小夜子

生活について。

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最近の記事

金木犀とお葬式

京都を歩くと、むせかえるほどの金木犀の香りです。 突然寒くなった季節に恐ろしくなって、にわかじこみのトレンチコートの裾をぎゅっとにぎる、ああ冬が、やってくる。 年を重ねるに連れ、怖いことがなくなったなと思っていたけれど 年を重ねるに連れ悲しみもなくなるもんかなあと思った祖母のお葬式でした。 死んだ叔母の日記帳を、そっと亡骸のそばに置く事しかできなかった。 叔母の日常は美しい青春のままに留まり、わたしに自死についての問いかけを残したまま、 わたしは少し、息苦しくて、息苦しくて

    • 最近のはまりものについて。

      地下から地上に出ると雨が降っていて、出がけにぽいっと鞄に放り込んだ折り畳み傘をさす。 ぼやーっと歩きながら、この傘ってもしかして10年以上、、いや、四捨五入したら20年のほうになるぞ、、くらい使っている!?と思い当たって思わず口に出してわーおと言ってしまいました。 時の流れのはやさよ、ふとした瞬間に感じるそれらに毎回眩暈のする思いです。 しかし丈夫な傘ねー。 はためくのぼりにふらりと吸い寄せられて秋の味覚の月見バーガーを頬張りました。 わたしはチーズ入り派です。俄然。 コン

      • 突発的映画鑑賞

        わたしは今の仕事をとてもだいすきで愛しているので、正直休みなしで毎日仕事だっていいと思っていた。 しかし! コロナ感染の反省で、一月にせめて一日だけは、一日中おやすみの日を作ろう。と心に決めて、明日はその月一の完全おやすみの日なのです。 それが楽しみで…! 我ながら意外だった…、休みなんて何したらいいか分からないし結局楽譜書いたり仕事しちゃうって思ってた…! もう休み前日の今朝から、明日はお昼ごろまで寝て、商店街ぶらぶら散歩して、喫茶店でコーヒー飲んで、サウナ行って、帰りに街

        • 喫茶店の必要

          コロナ療養期間の後、どうしてもしゃっきりしない頭を抱えてぼんやり思ったのが、喫茶店に行きたい。 大好きな燃え殻の新刊本を鞄に入れてふらふらと喫茶店の扉を開きました。 食欲もなくって何を食べたらいいかわからない日々だったけれど、壁を見渡すとコーヒーチーズケーキとの魅惑的な文字。 コーヒーのカップアンドソーサーとお揃いのお皿に乗った愛らしいケーキに午後のしあわせを感じました。 後から入ってくるお客さんたちの注文するさまざまな魅惑のメニューを聞くともなしに聞きながら読書をするのはい

        金木犀とお葬式

          自炊の復活と必要

          さまざまな人々が証言されていたように、コロナからの回復は日々ごく少しずつ、少しずつの事で、とにかく体力がとてもとても落ちたなあという日々でした。 とにかく眠い頭をしゃきりとさせて楽譜を書くなんて、アレンジを考えるなんて! 本を読んだって文字をただ目で追ってるだけでなーんも覚えてない、とか。 ある日突然、あ、抜けた、と思いましたけどね。 本気で痩せてしまったので、この暑い中台所にふたたび立つ日々がやってきました。 コロナ疾患中に傷んでしまった野菜たちを謝りながら処分して、なる

          自炊の復活と必要

          ようせいとはなび

          日曜日仕事から帰ったらこんなに痛くなる事ある?!的な腰痛頭痛で、これ脳のなんかやったら死ぬかもなと思いながら頭痛薬飲んで、でも実家心配だったので弟になんとか連絡して月曜日の仕事キャンセルして後は朦朧〜 今思ったらこの時かなり発熱してたんでしょうー。 後にすごい喉の痛みがやってきてしっかりコロナ陽性でした。 喉痛すぎて笑えた、うはは、脳のなんかじゃなくてよかったぜー。 病院の先生がすごくしっかり診てくださって、喉すごく痛いでしょうって慰めてくれて痛みを抑えるお薬をたくさん出して

          ようせいとはなび

          ヨナネココロナとサッポロビール園

          シャネルだ、今のわたしにはシャネルのコスメが必要だ!と強く思いながら目覚めた。 早速その日の仕事の合間にシャネルへ行って美しいリップを手に入れました。 これでどんな事が起こっても、わたしのリップはシャネルだもん!の自意識でしばらくを乗り越えよう。 行き詰まりかけたら、少しだけ背伸びした物を買うことでいつもわたしを生き抜いてきたのです。 久しぶりの背伸びコスメはキラキラ輝いて見えます。 ビールを買っておくねと約束したので、 ヨナネココロナとサッポロビール園!と呪文のように唱え

          ヨナネココロナとサッポロビール園

          夜中のアイス

          そういえば、そういえば、と頂いたチーズのパンをビール片手に齧ったら予想していた何倍も美味しくてここ数日のもやもやがぶわんっと吹き飛びました。 すげー、やっぱり美味しい食べ物ってパワーがあるぜー。 そして百貨店の特売で買った(火曜が安い)鳥もも、いつもよりちょっとだけ奮発しただけなのにいつもより料理の味がぐーんと美味しくなってこれもまた学びでした。 小沢健二の春にして君を想うの7インチがうちにもやってきた。 目に眩しいピンク色の円盤が回るのを眺めていると幸せな気持ちになります

