだそうです。残念ながら空襲で焼けてしまい、面影などはありませんでした。

その寿館の近くにあったのが、清運寺。
当時、寿館の前は清運寺の参道だったとのことで、現在でもその参道の敷石が境内の藤棚の下に残されています。

清運寺。駅から歩いて10分ほどでした。

次に向かったのが、太宰治夫婦新居跡

お寺から10分もかからない場所にあります。

夫婦は結婚後、この場所にあった借家に移り住み、8ヶ月ほど暮らしていました。
こちらも空襲で焼けてしまい、今ではこのような石碑が残されています。

その新居からほど近く!わずか2分ほどの距離に太宰が通ったお風呂屋・喜久の湯さんがあります!

昭和9年創業とのこと!

ここで原稿執筆後、汗を流すのが習慣だったとか。

そして御崎神社。こちらも新居からとっても近い場所にあります。

なんか明るくて空気が澄んでいて素敵な場所でした

執筆の合間にお散歩をしていた際に行く場所の1つだったそう。
町並みはもちろん変わっているとは思うんですが、なんだか東京と比べてゆったりしている感じがして、たしかにぶらぶらしたくなる雰囲気がありました。

写真は割愛しますが、妻・美知子さんのご実家である石原家跡にも行きました。こちらも空襲の被害にあい、現在では駐車場になっています。当時は南側の道路の方まで敷地だったとのことで驚き。
こちらは駅から近くの場所にあります。

実際に歩いて目で見てみると、ああ太宰治もこの道を通ったのかな?この場所の空気を吸ったんだな〜なんて思ったり、暮らしぶりを想像できてわくわくします。

すべて巡っても1時間くらいだったと思います。

甲府を訪れた際には、太宰治巡りしてみてはいかがでしょうか?


さて、駅に戻ってきたところで文学館に向かいます!
甲府駅バスターミナルからバスに乗ることおよそ15分。「山梨県立美術館」で下車します。

美術館や芸術の森公園などが先に目に入ってきますが、そのまま進み続け到着。

この日は11時頃に到着しました。
展示室の開館時間は9:00-17:00(入室は16:30まで)です

受付に行ってチケットを買おう!としたところ、「講演会参加の方ですか?」
と聞かれ、なんと、講演会参加者は無料で常設展と企画展を観覧できると案内されました!

担当者の方に来ていただき、受付と講演会の資料をいただいたところで、いざ、展示室へ!

森鴎外、夏目漱石、芥川龍之介、正岡子規、太宰治……。直筆の原稿、書簡、色紙、ノートなどなど。
こうやって1度に色々な文豪の「文字」を見る機会なんてなかなかないですよね。

個人的には森鴎外の字がきれいで読みやすくって、それでいて趣があって。好きだな〜と思いました。

常設展の方もじっくりとみたのですが、山梨県ゆかりの作家、めちゃめちゃ多くないですか?
ぶっちゃけ衝撃的でした。すっごく時間かかった……笑

芥川龍之介に関する資料もなかなかボリューミー。
夏目漱石の芥川龍之介と久米正雄に宛てた例の有名な手紙って山梨県立文学館所蔵だったんですね。

だいたい2時間ほどで一通り見終わり、区切りを着けたところで、ちょっと休息。
館内にカフェ-黒蜜庵 きなこ亭というところがありまして、桔梗信玄餅生ロールのセットをいただきました。

値段忘れてしまったのですが、調べた感じ480円+税かな?

他にもソフトクリームとかプリンとかありました。

中に信玄餅が入っているロールケーキです。美味しかった〜。
展示を観たあとって集中するのに糖分使うのか、甘いもの食べたくなりません?

さて、いい感じの時間になったところで講演会の会場へ。
人はまあたくさんいるんですが、やっぱりこういう場所って私みたいな学生は案外少ないものですね…。

講師は早稲田大学名誉教授で日本近代文学館理事長の中島 国彦さんです。

今回の企画展の展示品を中心に掲載されたA3、7ページに及ぶ資料を頂きました。

当時はもちろん手書きの時代。どんな紙にどんな筆記用具で書いたのか、といった前提に立った調査研究のお話です。

樋口一葉は筆書きでなおかつ和語で書くから一文が長いとか、筆記用具によって文章の特徴が出てくるなんて発想なかったので驚きました。
(終わってから早速展示を見返しにいきましたよ。)

太宰の書簡についてのお話もあって、太宰は巻紙に行間をあけて書く癖があるとのことで、ああ、言われてみればたしかに。川端康成宛の手紙もそんな感じですね。

その川端康成の原稿は、直しがあまり多くないから、考え考え書いているとか。直筆原稿からそんなことまで分析できるのか……というのが本当に面白い。

今メモを見返しても興味深いことばかりなんですが、今回は旅日記なのでこんなもんにしておきましょう笑

最後にミュージアムショップに寄って、お土産を。

「羅生門」(160円)と「芥川龍之介」(150円)の資料と井伏鱒二や太宰治に関連したガイドブックを4冊購入。1冊250円(税別)でした。
それからショップのおばさまにおすすめされちゃって笑、樋口一葉のお札せんべいを買いました。

6袋12枚入りで540円。1袋売もありました

癖になる美味しさでどハマリしました。家族にも好評で買ってよかったな〜と。
お札変わっちゃうの淋しいな。文豪がいなくなってしまいますね。

そんなこんなで帰り道。
すでに16時をすぎていたのですが、私は歩くのが好きなので駅まで歩いてみることに。笑

歩きながら富士山みえたり

およそ50分ほどかかりました。
頭使ったあとなので、体動かせてスッキリ。

だいたい17時半ごろの電車に乗って帰りましたとさ。

甲府って新宿からでも2時間半くらいで行けるんですね。わりと高速バスで旅行に行くことが多いので、電車での旅(?)も新鮮でした。また遠出しよー。

今日はここまで!また明日。

ゆきのたきの


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