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2/29(木)の日記

・訳あって、滅多に足を踏み入れることのない街・代々木上原にあるお店でランチをした。埼玉県民は池袋より"下"に行くことがむずかしい。

・少し早めに家を出て、新宿から南新宿までの一駅分を散歩してみた。代々木駅の周辺にはごはん屋さんがいくつも並んでいて、どれも美味しそうなお店ばかりだった。しかし現実問題として、一日に食べられる食事の回数にも、そこに充てられるお金にも限りがある。どう考えても、私が健康に生きて好きなものを好きなように飲み食いできるうちに、気になるお店のすべてを訪れることはできないということだ。そう考えたら、てきとうなもの(と言ったら失礼だけど、)に割く時間もお金も胃も、私には1ミリも残されていないのだと改めて感じた。北海道でも沖縄でも大宮でも横浜でも代々木でも鳥取でも島根でもマックのポテトは食べられる(し、マックのポテトはたまに食べたらめちゃくちゃ美味しい)けれど、残りの人生で口にできる貴重な食事のうち一回を消費するのなら私は、その土地でしか食べられないごはんや、そのお店でしか味わえない気持ちを、もっともっともっとたくさん知りたい。私の持つ限られた時間とお金と胃は"そこでしか触れられないもの"に費やしたいと思った。

・いや、マックのポテトを食べることでやっと心が持ち堪えるような、そんな日もある。もちろんある。

・最近の私といえば、お弁当箱を新調すべく、気を病むほど熱心に好みのものを探している。今日の昼食後も、かわいい雑貨屋さんから近所の百均まで隈なくチェックし、アマゾンも楽天もヤフーショッピングもZOZOタウンも三好製作所のオンラインショップも暇さえあれば覗いている。おかげでChromeの検索履歴は「お弁当箱」「ランチボックス」「弁当箱 600ml」「ランチボックス 一段」といった具合に見事に弁当で埋め尽くされている。弁当弁当弁当弁当弁当弁当。どうしてこれほど自分好みのデザインかつ希望のサイズのお弁当箱に巡り会えないのだろう、世の中には数えきれないほど沢山のお弁当箱が溢れているというのに。

・という感じで勝手に自分を追い詰めながら理想のお弁当箱を探している。これってもしかして、いずれ「これだッ!!!!!!!!」っていうお弁当箱を見つけられたとして、買って手元に届いたとして、もし私がそのお弁当箱を使っているところを見た人が「それかわいいね〜どこで買ったの?」とか訊いてきたとしたら、私がこうして若干(かなり)心をすり減らしながら弁当箱を探し求めているこの時間って「●●だよ〜」と答えるそのたった0.7秒に凝縮されて呆気なく消えていくのかな……

・と考えてさらに気を病みそうになったけれど、冷静に考えて「それかわいいね〜どこで買ったの?」と訊いてくれるほど私の存在を気に留める人間などこの世にひとりもいない。

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