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いつか忘れてしまうこと

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意味がなくてもそれは祈り

会社員という肩書きで社会に籍を置くようになって以来、日曜日の夕方から夜にかけての時間は「日曜日」というより「プレ月曜日」の感覚で生きている。翌日からのおべんとう5日分(金曜日を待たずに食べきってしまうことも多いけれど)のために副菜を作り置きして、ついでに夜ごはんの支度もする。食べてお風呂を済ませたら、5日分の仕事服にまとめてアイロンをかける。手持ちの半袖ブラウスはアイロン要らずの素材が多いので、春にくらべると時間がかからなくてうれしい。まだまだお金に余裕がないので安物のきれい

    • 写真と日記 9/2(月)-9/6(金)

      カメラを買ってから2週間めの記録。 9/2(月) 9/3(火) 9/4(水) お酒が得意ではなく、お店のご夫婦とお話ししてみたかっただけなので、一杯だけ飲んですぐ帰ろうと思っていた。すると、わたしがイカを炙っているあいだに続々と常連さんが到着し、ご夫婦はその一人ひとりに「出版社で編集をしている、みほさんです」と紹介してくれた。常連さんはみんなやさしかった。会社はどこにあるの、どんな本を作っているの、どんな音楽を聴くの、ぼくも20年くらいカメラやってるよ、aikoがつけ

      • カメラを買った日、それからの1週間

        8/22(木) 会社の近くにある中古のカメラやさんでCanonのミラーレス一眼を買った。お店の口コミを見たところ評価が良さそうだったので、赤の他人たちに100パーセントの信頼を置いて臨んだところ、本当にめちゃめちゃ親切に対応してくださった。念願の一眼レフデビューを果たした帰り道は、新しい恋人との生活が始まった日のふわふわした気持ちに似ていたと思う。 大学生のころから、料理をきれいに撮りたくてカメラに興味は持っていたのだけど、安くても数万円はかかる大きな買い物に踏み切れるほど

        • 7/5(金)の日記

          ・ 駅前のロータリーで、わたしが幼いころから営業していた昔ながらの定食屋さんが閉店していた。閉店していた、というよりは、気付いたときにはもう空き店舗の状態となっていた。通勤にはべつの駅から電車に乗るので、大学を卒業してからはお店の前を通る機会も減っていた。 実際にそのお店に入ったのはたったの1度だけなので大した思い出もないのだが、店先に立てられた「営業中」の旗や目にするたびに値上げされていた定食のメニュー看板は、無くなってしまうとどこかさみしい。街の一部が欠けているような気が

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        • 7/2(日)の日記

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          よむラジオ#54 「致死量の魚」

          こんばんは、第54回「よむラジオ」です。 昨夜、一生分のお寿司を食べさせてもらったので胃がめっっっっちゃくちゃ重いです。今年食べたもののなかでいちばん美味しかった。

          よむラジオ#54 「致死量の魚」

          よむラジオ#53 「どうせ他人だし、」

          こんばんは、第53回「よむラジオ」です。今朝、洗濯物を干すためにベランダに出たら真夏の日差しでびっくりしました。引き際を知りなさいよ。 明日提出の企画書に載せる著者候補を探さなければいけなかったのに、noteにじぶんのための文章ばかり書いていたら1日が終わりそうです。ほんとうに間に合うのかな♪

          よむラジオ#53 「どうせ他人だし、」

          よむラジオ#52 「向こう側に行けない」

          こんばんは、第52回「よむラジオ」です。ここ最近、明るくなったねとか生き生きしているねと言われることが多くてうれしさ半分、戸惑い半分です。前回この人と会ったとき(こいつ暗いな)と思われてたんだ……と考えると恥ずかしいので。 ここ数ヶ月ほど、毎日元気いっぱいです。いつ転落するんだろうと思いながら生きています。

