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和菓子のおもしろさは「言の葉」にあり!


洋菓子も好きだけど、なんでこんなに和菓子に惹かれるんだろう?
それは和菓子には洋菓子にはない独特な楽しみ方があるからだとふと気づいた。

その独特な楽しみとは、「言葉」。
 
日本には、俳句とか川柳とか昔から盛んで、
雨の名前だって今の時期なら「菜種梅雨」とか「春時雨」。他にも季節に応じて「五月雨」、「秋雨」、「氷雨」など、なんと400語以上あるくらい、言葉で表現することに長けてきた歴史がある。
日本でTwitter(現・X)が人気なのもその名残なのかも?

和菓子にも一つ一つ「名」があって、その名を聞いて「はっ!!!」とびっくりしたり、「ほぉ、、」「粋だねぇ」とため息ついちゃうくらい感激するところが、わたしが思う和菓子の推しポイントなのです。

というわけで、順にわたしの推し和菓子を紹介していきたいと思います。わくわく。

まずはこちら。

鶴屋吉信の「冬椿」

今では大ファンとなった「鶴屋吉信」さんの「冬椿」。
厳しい冬の寒さを彩る椿そのまんまのリアルさもありながら、練り切り特有のまるっこいかんじがとても可愛いです。
雪がふわっとのっている感じがきゅんポイントです。
  

鶴屋吉信の「イチョウ???」

こちらも鶴屋吉信さんで頂いたもの。

この練り切りの名前、なんだと思いますか?
えっ、イチョウだからそのままイチョウだよね???
と、思いましたがわたしの捻りがゼロでした。

こちら「木枯らし」です。

木枯らしという名を聞いてからこのイチョウを眺めると、まさに木枯らしの「ヒューッ」と吹き抜ける音、そしてあの乾燥した風が肌にあたるような気がしてきます。
このイチョウが木枯らしに吹かれていってしまいそうな気さえしてきてしまいます。

そしてこちらは、はじめて練り切り体験に参加してつくった練り切り。

先生に、「この中央の黒い豆はなにを表していると思う?」と聞かれて。
えー、なんだろう。普通に飾りじゃないの、、?

ヒントはこの練り切りの名前だといわれてみると、書かれていたのは「松寿」。

松、、、松になる“実”!
松ぼっくりか!!

ほぉお、、なるほどね、、
粋だ、、いいぞ、、、!!


そして個人的に大好きな一番の推し練り切り。

ひび割れてない?なにこれ?
とか思わないでください、わざとひび割れしてるんです、、!!

森下典子さん著の大好きな本「好日日記-季節のように生きる-」で紹介されていた、
東京の老舗和菓子屋・岬屋さんの「下萌」を真似して作ってみたものです。
一見するとなにを表しているのかピンとこなくても、下萌という名がこの和菓子を完成させています。

実はほかの和菓子屋の「下萌」は、雪を表した白い求肥に緑色を合わせたふわふわした印象のものが多いのですが、私の好みはこちら。

冬枯れした茶色い地面から、春を待ち侘びた緑たちが地面を破り生えてくる強い生命感を感じさせます。この力強さを感じる下萌が本当に好き、、、!!きゅんポイントです。

このひび割れから中の抹茶餡を見せるのが本当に難しいのです。(見えなさすぎて急遽上から緑の“葉っぱ”をのせた)
いつか岬屋さんの下萌を味わってみたい!


最後に紹介する和菓子。
こちらもまだ食べれていないので、イラストでの紹介になりますがこの和菓子がどのような自然の風景を切り取って表しているか、じっくり観察してみてください。

こちらも「好日日記」から。
著者である森下典子さんのイラストです。

東京の老舗和菓子屋・御菓子処さゝまさん
なにに見える?

“透き通った錦玉羹の下に、小石状に型抜きした羊羹が入っている。”

「好日日記」森下典子著より


どこかでみたことありませんか、、
たとえば子供の頃に遊びに行った川遊びとか、、
川遊びとか、、
川遊び、、、

↓    ↓    ↓    ↓

“お菓子は「玉川」。(中略)石英のように、キラリと輝く断面と切り立った角は、切り出し氷のようで、澄みきった直方体の中に、清流の川底が見えた。”

「好日日記」森下典子著より


まさかの川底、、!!粋すぎる、、
これはエモい、、(使い方合ってるはず)
なんとなく私は子供の時の夏休みの感じがじわじわくるし、冷たい川にダイブして夏の暑さを吹き飛ばせるくらいの感激。
川に潜った時に耳元でこぽこぽ空気がはじける音も聴こえてくる、、、

クーラーも扇風機もない時代。
名前とか細かいところにも工夫を凝らして夏の暑さを乗り切っていたんだろうなぁ。


まだまだ紹介したい、食べたい和菓子は募りますが
なんせ季節ものなので逃したら一年待たなくてはいけない、、!それも和菓子の楽しいところ。


紹介するだけでもたのしい。
緑の少ないオフィス街でも、デパ地下やひっそり路地裏でやっている和菓子屋さんを覗いてみると、そこには小さな自然の世界が存在します。 忙しさで目に入っていなかったもの、
あの時見た風景に出会えてふっと癒される瞬間があるかもしれません。
和菓子でいろんな季節の風景を見て、感じて、味わえますように!


和菓子屋めぐりしよ。


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