シマ

コソ練80日用のnote。美容師です。絵を描いてます。

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コソ練80日用のnote。美容師です。絵を描いてます。

最近の記事

朝カレー/コソ練・71日目

先日、川のほとりで車中泊をした。目の前には、100メートル以上の長さを誇る天然記念物「古座川の一枚岩」が鎮座する。 ピーヒョロローという鳥の鳴き声とともに、空が目覚める。さぁ、朝食のカレーの時間だ。大自然でいただく朝カレーはどんな高級料理よりも旨い。車中泊後の朝カレーを口にした時の多幸感に勝るものはない。車からでて、ガスバーナーに火をつけ準備にとりかかる。クッカーにサトウのごはんとレトルトバーモンドカレーをいれ、沸騰させること20分。ボコボコとお湯の表面が騒がしくなり、白い

    • Get along with / コソ練・70日目

      6月1日、オレの夏がきた。 首を長くして、いや、首が海賊王くらい伸びきって待っていた。ついに、鮎の友釣り漁が解禁だ。 5年前、「鮎釣り」を生涯をかけた”遊び事”にしようと決めた。 それまでは朝、鳥の声をきいてから、時計の針が悠々と頂上を超えていくような生活を20年続けていた。友達と遊ぶことも、旅行も、飲み会も、子供の行事も、いろんなことを諦めてきた。 が、しかし。 ある出来事をきっかけに「あれ? このままじゃ、美容師しか知らない人生で終わるぞ。世界の数多ある美しい景

      • いい絵って何/コソ練・69日目

        InstagramにUPしている写真が1500枚を超えた。ホームページをつくるにあたり、不必要な写真を整理しようとアーカイブしていた。この5年ほど描いてきた絵をふりかえってみて「描けば描くほど上手くなっているな」と、客観的に絵を眺めていた。と同時に、「では、上手くなったから、いい絵が描けているのか」という問いが生まれた。 上手いから、いい。下手だから、だめ。どうやら、そんな単純なことでもなさそうだ。下手だけれど、描きたくて描きたくてたまらない時の絵は、息をしている。動いてい

        • 511日/コソ練・68日目

          ここ最近、時間の使い方について考えている。 命の使い方について考えている。 昨日、A4サイズ5ミリ方眼紙の左右に大きな円を2つ描いた。 1つの円には、”1日”と書き24分割。 朝9時から夕方18時までをピンクの蛍光マーカーで塗りつぶす。おおよそ9時間、美容師の時間だ。 朝5時から8時までの3時間と夕方18時から20時までの2時間、合計5時間をミドリの蛍光マーカーで塗りつぶす。絵を描く時間と文字を書く時間と経営者業の時間だ。創作時間とよべる。 20時〜22時までをムラサ

        朝カレー/コソ練・71日目

          MOVE♯1/コソ練・67日目

          3500字のエッセイに半月向き合った。朝を起きて、仕事終わりに、休日に、ずっとずっと書いていた。何度も書き直していた。 すると、今まで教えてもらったことと、この1年書き続けたこと(表にでていないけれど)が、ついにがっちゃんこした。やっと自分の言葉で説明できるようになった。そんなことをチェアリングしながら考えていた。 1本のエッセイって、ひとつのお店をブランディングすることにとても良く似ていた。うちのお店は「〇〇です」と、ブランドコンセプトを短かい言葉で言い表せて、すなわち

          MOVE♯1/コソ練・67日目

          頑張り屋さん/コソ練•66日目

          「ほんと、あんたは頑張り屋さんだねー」 先日、ゲストから言われた一言だ。 あ、ああ、ありがとうございます。 で、でも、「頑張り」屋さんというお店の店主ってことだよな、と天邪鬼な方向へ思考が飛んでしまった。八百屋さんは、野菜を売っているお店だ。魚屋さんは、文字通り魚を売っているお店。なら、頑張り屋さんは、頑張りを売っているお店なのかな。 「へい! らっしゃい! 今日はいい『頑張り』が入荷してるよー」みたいな感じ? なんかめんどくさそうなお店だな(笑) 腕まくりして、鼻

          頑張り屋さん/コソ練•66日目

          ピロンッ! と鳴らせ/コソ練・65日目

          自分で書いたエッセイの原稿を、万年筆を使いノートに写経した。6ページあった。日々の面白いエッセイの写経ページのおおよそ3倍だ(削らないと)。すぐに蛍光マーカーと赤ペンに持ちかえ、自己分析をしてみた。 これが、どうしてどうして。 めちゃくちゃ客観的に自分の文章を分析できるじゃないですか。その言葉は格言かい? それともエピソードかい? はたまた、思ったことなのかい?そもそも原稿の骨子はなんなんだい? 構成、ちょっと無理やりすぎないかい? マーカーを引き、赤ペンを走らせる。する

          ピロンッ! と鳴らせ/コソ練・65日目

          One Flower /コソ練・64日目

          今日、1冊の本が届いた。 ページをめくると思わず「わぁ!」と、声がでて肩が震えた。 続けてきて、描き続けてきて、良かった。 あの時、「本の装丁画をやる」と決意して良かった。 あの時、「描かせて欲しい」とメッセージを送って良かった。 あの時も、あの時も、あの時も、全部なければ、無かったことだ。 One Flowerは、キラキラに輝いて本の中で咲いていた。 自分で描いた作品なはずなんだけれど、ごく稀に完成した作品を眺めて「あれ? どうやって描いたんだ?」と、分からなくなる時が