          よむラジオ#52 「向こう側に行けない」

          よむラジオ#51 「"本物"の大人」

          こんばんは、第51回「よむラジオ」です。少し落ち着いたとはいえ、昼間はまだまだ暑いですね。今週もほどほどに頑張りましょう。

          よむラジオ#51 「"本物"の大人」

          よむラジオ#50 「食べること」

          こんばんは、第50回「よむラジオ」です。朝晩はほんのすこ〜し暑さが落ち着いてきましたね。今週もお疲れさまでした。

          よむラジオ#50 「食べること」

          よむラジオ#49 「積読していた本のはなし」

          こんばんは、第49回「よむラジオ」です。今日はお昼から夜までずーっとアルバイトをしていました。体調不良で休みまくった分のお給料を取り戻すべく、めちゃくちゃに働いてやろうと思います。 はじめに業務連絡です。 「はんそくラジオ」#29が公開されました。朝井リョウの『スター』の話をするかと思いきや、(こんなところまで誰も聞いてないだろ)というやさぐれマインドが垣間見える話をしています。

          よむラジオ#49 「積読していた本のはなし」

        記事

          ちいさなお店を愛するということ

          「修学旅行で来られたんですか?」 学校から歩いて10分の場所にあるカフェを訪ねると、入り口でお店のおじさんに声をかけられた。高校2年生の秋のことだ。 上野と浅草のちょうど中間にある中高一貫校に通っていた。伝統があることはたいへんよろしいが、大正時代から受け継がれているらしい女子の制服は絶望的にださかった。ジャケットの前開きの部分には隠しボタンが付いていて、すべて閉めて着用することが規則だったし(ボタンを外したところでださい)、スカートの下に履いてもよいストッキングの色は黒に

          ちいさなお店を愛するということ

          あかるい花束、あかるくない道

          友達がいない。 いない、と言い切るわたしのことばはあなたを傷つけるかもしれない、と脳裏をかすめる顔はいくつかあるけれど、そういう存在のことをふつうは「友達」と呼ぶのだろうか。 でもわたしには友達がいないと思う。わたしのもとめるかたちの愛を持った他者はどこにもいないし、べつの人間にそれをもとめることがそもそも間違っているとも思う。わたしがじゅうぶんに愛されるに足る人間だと証明できるのはわたしだけで、結局のところ、ひとは独りだという事実ひとつが取り残される。 恋人と引き換えに、

          あかるい花束、あかるくない道

          5/8(水)の日記

          ・書きたいことは毎日たくさん浮かんで、そのたびにスマホのメモに書き溜めてゆくのだけど、いざ文章にしようとパソコンの前で姿勢を正した途端に眠ってしまう。平日は毎晩そんなかんじで22時くらいには営業終了。眠気がくるまえにアイロンがけや部屋の片付け、翌日の持ち物の準備をしていると、それらをすべて終えたころには文章を書いたり漫画を読んだりする気にもならず、ベッドに向かってしまう。くそ〜〜〜これが巷で噂の「働いていると本が読めなくなる」アレか? ・時間がないわけではない。定時ぴったり

          5/8(水)の日記

          4/26(金)の日記

          ・休憩室でご一緒した、母と同い年(きょう判明した)のお姉さまに「毎日お弁当つくってえらいね」と声をかけていただいた。つくっているというか、詰めているというか、のっけているというか……。 ・初任給をいただいたので、とりあえず母にお花を買って帰った。駅前の花屋でミニブーケを手に取ると、お店のおじさんが「せっかく来てくれたから」と言ってガーベラを1本おまけしてくれた。チェーン店のお花やさんも便利でかわいくてだいすきだけど、個人店の良さはこういうところにあると思う。 ・働きはじめ

          4/26(金)の日記

          4/12(金)の日記

          ・Amazonで特定のジャンルの書籍を調べていると、失礼ながらお顔を目にしたこともなければチャンネル名の欠片も耳にしたことのないYouTuberの著書が検索結果の上位に表示された。 ・(きっとそこまで有名ではないのに)どうして書籍がこれほど売れているのだろうと気になって調べてみると、そのチャンネルの登録者数は200万人を越えていた。200万て。へえへえ、私が悪うございやした。 ・入社初日に社長からも言われたけれど、世のなかに起きている(とじぶんが認知している)できごとなん

