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転職の要諦 人気No. 1就職先→地方公務員

私は39歳だった5年前に経験者採用枠で某県庁に入庁した。動機としては移住。趣味であるフライフィッシングやトレッキングの充実、また自然豊かな環境で過ごしたかったから。

その際に民間企業も2、3電話面接したけど縁がなく、しょうがなく公務員試験を受験した。(余談だが試験結果は経験者採用枠で1位合格だった)

地方公務員は人気就職先No. 1らしい。ちなみに県庁は給料がいいと言う方々が多いが、給料は決してよくはない。40歳で総支給額33万円、手取り26万円程度。これ私が新卒で入社した食品メーカーの3年目の給料と同じくらいで、34歳時に働いていた外資の約半分くらいの給料。子育て世帯としては余裕はなく、よって周りの県庁職員もご多分にもれず共働きが多い。残業単価も安いのでかなり残業しない限りは手取りはなかなか増えない。

隣の畑でリンゴをもらう娘

転職や仕事を探す際には給料だけでなく人それぞれの秤があろう。公務員志願者であれば安定性や社会的評価あたりだろうか。

4回転職して、県庁を5年で退職した私が思うのは、なんだかんだ転職で1番大切なのはやり甲斐と自己成長であろう。美談に聞こえるかもしれないが、結局はそこな気がする。

私のようなジョブホッパーが何故転職するかと言えば、職場に何か不満があるから。私の場合はつきつめて考えるとやり甲斐や自己成長だと思う。(それに家庭事情やライフスタイルの変化なども転職理由)

では公務員のやり甲斐とは何か。

少なからず県民や社会に貢献することだろう。生活保護のケースワーカーはダイレクトにそれが経験できる貴重な経験だった。

一方で花形で人気がある観光は個人的には全くやり甲斐は感じなかった。県内に観光客を呼び込む、魅力をアピールするという、一見素敵な仕事に聞こえるがそうではない。会議にでれば毎日ゴルフしてるような観光関係の社長ばかり、そこに補助金を支給するような仕事ではモチベーションはあがらない。また、文化系の部署では日々、申請書に間違いがないか法令とにらめっこであった。非常に地味だが集中力が必要な孤独な仕事だ。

要するに公務員の仕事はさまざまなのだ。

配属先でやり甲斐は変わるであろうし、向き不向きもある。ぴったりハマる人にはハマるのだ。

ただ、公務員に共通するのは、決定権が個人にないこと。何かを決めるとき、金を払う時は組織の決裁が必要で、その決裁資料の作成に無駄に時間と労力を使う。だから、外部との会議にでても決断は許されず、持ち帰って検討します!としか言えない。これ個人的に非常にカッコ悪いと思う。

ちなみに電子申請になった今でも文房具を買うだけで10人くらいの決裁が必要だ。本当ギャグかと思う。
民間ならレシートを貼って経理に提出するだけの事後決裁だ。日本の生産性が低い現場の最たるものだ。

このように決断できない、決断が許されない公務員には自己成長するには限界がある。だっていつも重要な決断は他人任せなんだから。

こういった公務員の仕事の進め方が性に合っている方も勿論いるだろう。私は性に合わなかった。どんなに安定している職業といえとまいえど、私のような性格の人間には公務員は向いていない。

結局は5年働いて退職した訳だが、このような事情を詳しく理解していれば、そもそも経験者採用試験を受験せずに民間を志願していたであろう。

人には向き不向きがあるのだ。

それでも人気No. 1就職先地方公務員。


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