見出し画像

20歳を迎える前に。-5-


デザインフェスタが魅せたもの




デザインフェスタは、勉強とは別の世界にあって、
自分の好きなものを作品として制作過程を見せたり、販売したり。
そして参加者は制作者とお話ししたり、写真を撮ったり、購入したり。


大きいイベントではあるけれど、一人一人と向き合えて、いろんな声が聞こえてくる、好きなものを好きと言っていいし、隠さなくていいと思わせてくれる、そんなイベントだ。


今までの私の考え

勉強をそれなりにすればするほど良い大学に行けて、アピールできるようなことがあれば、良い企業に就職できて、それからの人生を安定させる。

勉強至上主義で生きていて、その勉強というラインの上で頑張ったり挫折したりを大学入学してからも繰り返していた。

加えて、経営学を大学で学んでいたから、

「より多くの人に取ってもらえるような、買ってもらえるような考え方、マーケティング」

を学び続けていて、論理的な学習、調査によって導かれた結論に従う.....


しっかりと2年もの間経営学を学んだうえで、「できるだけ売れるものを作る!」とか、「好きだと言ってくれるものを作ろう!」とか、

そんな考えを持ち続けていくと、自分を見失い、誰かのために生き続けて生涯を終えるのではないかと私は恐怖心を抱いた。

もちろん、人のため、世のために生きることは素晴らしい考え方で、人に褒められるべき存在になりうるだろう。

でも、そのせいで、ありふれたものと一体化し、嫌われないようなデザイン、顧客対応を見てしまうと、自分はそれで楽しいと思えなかった。

大学に通いながら、大学以外のことを知って、じゃあ、「楽しいってなんだろう?」を探求してみようと、一人決意したのだった。


デザイン、そしてアートへの目覚め

初めてデザインフェスタに行って以来、

「違い」を売りにしているアートや、

純粋に楽しませようとしているのが伝わってくるデザインと触れ合う時間をかなり増やしていった。

ファッションは個性的になった。
ショッピングモールに入りがちなきれいめな服から一転し、古着をふんだんに利用しながら、個性的なお店で一目惚れした、変わったデザインの服を集めるようになった。

服を買う流れの中でも、個性的なお店に行けば個性的な店員さんと店の雰囲気があって、話すと新しい景色が見えてくるし、好きな服、ブランドだけを集めているのがわかる。

(好きなものだけ集めるという一貫性は、実は顧客の信頼につながっている。)


美術館、展示会、ギャラリーに足を運ぶことから始めた。

歴代のアーティストの作品から、現代に生きる才能を未だ隠し持っているアーティストの作品まで、全てが私の刺激となった。

本を意識的に読むようになった。学校の図書館で借りられるだけ借りてずっと本を携帯した。
小説、ビジネス書、イラスト本、自己啓発....

言葉選びも伝え方もストーリー性も、著者がデザインしているから、どの分野の本を手に取っても、楽しませる工夫がたくさん詰まっている。

同じような発想でハマったものは数多く、

映画、写真、コピーライティング、散策、建築.....


それ以外にも興味はあってまだ手が出せていないこともある。


デザインを知っていくうえで、色彩検定の三級を取得した。

誰かに「取っておくと便利だよ」と言われたわけではなく、取りたいと思って合格した資格だった。

目覚めてから今現在


ずーっとアートやデザインを知っていったら、無意識のうちに、人の目が気にならなくなっていた。

無難な服を着ることも少なくなって、写真が撮りたくなったら周りを気にせず立ち止まって撮って、一人での外出もなんとも思わなくなった。

最近になってHSP(Highly sensitive person)
という言葉を知った。

このHSPとは、簡単にいうと人一倍繊細で、五感が強く働き、感情が揺れ動きやすい性質のこと。

私が中学生高校生で悩んでいたのは、ずっと人の目と言葉を気にしすぎていたから。

そのせいか消極的で目立たない行動を取り続けていた。


マイナスにしか働いていなかった繊細さが、今になって、小さいことに感動できる感性に昇華した。

小さいことに気づけたら、普段の生活から変わっていく。

下を向いて歩くのはもったいなくて、いつも通る道でさえも見ていて楽しくなる。

世の中に出回っている自己肯定感の上げ方、ネガティブ思考の改善法を網羅してもイマイチだった私も、ひょんなタイミングで180度回って、なんとなくでも楽しめる人になった。

結局は、人はどうしても他人で、自分とは分かり合えない部分が発生する。

だから自分以外に依存するんじゃなくて、自分の心に正直に楽しいことを追い求めたい。


簡単な人生の振り返りはこんな感じで今に至る。

20歳になると景色は変わるのか?
色鮮やかに世界が広がっているのか?
子ども心は失ってしまうのか?

20歳になることを恐れながら期待しつづけている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?