博多ゲイバーはじめて物語

九州に、初めてゲイバー文化の種を蒔いた人。だれからも慕われ、50年もの間お店を続けた人…

博多ゲイバーはじめて物語

九州に、初めてゲイバー文化の種を蒔いた人。だれからも慕われ、50年もの間お店を続けた人。それが、「8番館のおかあさん」。お店は閉店したけれど、博多にもたらされ花開いたゲイバー文化は今も息づき、たくさんの人の止まり木になっています。居場所をつくってくれたおかあさんを忘れないために。

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Introduction-1 8番館を、憶えていますか。博多のゲイバーの歴史は、ここから始まった。

皆さんは、1965年に開店し、2014年に惜しまれながら半世紀の歴史を閉じた、博多区住吉の「8番館」というお店をご存じでしょうか。当時ゲイバーなど一軒もなかった博多区祇園町に、九州初のゲイバーとしてオープンし、二度移転しながら博多のゲイバー文化を開拓し引っ張ってきた、伝説のお店です。 そのオーナーである橋本さんは、元スタッフや当時のお客さんから「おかあさん」と呼ばれ、8番館なき後、今なお愛され続けています。 祇園町時代は祇園町に、8番館を追うようにして多くのゲイバーがオー

    • 今年もよろしくお願いします

      2024年、春節 今年もすでに一月半経ってしまいましたが、春節ということで(苦笑)今年もよろしくお願いします。 いつも面会に行かれてるサンちゃんからまたおかあさんの近影を送っていただいたのでご紹介します。 サンちゃんいつもありがとうございます。 引き続き、昔の8番館のこと、福岡のゲイタウンの古い話、いま語り継いでおかなければ忘れ去られるだろう話など取材に協力いただける方を募集しています。 こちらまでよろしくお願いします。 ayakuro.okasan@gmail.com

      • 10月5日はおかあさん89歳の誕生日

        3chさんから画像をいただきました 久しぶりにおかあさんの面会に行かれた3chさんから最新の画像をいただきました。 以下は3chさんのmixi日記からの引用です。 博多のレジェンドバー8番館でいつもみんなを温かく迎えてくれたお母さん。 今はホームで元気に余生を楽しんでて、もうすぐ89歳の誕生日。 コロナとインフルエンザのせいで面会も事前予約で週に一人に限られ、20分制限、ロビーでパーティションを挟んでなので耳が遠くなっているお母さんとはホワイトボードでの会話。 い

        • 暑中お見舞い申し上げます

          おかあさん近影です 先日おかあさんのパートナーのコウさんとご友人の3chさんが施設の面会に行かれた時の画像をいただきました。 ゴールデンウィーク後、部屋で面会できるようになったものの、昨今のコロナ増加でまたロビーでアクリル板ごしの面会になってしまったそうです。 引き続き、昔の8番館のこと、福岡のゲイタウンの古い話、いま語り継いでおかなければ忘れ去られるだろう話など取材に協力いただける方を募集しています。 こちらまでよろしくお願いします。 ayakuro.okasan@g

        • 固定された記事

        Introduction-1 8番館を、憶えていますか。博多のゲイバーの歴史は、ここから始まった。

          お久しぶりです

          おかあさんの近影です 桜の季節も終わり日に日に暖かくなってきましたがみなさんお変わりありませんか? 更新が滞って申し訳ありません。 先日3cnさんがおかあさんの面会に行かれた時の画像をいただきました。 ホームから出られなくて寝てばかりだそうですが、お元気にされているそうです。 引き続き、昔の8番館のこと、福岡のゲイタウンの古い話、いま語り継いでおかなければ忘れ去られるだろう話など取材に協力いただける方を募集しています。 こちらまでよろしくお願いします。 ayakuro.

