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怪我との向き合いかた

みなさんは、サッカーに関わっていく中で、もしくはスポーツに関わっていく中で、怪我をされたことは一度はあると思います。

では、「自分が怪我をしてしまったとき」「子ども」あるいは「自分の選手が怪我をしてしまったとき」どのような行動をしますか?

選手が怪我をしたとき、私は「サッカー選手」という自分のタグのようなものが外れて、サッカー選手ではなく、一般人になる。
といつも捉えています。

別に捉え方、考え方は人それぞれなので、この捉え方をするよう、強要しているわけではないので、ご安心ください。
みなさんなりの捉え方でいいと思いますよ。

もちろん怪我にも多くの種類があり、1週間以内に復帰できるケースや半年以上かかる怪我まで、さまざまです。
チーム内の立ち位置によっても、サッカーに対する熱量によっても、怪我をしたときに感じるものは、人それぞれ違ってきます。
でも、どんな期間であっても、どんな立場であっても、怪我をしてしまったことは事実であり、サッカー選手というタグは一度外れるものです。

では、サッカー選手が選手でなくなったときに、
・何を考えるのか
・何をするのか

これが、私は復帰した時の選手の価値に大きく影響すると思います。
ここにすべてが詰まっているものだと考えます。

「私も経験しました」

前回の記事を読んでいただいた方。
お待たせしました。
なぜ私があんなことを言い出したのか。ここに全てが詰まっています。

私も、高校生の時、前十字靭帯(以下ACL)を損傷して、そこから復帰まで約2年かかりました。
普通なら、8か月頃の復帰が目安ですよね。人生で1度しか来ない「高校」という期間を半分以上の時間を選手ではなく、一般人として過ごしたのです。

でも、その「普通なら○○」というワードが私自身の復帰に大きな悪影響を与えていたものと感じています。
私のACL損傷が発覚したのは、受傷から3か月後。
膝を怪我して病院へ行き、MRIを撮った結果、「内側側副靭帯(MCL)損傷」と診断されました。

「復帰までは2~3か月です」

長い。そんなにかかるのか。落ち込む私。昔から怪我が多かった私ですが、1番長いリハビリ期間の幕開けでした。
しかし、なぜか、1か月経っても、2か月経っても、私の膝は一向に良くならないのです。
なんか膝がぐらぐらするな、しゃがめないな、サッカーできる気がしない。

そして迎えた3か月目、主治医から膝の専門医に一度診てもらうことを提案され、紹介状を書いていただきました。

MRIと紹介状を持ち、膝の専門医の方のもとへ行き、診断された結果が
「前十字靭帯損傷」

サッカーを続けるには手術を勧めます。と一言。
想像もしなかった診断と、何か月も状態が変わらないことに対しての疑問を抱くも行動ができなかった悔しさ、情けなさ、そして、これから!!というタイミングでの長期離脱、なんで今なんだ、一体今までの期間はなんだったんだろう、、そんな感情が私に襲い掛かってきました。

そこから、復帰に向かうにあたり、「普通は」という人々の価値観に振り回され、何度も自分の情けなさを感じ、自己嫌悪に陥っていきました。

「普通は、1週間後に退院」
「普通は、今の時期ジョグを開始する時期」
「普通は、もう対人練習に入っている時期」
「普通は、8か月でゲーム復帰」

わたしはどれも、目安とする時期に順調にたどり着くことができなかった。

それは私自身が”常識”に囚われ過ぎて、自分自身の進むべき方向へ進めなかったことが大きな問題でした。
実際に起こっていることはマニュアルと違うのに、それを受け入れられない自分と、焦りによるものでした、、、

といった感じでまだ私のストーリーには、続きがあります。
でも、あまりにも長くなりそうで、今後もまだ話すタイミングがあると思うので、今回はこれくらいにしておきます。

では、選手というタグを外した瞬間、一体何をすべきなのでしょうか?

私たち(選手自身)は、それぞれ1本のレールの上に乗っています。そのレールの先には、私(選手)の目標があります。
怪我をして、選手というタグを外した私たちは、「普通は○○」という常識にとらわれたレールの上に乗って復帰することが果たして本当の正解なのでしょうか?
「こうでなくてはいけない」、「これをしなくてはいけない」といった、他人の作ったレールの上に乗り進んでいても、自分が選手というタグを再びつけたときに、本当に自分の目標に値する選手になれているのでしょうか?

私はYesと言えないと考えます。

これは怪我だけでなく、何かに向かって頑張る選手、試合に出られない時期に思い悩む選手にも同じようなことが言えます。

「あの人みたいに自分はこれができないから・・」
他人と比べて、その人に勝てるように、そう思ってそのライバルと同じレールの上に乗っていても、あなたの目標には到底届きません。
そのライバルを超えたところで、本当にあなたの見たい景色がみえるのでしょうか?

みなさんが乗るべきレールは、自分自身のレールであって、その先には揺るぎない自分の目標があるべきだと思います。
想像してみてください。
自分の目標を達成する瞬間を。
そこに他人のレールは存在しません。

自分自身との戦いです。

だから、途中でうまくいかないことだって、思いもよらない怪我であっても、起こったことに変わりはありません。
そんな状況でだからこそ、何をすべきなのか考え、行動をし続けることが最も大切です。

今のあなたの思考、そして行動は、
これからのあなたを創り上げていくものです。
自分で自分のレールを作り、目標へと向かっていくのです。

だから、選手と関わっていく大人たちも、他人や他チームと比べるのではなく、そして、普通はこういうものだ。と押し付けるのではなく、選手それぞれのレールがあることを理解しておく必要があります。
しかし、そのレールから明らかに外れてる、もしくは自分のレールを創れない状況に陥る選手も出てくると思います。
そうなったときに私たち大人の出番です。

選手を自分のレールに戻してあげる、選手をその場所まで導いてあげる。それが私たち指導者(大人)が怪我をした選手に対して関わるべき領域であると私は思います。

物事は捉え方次第であると思います。
選手というタグを外した時期に起こした行動は、復帰して選手として戻ったときに必ず還元されます。
他人に怪我でサッカーができないことへの同情を求めるのではなく、思い通りに進まない現実にイライラするのではなく、見るべきものは、選手として復帰したその先の自分です。

常識にとらわれることなく、決して怪我をしたことに悲観的にならず、どんなことが起こっても、あなたがいる場所は、あなたのレール上です。
怪我をしてもあなたがここまで創り上げてきたものは決して消えることはありません。そして、0からのスタートになるわけでもありません。今もこれからも、進むべき道は、あなただけの道です。
どんなに寄り道をしても、あなたの行動次第で、考え方次第で、結局たどり着く場所は変わりません。

今の自分の行動が未来の自分を創っていくと思うと、ワクワクしますよね。
怪我で離脱した期間が、選手として、人として大きく成長できる、アスリートにとっての醍醐味ですよ。
あなたの人生は自分自身が創っていくもの。
医者でもPTでも親でもありません。

全ては自分次第。

まさにこの言葉に尽きります。



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