          One Flower /コソ練・64日目

          1300年前/コソ練・63日目

          最近、なんだか空海さんがやけに気になっている。今まで何とも思わなかったけれど、八十八ヶ所をまわってみたくなってきたのだ。空海さんと言えば、高野山、四国八十八箇所巡礼、密教、そんな言葉を思い浮かべる。高野山は、自宅から2時間以内でひょいっと行ける場所にあるし、近所のお寺にも関連する仏様が祀られている。空海さんがどのようなことを為し得てきたのか、もうすこし知ってみたいと思い、先日奈良でおこなわれている生誕1350年記念『空海KUKAI-密教のルーツとマンダラ世界」の展示会へ足を運

          1300年前/コソ練・63日目

          サービス業/コソ練・62日目

          サービス業って難しい。 先日、妻と洋菓子店にフラリと立ち寄った時のことだ。「いらしゃいませ」の声かけが聞こえると、オウム返しをするように「いらっしゃいませ」の声が店内の7つの方向から聞こえてきた。「いかかでしょうか」の掛け声も「また,おこしくださいませ」の掛け声も、全て同様だった。 洋菓子店だけれどサービス業というくくりで言えば、美容室もサービス業である。20数年美容師をする中で、過去に朝礼で挨拶をオウム返しをするような練習をした経験もある。なので、来店時の掛け声が寸分の

          サービス業/コソ練・62日目

          コロコロ/コソ練・61日目

          絵を描く時、漠としたイメージだけで筆を走らせはじめる。料理をつくることに例えるなら、和食か洋食か中華か、くらいのイメージだけで作りはじめる。なので、描きながら考える。しかも、下書きをせずに描き進めていく。水彩絵の具だから、油絵のように上に上に描き足していくことはできない。一発勝負である。不意に筆から色のついた水滴がキャンバスに落ち時には、その形からイメージを転がせて、最終着地させていく。すると、思ってもみなかった作品が出来上がり、テンションがあがる。 去年、面白い文章とは「

          コロコロ/コソ練・61日目

          幸せ原資/コソ練・60日目

          「暮らしの中で幸せと感じる瞬間の気持ちって、貯めるられると思うのよ」と、目元をくしゃりとさせた御年75歳のゲストがおっしゃった。「気持ちを貯めていく」という発想がなかった私は、どんな感覚なんだろうと思い「それって、貯金をするようなイメージですか」と質問をなげかけてみた。すると、そうそう! と大きめの返事がかえってきた。しかも、複利もうまれていくというのだ。 貯金からお金をきり崩し原資が目減りしていくと、複利も減っていく。この原理と同じように、不幸せの感情を抱く度に、幸せ原子

          幸せ原資/コソ練・60日目

          ツツジの咲く頃/コソ練・59日目

          4月が終わりを迎える頃、美容室の前のツツジが満開になります。 2013年4月26日。 シャッターを開けた時に咲いていたツツジは、オープンを祝福してくれているようでした。「どうすればいいんだろう」と経営方針に悩み、うつむいていた時に目にうつったツツジには、頑張れと励まされました。そして、何クソと歩みを進めた翌年に咲いたツツジは、これまでのどの年よりも色鮮やかなパッションピンクに輝いていたことを覚えています。全国に緊急事態宣言が発令された時は、白くボヤけたように濁って見えました

          ツツジの咲く頃/コソ練・59日目

          継続力とは/コソ練・58日目

          「継続は力なり」誰しもが聞いたことのある言葉だ。小学1年生ではじめた習字は6年間通った。小学3年生ではじめたサッカーは高校3年生まで続けた。18歳からはじめた美容師にいたっては、干支が2回もまわった。小さい頃から継続はできる方なのかもしれない。 そこで、どうして続けられる性分なのかなと考えた。幼少期や学生時代に、何らかしらの続けることの成功体験があったからか? と振り返ってみたが、目ぼしい体験は見つからない。しかし、こと失敗体験であればドッサリみつけることができる。なかなか

          継続力とは/コソ練・58日目

          一行目/コソ練・57日目

          原稿は「エピソードファースト」で書くといいよと教えてもらった。面白いエッセイを写経していると「うん、その通りだ」と思い”エピソード”と書かれたシールを貼ったピンクの蛍光マーカーでアンダーラインを引いている。しかし、”格言”と書かれたシールを貼ったオレンジの蛍光マーカーを使う時がごくたまにある。 そんな格言ファーストのあとには”例え話”というシールが貼られたマーカーが使われる。格言は自分が作ったオリジナル言葉だから、読者を置いてけぼりにしないのためなのかな、と考えた。 そし

          一行目/コソ練・57日目

          ウェーブ/コソ練・56日目

          面白いエッセイの写経をしていると、文章の前半で「自分事化」がおきる。自分事化とは、他人さまのエッセイを読んでいるのにもかかわらず、自分の過去のある時期と結びつけられたり、もしくは、これから自分の身にも起きるであろう未来の出来事と結び付けられた時におきる感覚のことだ。その瞬間にエッセイの波に一緒に乗ることが出来る。それが、気持ちいい。 この自分事化の波を起こす文章には、何パターンかあるんだろうなと思う。その中の1つが、ある時代を思いかえせる言葉をつかうこと、かも。 例えば、「

          ウェーブ/コソ練・56日目