          夜中のアイス

          雑記 夏

          今朝蝉の声の嵐の中で目を覚まして最初にみたものがジェーンバーキンが亡くなってしまったというニュースでした。 衝撃のあとじわじわと悲しくて、憧れの人は早く去ってしまう。 ああ、背筋を伸ばして美しく生きよう。 小学生の頃から父の鬱と渡り歩いているので、父の大体の鬱進行度具合みたいなものがわかるようです。 今回はまだ入り口手前という感じ。 早くヘルプを出してくれてよかった。 何をしてもイライラして、怒りたくないのに怒鳴ってしまうって、鬱症状が出始めるといつも怒っていた父の本音を初

          雑記 夏

          心のクセについて。

          自分の選択は間違っていたのかなと、もっと全部背負わないといけなかったのかなと思いかけたときに、弟が魔法の言葉を使った、そんなの無理じゃない、あんた実家出てほんとによかったよって。 ギリギリのタイミングやん、よかったなあって。 一瞬で心が軽くなって、我が弟ながらなんて賢くやさしい子なんだろうって惚れ惚れしました。 あと、客観的に見ることの大切さを知った。 弟と困ったねえ、どうしようねえ、と言い合うことをもっと早くしてもよかったのね。 わたしは、人生をたのしむことを諦めたくない

          心のクセについて。

          よくもわるくもせつなくも

          暑い暑いと逃げ込むように入った立ち飲み屋で、さっき古本屋さんで買った本を開く、本の間から心斎橋アセンスの懐かしいしおりが飛び出してきてはっとする。 突然のノスタルジー!をビールでとにかく流し込みました。 好きなお店がなくなるのは悲しみ、あーあ、朝の清水湯が懐かしい。 いい時間、というのはじわじわと移り変わり消えてゆくのですね。 よくも、わるくも、せつなくも。 この前特売で買ったスペアリブが冷蔵庫の中に転がっているので、トマトとパプリカと煮込む。 いただいたじゃがいもをポテト

          よくもわるくもせつなくも

          断面

          早朝から蝉がなき喚いて夏がきた。 今朝もサンドイッチの断面をできれば美しくしようと四苦八苦しながら包丁を入れる、サンドイッチにはまって暫く経つなー、飽きずに毎朝何かを挟んでいます。 ああ暑い。 月末の演奏の仕事に向けて曲を練る。練習もする。 ああ暑い。 再配達の荷物を待つ。新しいイヤホンがやってくるのを楽しみにしている。 ああ暑い。 甘いものが食べたい気がして郵便局に行くついでにコンビニでアイスを買う。レジ横を見てコロッケも買ってしまう。 仕事の帰りに本屋さんに寄って、一冊

          5センチヒール

          5センチくらいのヒールのサンダルを、何年ぶりかに履いて仕事に行った。 自然に背筋が伸びて、みっともない音を立てないよう、軽やかに歩く、でもあまりに久しぶりでよろめきながら。 毎日とは言わなくとも一週間に一度くらいはヒールの靴で鍛えなきゃと思いました。 足痛くなって寄り道もできず帰ったけどね… 夕方、ペタンコのサンダルで少し歩いてスーパーマーケットまで。 長谷川あかりさんのマーマレードを入れるカレーにしようと思っていたけど、鰹を眺めていたら食べたくなって鰹とトマトを和えたもの

          5センチヒール

          そうめんやっぱり揖保乃糸

          一年ぶりくらいに髪をばっさり切って 何年ぶりかわからないくらいだけど前髪を作った。 痩せましたねって、あまりにもよく言われるので昨日久しぶりに体重計に乗ったら3キロくらい痩せていた。 素麺やっぱり揖保乃糸〜と小さく口ずさみながら素麺を買った。 最近スーパーに買い物に行っても自分が何を食べたいのかよくわからなくて素麺とトマトでいいんじゃないって今日はそんな感じで、結局いただきものの日本酒をカタクチにとくとく注いでしまった夜。 眉毛に沿う前髪がこそばゆい、明日こそはちゃんとした料

          そうめんやっぱり揖保乃糸

          休憩室より。

          夏の度に何か書こうと試みている気がします。 珍しく家にいた夕方に、愛している作品に愛している作品の影がかさなった、その光景をうっとりと眺めた時に、そういう時間に、ひとりで生活をして幸せだなとじんわりと思います。 生活、わたしの。 どうしてまたnoteを開いたのかというと、今朝お知り合いにしてもらった占いで、文章を書くといいよと教えてもらったから。 その気になりやすいので、少しずつ書いてみるつもりです。 夕方のお仕事まで空庭温泉の休憩室でワカコ酒を読んでいます。 生活につい

          休憩室より。

          雑記

          宿酔を引きずりながら保険屋さんが来るのを待っている。 今朝も気が狂いそうな程の蝉蝉蝉蝉で宿酔でくらくらするのか蝉の声でくらくらするのかその両方かなー。 引っ越してきて2回目にのぼった屋上で上がらない花火を待ってお酒を飲んだ。 今年の夏は思い掛けず最高の夜がたくさんやってきて、最高の夜は人生に何度かだろうと思っていたけれどこんな年もあるのだなあ。 わたしの最高のラインが低いのかもしんないけど。 去年のわたしに教えてあげたい。 今思えば重くて苦しい夏だったな。 お酒を飲んでな