          おかあさんが米寿を迎えられました

          このnoteで以前取材に応えてくれたおかあさんのパートナーコウさんとサンちゃんが先日おかあさんが入所する施設に面会に行かれたので近影をいただきました。 先月10月5日で88歳、元気に米寿を迎えられました。 おめでとうございます。 8番館やおかあさんにまつわるエピソードは引き続き募集しています。 また福岡のゲイタウンの古い話、いま語り継いでおかなければ忘れ去られるだろう話も、大募集いたします。 文章が苦手な方はこちらから取材に伺うことも可能ですのでお気軽にご連絡ください。

          おかあさんが米寿を迎えられました

          住吉の歴史

          このブログを進めていくにあたり、8番館の物語のみならず、福岡のゲイタウンの成り立ちを追っていければ……という話は前回書きました。 そうして住吉の町の歴史を調べていたところ、とても詳しい動画を発見しました。 1963年生まれで子供の頃から住吉に住んでいたプロデューサーのクロさんの目には、懐かしい思いを掻き立てられる部分、逆に「そうだったのか! まったく知らなかった!」という部分もあり、興味深かったそうです。 皆さまにも共有させていただきますので、ぜひご覧くださいませ。

          みんなで語り継ごう。8番館のこと、博多のゲイカルチャーのこと。

          このnoteのディレクション担当のクロです。 3ヶ月にわたり毎週火曜日にお届けしてきました「博多ゲイバーはじめて物語」は今回はちょっとお休み。 今後はちょっとペースを落としつつ取材を進め、一本ずつ形になり次第、不定期更新していけたらと考えています。 そもそもこのブログは、2012年に取材してお蔵入りになっていた8番館のおかあさんのインタビューを、一人でも多くの方に読んでいただきたい!という思いからスタートしました。 連載第3回目にそれを掲載した時点で当初の目的は果たせてい

          みんなで語り継ごう。8番館のこと、博多のゲイカルチャーのこと。

          Chapter-7 ヒロマサさんの想い出「僕のメンター、人生のガイドです」

          今回、8番館とおかあさんのすてきな思い出を共有してくださるのは、ヒロマサさん。 毎週末のように通う常連さんだったヒロマサさんは、閉店後もおかあさんと交流を続けていらっしゃるそうです。 有名店だった8番館に、遅めのデビュー。 僕が8番に通うようになったのは、2001年だったと思います。老舗の有名店ということは知っていましたが、デブ専で太めの人が行くお店という噂があったので、体の大きくない自分は、それまで遠慮していたんです。 でも、20年以上の友人が連れて行ってくれたのをきっ

          Chapter-7 ヒロマサさんの想い出「僕のメンター、人生のガイドです」

          Chapter-6 さとゐもさんの想い出 「おかあさんの言葉が、何度も背中を押してくれた」

          おかあさんにまつわる思い出を教えてください、との呼びかけに応えて、一人の元常連さんが大変な力作をお寄せくださいました。 ちょっとしたエピソードが集まれば良いな、と思っていた編集部は、その想いの熱さと内容の濃さに、小躍りして喜びました。 この方は現在30歳とまだお若く、閉店間際の8番館に通われたようです。 ご記憶に新しい方もいらっしゃるかも知れません。この想い出物語をお読みになって、もし思い出したことがおありの方は、どうか教えてください。 ゲイバーがしんどかった僕に、紹介さ

          Chapter-6 さとゐもさんの想い出 「おかあさんの言葉が、何度も背中を押してくれた」

          Chapter-5 サンちゃんインタビュー 祇園時代から、今もずっと交流しています。

          半世紀に渡る8番館の歴史を、かなりの初期から見続けて来られた古い常連さんであるサンちゃんにお会いすることができました。 1950年生まれ。ご自宅がおかあさんのマンションと最初に入所なさっていたホームの近所で、コロナ禍前まではよくお見舞いにも通われていたそうです。 登録した家族以外面会ができなくなっている今も、登録している恋人のコウさんに合流して、お顔を見にいらっしゃることもあるほど、密な交流を続けていらっしゃいます。 サンちゃんprofile:福岡県在住。20代の頃から

