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コロコロ/コソ練・61日目

絵を描く時、漠としたイメージだけで筆を走らせはじめる。料理をつくることに例えるなら、和食か洋食か中華か、くらいのイメージだけで作りはじめる。なので、描きながら考える。しかも、下書きをせずに描き進めていく。水彩絵の具だから、油絵のように上に上に描き足していくことはできない。一発勝負である。不意に筆から色のついた水滴がキャンバスに落ち時には、その形からイメージを転がせて、最終着地させていく。すると、思ってもみなかった作品が出来上がり、テンションがあがる。

去年、面白い文章とは「書く前に、自分が思ってもなかったことを書くんだよ」と教えてもらった。じゃあ、絵を描く方法を「文章を書くこと」でも転用できるのかと思っていた。

が、甘かった。というか、大いなる勘違いだった。漠と方向性だけ決めて書き始めて、いい感じで完成させる技量も知識も経験もなかった。言うなれば、和食をつくる! と方向性を決めて包丁を握り、大根を切ってみたが…… はて? わたしはどうすればいいのだ? と迷子になってしまったのだ。(こうして書くと当たり前だと思えるけれど、書いている最中は迷子だから分からなかった)

そのことに気づいてから、師匠のエッセイを毎日写経している。料理レシピ本を見て、同じものをつくっていくように。そんな写経も今日で50日目だ。日々、様々なジャンルのレシピの料理をつくっている。和食かと思ったら、フランス料理のようなエッセンスがくわえられていたり、洋食かと思ったら、ジャンクフードだったり。写経すればするほどシェフ(師匠)の凄さがわかる。と、同時に、圧倒的に力と量が足りていないことを実感する。

いつか師匠のように、絵を描くように、文字を書けるようになりたい。

と、ここまで書いて、ふと思った。

絵も、文字も、料理も、人生も、起承転結の「転」を楽しめるようになれたら、面白くなるんだろうな。

ダート道や雪道やサーキット、様々なシーンで転がせる専用タイヤを手にいれられるように、今日も1個づつ、いや3個くらい積み上げていこう。

さてと、今日も、欲張る。まずは、奈良へ出発だ。

MEMO(コソ練残り18日:ヘッダー画像 Bouquet )

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