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「1on1」と面談の違いって何?どんな話しをしたらいいの?

コーチのなおです。
会社から部下と「1on1」をするように言われ、どんな場にしたらいいか分からないという声を聞きます。
3か月や半年に1回の評価面談はしているけれど、月1回の面談で改めて部下と1対1で向き合い、どんなことを話したらいいんだろう?と悩んでいる上司がいるのが現状です。

上司:「何か話したいことある?」
部下:「いや、特にありません」
上司:「そうか、じゃあ何か言いたいことがあったら声かけてね」

これでは、部下の本音を引き出すどころか、かえってモチベーションを下げ、何も話をしなくなる可能性があります。。。。

「1on1」は何のためにするのか、何を話したらいいのか、どんな効果が得られるのでしょうか。
働き方の多様化によりコミュニケーションの機会が減っている昨今、上司と1対1で話しができる貴重な時間を有意義に使い、話した後はなんだかワクワクした気持ちになって、仕事へのモチベーションが上がり、部下の行動にも変化が起きる。そんな時間にしたいものです。


1.「1on1」は何のためにするの?(目的)

1on1とは、
 上司と部下が1対1で継続的に対話し、部下の思いや、なりたい姿などを傾聴したり、内発的動機を引き出すことにより、部下の自律的な行動を促進したり、成長を支援すること

1on1は、上司が聞きたい事を確認する時間ではなく、100%部下のための時間です。
 
上司は部下の事を知りたいという興味・関心の矢印を部下に向ける必要があります。
部下は、「どんなことを思っている?」「どうなりたい?」と上司から聞かれたり、共感してもらうことで、自己承認欲求が満たされ、心理的安全性を感じることにより、自ら考え行動を起こす自律型人材になっていくのです。

【ポイント】
①   何のために1on1をしているのか、お互いが共通認識をもっているか
②   部下が本当に思っている事を話したり、自己開示ができる「心理的安全性」のある場になっているか
③   上司は、部下のことを知りたいという興味・関心を持ち、聞き役に徹し、話しやすい場を作っているか

【1on1と面談との違い】

パーソルグループ 1on1とは?目的や進め方、効果的に運用するためのポイントを解説 参照https://www.persol-group.co.jp/service/business/article/4928/


2.「1on1」で何を話したらいい?どんな効果があるの?(GROWモデル)

ではいったい何を話したらいいのか?
上司と部下はお互いにこんなことを感じています。

【上司の本音】
・どうしても雑談になってしまい、あまり1on1の効果を感じていない
・沈黙に耐えられず、結局上司が一方的に話している
・プライベートなことを聞いたら、ハラスメントになってしまうと思いこみ遠慮している
・飲みにいった方が本音をひきだせるのに、会社から言われたからしょうがなくやっている
・質問が詰問になってしまい、いつもの会議のようになってしまう
・そもそも何を質問したらいいのか分からない

【部下の本音】
・なんでも話していいよと言われても、何を話したらいいのか分からない
・上司のために期待する答えを話してしまう
・評価を気にして本音は話せない
・結局上司の体験談を延々と聞かされ黙ってしまう
・何のための時間か良くわからない
・あまり自分に関心がないように思う
・将来のビジョンとかいきなり聞かれてもイメージできない

まず、何のために1on1をするのか、お互いが共通認識を持つことが大切です。
定期的な対話を継続することで、お互いの信頼関係が生まれ、良質なコミュニケーションを重ねることにより、部下のモチベーションがアップしたり、パフォーマンスの向上に効果を発揮します。

※テーマ設定 何を話すのか?
 「部下が話したい事を話す」が原則です。

「最近気になっている事、仕事上で伝えておきたい事、人間関係について、やりたいこと、今抱えている問題・・・など」 心に引っかかっているモヤモヤや、話しているうちに気づく潜在的な思いをアウトプットすることが大切なので、特にテーマを決めていなくても構いません。
・仕事への不安や悩み
・心身の健康面
・今後のキャリア
・コミュニケーション  ・・・・など

1on1を効果的な場にするために、コーチングで使われている「GROWモデル」を使ってみましょう

【GROWモデルとは】
質問を通して、相手を目標達成に導くコーチングの手法
Goal(ゴール)→Reality(現状)→Options(選択肢)→Will(行動)
このフレームワークを使いサイクルを回すことで、1on1の目的が明確になり効果的な対話になります

①    Goal(ゴール) どうなりたいのか具体的にイメージする
・今日はどんな話しがしたい?
・最後にどんなことが得られるといい?
・どんな気持ちになっていたい?
・何が決まっているといい?
②   Reality(現状の把握) 今、どうなっているのか?
・今どんな状態?
・何が起きているの?
・どんな気持ちなの?
・今何が気がかり?
③    Options(選択肢) 選択肢を設ける
・どうしていく?
・どんな方法がある?
・どの方向に進む?
・何が見える?
④    Will(行動) 具体的な行動をたてる
・何してみる?
・どんなことにチャレンジできる?
・どんな方法がある?
・いつまでにできそう?
・協力者はいそう?

GROWモデルを使うことで、より具体的な未来に向けてのイメージを持つことが出来ます。それにより自身の進む方向・やることが明確になり、そこに向かって行動を起こすことで、成長を実感することができます。

1on1は、上司と部下が対等に対話をする場です。
評価したり、指導することはありません。
なりたい未来に向けた対話をし、それに向けて今どんな状態かをお互いが認識し、何があったらいいのか、何がしたいのか、どんな支援が必要なのか、心の中にある思いをアウトプットすることで、部下自身も気づきを得たり、行動を起こすきっかけとなるのです。

日常は、緊急度×重要度が高い目先の業務に追われて、このような対話をするきっかけはありません。
せっかくの貴重な「1on1」の機会を有効に使い、普段の思考の枠を超えて深く考え、話すことが大切です。
多忙な上司が、自分のために時間をとってくれているのは、
「自分はここにいていいんだ、大切にされているんだ」という最高の存在承認になります。

部下が話しやすい場を作り、部下の思いに共感し、一緒に目指す方向に向かって対話していくことができたら、最高にHAPPYな場になるはずです。

「1ON1」の良さって何だろう? という記事も書いていますので
良かったら読んでもらえると嬉しいです
https://note.com/_andcoach/n/ndc5bbd212ae8

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