          Chapter-5 サンちゃんインタビュー 祇園時代から、今もずっと交流しています。

          Chapter-4② キミちゃんインタビュー後編 「福岡に永く住むきっかけは、思えば8番館だった」

          <キミちゃんインタビューの前編はコチラ> 失恋の傷心で福岡移住。 アルバイトから店長へ。 ―卒業後はすぐに福岡へ? 「一度は地元で、とあるルート営業の有限会社に就職したんですが、当時の彼氏との不安定な時期に、福岡のリンダさんから『福岡に、いい店舗物件が見つかったわよー』という悪魔のお誘いがあったんです。 元カレのいるこの街にいるのはつらいなぁ、と思っていたところだったので、その気持ちで地元に留まるよりもという思いで福岡に来ちゃいました。25歳になっていたかな。 1

          Chapter-4② キミちゃんインタビュー後編 「福岡に永く住むきっかけは、思えば8番館だった」

          Chapter-4① キミちゃんインタビュー「人生初のゲイバーが8番館。おかあさんは、菩薩のような方です。」

          8番館の永きに渡る常連であり、今は住吉でも老舗となったゲイバー・FORWARDのオーナーでもあるキミちゃんのお話を聞かせていただきました。 おかあさん愛に満ちたお話はもちろん、住吉のゲイタウンを盛り上げた人々の思い出話も興味深く、軽快な話しぶりに時を忘れて大笑い。FORWARDに通える方が、とても羨ましくなりました。 長崎からの、ゲイデビュー。 童顔隠して、スーツ着て。 ―8番館に初めていらっしゃったのは、いつですか? 「18歳の頃でした。生まれて初めて連れて行かれ

          Chapter-4① キミちゃんインタビュー「人生初のゲイバーが8番館。おかあさんは、菩薩のような方です。」

          今週の更新はお休みします

          連載スタートから7週連続で火曜日に更新を続けてきましたが、楽しんでいただけてますか? 今週はお盆の週ということで一回夏休みをいただきます。 そして引き続き皆さんの8番館の思い出エピソードを募集しています。 コメント欄に記入していただいても、下記までメールでお寄せいただいてもOKです。 ayakuro.okasan@gmail.com ブログで公開できる範囲のエピソードをお願いします(笑) お待ちしています。 それではみなさまコロナに、夏バテに、熱中症にお気をつけてお過

          今週の更新はお休みします

          8番館・おかあさんエピソードを募集します!

          皆さんのご記憶にある、8番館やおかあさんの思い出を教えていただけませんか? お店でのお話でも、外でのお話でも、小さなことでも構いません。ご記憶が曖昧でも結構です。 匿名ご希望ならお名前は伏せますし、逆にご提供いただけるお写真などあれば大歓迎です。 こんな思い出、いただきました。 こちらは、読者の皆さまからコメント欄やメッセージでいただいた、おかあさんエピソードです。 いつだったかなあ。お店を閉められた後だったかと。住吉郵便局前の信号待ちで停まってたバスにふと目をやると

          8番館・おかあさんエピソードを募集します!

          Chapter-3 ウメ子さんインタビュー「おかあさん」は、本当にお母さん。まとっている空気がかわいい。

          一時期、ママとして8番館を任されていたウメ子さんに、インタビューをさせていただくことができました。18歳のころから30歳を過ぎるころまで8番館に勤めていた方です。 現在は51歳。地元・宮崎の日向でお酒を出すお店を営んでいるそうです。当時のおかあさんとお店の様子、お店で借金を作って逃げたとされる経緯など、今だから話せることを、詳しく語ってくださいました。 行ったら必ず楽しいことがある、 すべてのお客さんに出逢いを提供する店。 ―ウメ子さんが8番館にお勤めになったきっかけ

          Chapter-3 ウメ子さんインタビュー「おかあさん」は、本当にお母さん。まとっている空気がかわいい。