凝視

東京で消費活動をしています 19歳女です

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マガジン

  • 読んでシリーズ

    読んだものたちのなかからピックアップ

  • 存在しない記憶

    存在しない記憶についてまとめています だいたい第7章とかまでで終わるはずですが書ききれないので章ごとに分けてアップします

最近の記事

東京タワー、届くことのない手紙、告白

東京には、少し前までいちばん高かった電波塔があります。 タワーマンションの最上階に住みたい、と言っていましたね。きみの欲しい夜景には、その赤い鉄塔も、かならず必要なんだと思います。 東京ではお元気にされていますか。 夢、希望とか、きみが小さいころテレビからもらった概念は、まだだいじにしまっていますか。 君が報われないことをしていること。きみがきっと希望を見失うこと。 そんなことは分かりきっていて、きみは生まれ育った街へ帰るかもしれないし、それを誰も気にも留めないかもし

    • コウ

      もう何年経ったっけ? 路上にしか居場所が無くて、全部憎かって、あん頃のわいら、はやかったなーって今思い返すと。 コウは分かると思うけど、はやい、ってゆうんは別に物理的なもん違くて、いや、実際物理的にも速かったんだけど、他の言葉で言ったら生き急ぐっていうんかな、とにかく全部がこの瞬間に過去になってくのがこわくて、必死で手に入らんもんを追いかけてたような感じ。 そん頃のわいら、中学もロクに行かんで、ずっと新宿に居ってスケボーばっか乗っとったね。アスファルトの路上で速度が出る

      • 取り消し線は何のために存在してるのか

        特にこれ以上言いたいことは無いです。 年が明けてもう4日も経ちます。皆さんどうもお疲れ様です。

        • タイパを求めるなら今すぐ死ね、コスパが欲しいなら出家しろ

          2023年、<タイパ>という言葉が大バズりした。 Youtube Shortsの影響もあってか、NewsPicks系の胡散臭いビジネス系メディアの連中が大喜びでこの<タイパ>という言葉を乱用するものだから、Instagramのアフィ垢たちもこぞって<時短>や<タイパ>系の商品や料理レシピを宣伝しまくった。 <タイパ>という言葉さえ使っておけばインプレッションが稼げるし、SEO的にも優遇される数カ月間があった。 ビジネス系インフルエンサーやアフィカスの広告に踊らされて、リ

        東京タワー、届くことのない手紙、告白

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        • 読んでシリーズ
          1本
        • 存在しない記憶
          2本

        記事

          1月11日、外に出なくてはならない

          1/9 成人式に出席し、地元の中学の同窓会に乱入、それなりに楽しい夜を過ごした。 1/10 爆発的な鬱感情と共に目覚めた。ベッドから動けず、その日は一日何もできなかった。窓から差す夕日に『今日を無駄にしてごめんなさいと言え』と強く責められている気持ちになった。学校に行かず、曲も書けず、縋るようにネットゲームをやっていた14歳の頃を思い出した。寝る前、母親が作ってくれた晩飯をすべて吐いた。 1/11 鬱感情を引き摺っている。隣の部屋の生活音が怖くてベッドから動けなかっ

          1月11日、外に出なくてはならない

          どこにでも行ける私

          目が合って二秒経っても視線を逸らそうとしないので、好意を持たれているのがわかった。一度自分で目を逸らし、もう一度視線を戻すとやはり目が合った。同じ卓の対角線上の席で飲んでいる先輩のグラスが空きそうだったので、次の飲み物を聞き、注文を取った。ねえ、と女が言った。 肌、と思った。女は胸元だけが楕円形に空いた服を着ていて、肌を露出させていた。どんなに柔らかそうな肉体も、柔らかい肉や脂肪が、すべて肌で覆われているから安心して欲情できるのだと気付いた。 と言うと、女は笑顔を作り、

          どこにでも行ける私

          雑感【11月】

          11月の雑感Twitterのアカウントを消して少し経った。140字に収まる程度の気持ちを、都度noteの記事にするのも面倒だし、スマホのメモに書いていたものをまとめます。11月分です。 短歌 今月作った中から一番すきなのをいっこだけ。 以上です。また来月。

          雑感【11月】

          【凝視マル秘情報】 飲んでいたら終電を逃し、家までついてきて俺のベッドで寝ようとし始めた女の子に、「君マジか?マジのやつか?マジでここで寝ようとしてるのか?」(原文ママ)と聞いたら「うん」と言われ、寝るのに邪魔だったので部屋から追い出したことがあります。

          【凝視マル秘情報】 飲んでいたら終電を逃し、家までついてきて俺のベッドで寝ようとし始めた女の子に、「君マジか?マジのやつか?マジでここで寝ようとしてるのか?」(原文ママ)と聞いたら「うん」と言われ、寝るのに邪魔だったので部屋から追い出したことがあります。

