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8/15 じぶんのために買った花束


永遠に続く気がした真夜中に
朝の顔して訪れる4時

かろうじて息はしていたあの春の
記憶にあるのは床の色だけ

楽しみにしてたデートが消えるとき
幽霊にまた1歩近づく

「KissHug」が好きだと言ったあの男
あたしは友達だと思ってた

忘れたくないからたまに思いだす
夢のなかでもまっすぐな道

二拍手のあとに唱えた願いごと
教えてくれた瞬間の熱

人数分買ったドーナツの中から
ポン・デ・リングをあきらめること

つい癖で赤本売り場に足が向く
大学生、2回めの夏

対をなす食器、座布団
うっすらと見える昔のおんなの死骸

すいか、もも、ぶどうが並ぶ朝食で
今日が人生最後かと思う

花火しよう、と約束した日は
真夏まで一緒にいるとは思わなかった

ケッコン、て
相手に雪見だいふくの2こめをあげる覚悟のことか?

10分に1本の電車また逃す
切れない電話、すぐ終わる恋

秋だから、ってだけの理由で何もかも
上手くいく気がする神無月

幸せにすると言われた、
あなたの手にかからずとも幸せですが

走ったら1分で着く、と言うひとが
そこへ走って向かう意味とは

思い出を残しているのは
優しさか、過去が光って見えるタイプか

寂しさをごまかす術も覚えたし、
新宿駅もひとりで歩ける

2車線の横断歩道を渡りきる前に泣いてた
冬のよる9時

来年も生きていけると言い聞かせ
じぶんのために買った花束

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