          4/12(金)の日記

          4/5(金)の日記

          ・会社員としての1週間があっという間に終わった。初日から「自分で仕事見つけて、まあがんばって」みたいなノリの野放しスタイルだったため、暇にならないよう出来ることをひたすらに探し続けた5日間だった。皆さん優しいので今のところは楽しんで働いているけれど。 ・お昼ごはんを食べているときや、混み合う電車に乗って通勤しているとき、ふと(わたしってもう学生じゃないんだ……)と気付いて怖くなる瞬間が何度かあった。家でも無意識に「社員さんがさ〜」と言っていることが多く、未だに自分が「社員さ

          4/5(金)の日記

          3/31(日)の日記

          1年前、叶うわけないと半ば諦めていた生活が、数時間後には始まろうとしている。 書籍編集者として、小さな出版社に就職する。入社式なんてものは無いし、大企業のような研修も無い。志望していた業界・職種に就くという点で私の就活は大成功を収めているものの、結果は働いてみないと分からない。答えあわせは今日から始まるのだと思っている。 どうしてこれからも生きていくのか、と考えながらあの記事を書いていたころの重く暗い気持ちを、もう鮮明には思いだせない。たったひとつの出来事のみでは人生は変

          3/31(日)の日記

          2/29(木)の日記

          ・訳あって、滅多に足を踏み入れることのない街・代々木上原にあるお店でランチをした。埼玉県民は池袋より"下"に行くことがむずかしい。 ・少し早めに家を出て、新宿から南新宿までの一駅分を散歩してみた。代々木駅の周辺にはごはん屋さんがいくつも並んでいて、どれも美味しそうなお店ばかりだった。しかし現実問題として、一日に食べられる食事の回数にも、そこに充てられるお金にも限りがある。どう考えても、私が健康に生きて好きなものを好きなように飲み食いできるうちに、気になるお店のすべてを訪れる

          2/29(木)の日記

          2/22(木)の日記

          ・友人たちと話していて、「今日っていい夫婦の日じゃん、芸能人だれか結婚発表するかな〜!」と口にしながら(まって、いい夫婦の日って11月じゃない……?)と気づいたときの恥ずかしさといったらもう…… ・という事故から1年が経ちました。あのとき、マジボケであることにかなり戸惑いながらも「にゃ〜(いい)夫婦の日だし、合ってるよ」とフォローしてくれた友人が今でも仲良くしてくれていることには感謝しかありません。 ・こうしたガチバカエピソードを死ぬほど抱えているにもかかわらず、口数が少

          2/22(木)の日記

          1/25(木)の日記

          今日が最後の対面授業だったので、はじめて登校した2年生の春とおなじ曲を聴きながら電車に乗った。aikoの声がイヤホンから流れてくる。 はじめてキャンパスで授業を受けたあの日から今日までのあいだに、変わったことと変わらないことがある。たとえばあの日、正門の前で待ち合わせをして一緒にラーメンを食べに行ったあの子とは、相手の誕生日にメッセージを送ることも躊躇われるほど疎遠になってしまった。感染防止のために置かれたパーテーションの向こうから、ぜんふ食べきれる?と不安そうに私のほうを見

          1/25(木)の日記

          12/13(水)の日記 - 卒論を書き終えて

          家から病院までの近道となる細い路地を、ゴミに集った4羽ほどのカラスが塞いでいた。私は慌てて自転車のハンドルを来た方向へと切り替え、べつの路地へと迂回した。病院に到着したのは予約時間の3分後だった。 締切を30時間後に控えた今朝、ようやく卒業論文の主たる部分を書き終えた。とはいえ、序章や出典リストは未だ手つかずの状態のため、今夜は眠れそうにない。それほど追い込まれていることも知らず、3ヶ月前のじぶんが今日この日に診察の予約を入れてしまったこともまた、私という人間をよく表してい

          12/13(水)の日記 - 卒論を書き終えて

          11/12(日)の日記

          生まれてくる側に意思なんてひとつもなくて、子どもを産むってことは完全に命をつくった人間たちの都合でしかないのに、どうして「女に生まれたからには出産は経験したい」とかそういうことをあたりまえに言えるんだろうって話、川上未映子のエッセイとか『乳と卵』を読んだとき、こんなにも"ある一点"を目掛けて確実に突き刺すような文章があるんだって思った。 わたしたちの誰も、生まれたいと思って生まれてきたわけではなくて、それは間違いなくそうで、そんなこと言ったらオカンがかなしいから口には出さない

          11/12(日)の日記