          「さっきゴキブリの赤ちゃんが俺のウンコ食ってた」って僕が実際にその光景を見たんだっけ?誰かがどっかで言ってたことだっけ?不安になって一応ググったけど出てこなかった、言語情報になると自分のものと他人のものの区別がつかなくなる、それが読書のいいところでもあるのだけど。

          「さっきゴキブリの赤ちゃんが俺のウンコ食ってた」って僕が実際にその光景を見たんだっけ?誰かがどっかで言ってたことだっけ?不安になって一応ググったけど出てこなかった、言語情報になると自分のものと他人のものの区別がつかなくなる、それが読書のいいところでもあるのだけど。

          西村賢太ファンなら気付いてるかもしれないこと

          さっき「小銭をかぞえる」を読み返してたら、 貫多が同棲中の女に金を借りようとしてるシーンで、 ってのが出てきて、 「稲垣潤一って芝公園六角堂跡で言ってたやつじゃん!西村賢太って自分が稲垣潤一のファンなんじゃないの?」 と思い、西村賢太なりの脚色なんだろうなとか考えたりして、「芝公園六角堂跡」を引っ張り出してみたら、 ってズバっと書いてあった。「芝公園六角堂跡」もかなり前に読んだから、ここまでダイレクトに書いてるなんて忘れてた。というかもはや知らなかった。 多分初見

          西村賢太ファンなら気付いてるかもしれないこと

          【PENTAX MX】フィルムカメラに失敗し続けている【丁寧な暮らしアリ】

          PENTAX MXというカメラこの前ひょんなことからPENTAX MXというカメラを入手したのだが、薄くて小さくて、そんでもってデザインがかなり良い。 フィルムカメラに慣れるためにも早速どこに行くにもこれを持ち歩くという生活を2週間ほど続けてみた結果、フィルムカメラの不便さを散々味わうハメになってしまったので、この2週間で得た知見を記事にしてまとめておく。 フィルムカメラのメリット1. かっこいい なんといってもかっこいい。デザインが良い。でもこれはこのMXだけに言える

          【PENTAX MX】フィルムカメラに失敗し続けている【丁寧な暮らしアリ】

          蛇と林檎

          蛇と林檎

          書評以前~10月まとめ~

          書評以前とは本屋を徘徊して、読みたくなった本を紹介していきます。買った本は含めてないので、全部まだ読んでません。だから「書評以前」です。今回は10月中に見つけた本たちのまとめです。 1冊目「オリガ・モリソヴナの反語法」 米原万理 島田雅彦の描く政治モノの質感が好きだったので、東欧諸国を舞台としたこの本が気になった。外語大出身というだけでなぜか期待してしまうのは、僕が単に島田雅彦のファンだから、というだけだろう。 2冊目「初心者のための『文学』」大塚英志   批評家が書

          書評以前~10月まとめ~

          最果タヒ「さっきまでは薔薇だったぼく」を読んで

          はじめての現代詩ずっと詩を避け続けてきた 中学の頃あたりから、僕は詩を何となく避けるようにしてきた。 小学校の頃は特に何の心理的障壁もなく、詩に触れていた。しかし中学生になり、自意識が肥大化していくのに伴って、詩がなんとなく恥ずかしく感じられるようになってしまったのだ。 詩の入れ物(音楽、短歌、小説、映画、etc…) 15歳ごろ、自分のバンドのために曲を書くようになってからはもちろんその歌詞を書いていたのだが、詩という本来恥ずかしいものを音楽という箱に閉じ込めて、装飾

          最果タヒ「さっきまでは薔薇だったぼく」を読んで

          さらば、すべてのソーシャルメディア

          ※編集後記 はじめに、全ての読者に謝っておきたい。ひどく恥ずかしいことに、この記事はあまりにもミニマリズム的な、丁寧な暮らし的な、普段の僕ならばもう完全に嘲笑の対象としていた類のものになってしまった感がある。丁寧な暮らし教の信者達以外には相当不快な思いをさせてしまう可能性があるので、即座にブラウザバックして頂くことを推奨する。 以下、記事本編。 SNS文人主義 現代を生きる人間は、利用しているSNSの分だけ人格を使い分けて生きている。さらに言えば、それぞれのSNSごとに

          さらば、すべてのソーシャルメディア

          存在しない記憶 第二章

          第二章 春 三回落ち続けた大学にやっと受かった。嬉しい、という気持ちにはなれなかった。ストレスと闘って必死に勉強し続けた一、二浪目の頃と、もう殆ど諦めて遊んでいた三浪目の一年を比べてなぜあの時は落ちて今回は受かったのだろう、と不思議に思った。 誰もいない昼間、リビングで補欠合格を報せた受話器を元に戻せないままぼんやりと立っている。台所の蛇口からポツ、ポツ、と一定のリズムで金属に滴る水滴の音が脳味噌を刺激した。その音を聞き続けていたら不意に涙が溢れてきたが、その涙はほんとう

          存在しない記憶 第二章