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【シネマでおジャマ】 フィンランド映画 / 枯葉 (2023)

フランスヘ行こうか、と思い立ったのはきっとフレンチ・シネマが好きすぎて。

前回はアツ〜いインド映画でナマステ〜🙏いたしましたん。


それに続いて今日は、ヒヤ〜っとクールにフィンランド映画をご紹介。

以前デンマーク映画をご紹介した時に北欧にも少し触れたのを覚えていらっしゃいますか?



北欧は、暗い時間が長く、余暇をバーで呑みながら過ごすことが日常的なのか、男=呑兵衛という図式が浸透しているようですね。
姐さんも呑兵衛ですけど🙄
『アナザーラウンド』でも、男たちは仕事中でも「士気高揚」とばかりに呑んでいました。

そして今回のフィンランド映画、『枯葉』でも男は呑兵衛で、数々の失態をやらかしてます。



呑みながら仕事するんで、クビにされ、また更にそれが哀しくて呑む。
呑んだ末の失態で、父も弟も亡くしている寂しい女。真面目ではありながらも薄幸。
そんな二人が偶然カラオケバーで出逢い、お互いがピ〜ン😍
カラオケで歌われる「♪シューベルトのセレナーデ」と絡むふたりのアツい視線♥

監督アキ・カウリスマキの選曲にはいつもよじれる姐さん。
それは、1989年の『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』からずっと!



フィンランドのロックンローラーがアメリカへ渡ったら...
というお話ですが、こちらもよじれまくりですん♥
ラストにジム・ジャームッシュ監督がちらりん。



新作、冒頭シーンのラジオから流れるお約束の日本語演歌も来たーっ😆
そしてグッドタイミングで来る「マンボ・イタリアーノ」。
そこにちらちらっと挟まれるチャイコフスキーの6番でめちゃロマンチック。あはん♥
もちろんタイトルだってあの有名なシャンソン「枯葉」からのインスピレーションですからね。




そして、姐さんのディテールチェックは続きます。

ある日男は、唐突に女を映画に誘う。
そこでふたりで見る映画は...



ゾンビ映画ーーー😁 (しかもB級)
ジム・ジャームッシュの『デッド・ドント・ダイ』(2019) ですけど。
よじれるっ!
これもオマージュやね。
てかふたりはマブダチかっ!

ジャームッシュと言えば『ミステリー・トレイン』(1989)とか有名でしたけど、最近はゾンビ映画撮ってんのね。
ビル・マーレイとかアダム・ドライバー等芸達者が色々できゃうん😍
ですけどなんてったって大穴はゾンビ役のイギー・ポップ。きゃうん😓 ちとハマり過ぎ...

てのは置いといて。
映画館にかかってる映画のポスターがまたよじれるっ!
ブリジット・バルドーの『軽蔑』(1963)、
アラン・ドロンの『ロッコと彼の兄弟』邦題は「若者のすべて」(1960)、
そして、ゴダールの『気狂いピエロ』(1965)。
100%オマージュ🤩




そして、映画館から出てきた観客の感想は。
「ロベール・ブレッソンも真っ青だろ。」
「いやー、オレはゴダール彷彿しちゃったね。」
ってなんだかめっちゃマニアックな会話やん。

どちらもおフレンチ・ヌーヴェルヴァーグの巨匠ですからね。カンヌ国際映画祭なんかでもブイブイ言わせっちゃってた名前ですからね。
こりゃスゴいオマージュじゃ。

しかもこの『枯葉』は、今年のカンヌ公式プログラムに選ばれた唯一の北欧映画。
これだけオマージュしちゃってるんじゃ、あげないわけにいかないっしょ、審査員賞😁



そしてレトロチックに夜の街を走る路面電車は、乗り鉄姐さんの魂を揺さぶるし、呑んだくれて路面電車の停車場で眠りこけてるところ、通りかかったガキ達にポケット探られたりするのもあるあるだし。

寂しい女の住む部屋にあるポータブルラジオから流れるニュースは、いつもロシア対ウクライナ。
時事ネタを、かつてフィンランドも嫌な思いをした古傷に触れながら皮肉を込めて。
流れて来るのは、甘美な旋律のチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」。

ミニマリストな色の使い方にもよじれるっ!
女はいつもブルーの服で仕事へ向かい、それは「労働者」カラーであることを思い出させる。
唯一の友、仕事場の同僚とバーへ出かけるとき、そしてまた男に会うときには真っ赤な出で立ちで。(そしてブルーなカクテルをすする。) 表情を抑えた演技だけに、その色を頼りに彼女の感情を推し量るような。
またその色が、暗い夜の街にアクセントを刺す。色の魔術師。


このギャップの見せ方がカウリスマキ流。


それでは、今日はこのへんで。
ナウなフィンランド・ロックを聴きながら。


♪Syntynyt suruun ja  puettu pettymyksin
(悲しみの中で生まれ、失望を纏い)

by Maustetytot 
(フィンランドのスパイスガールズ の意)




きゃうん♥







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