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【書評エッセイ】我々は何周遅れだ!?

今回は今更ご紹介するのは恥ずかしいほど「ど真ん中」なこの本をご紹介。

冒頭からいきなりガツンとやられる。

「ネットフリックス・カルチャー・デック」と呼ばれる127枚のスライドの一枚にはこう書いてある。

ほかの会社と違って
われわれは
並の成果には十分な退職金を払う

意味が分からなかった人は、もう一度ゆっくり読んでみてほしい。

「並の成果しか上げられない人には、十分な退職金を払ってやめていただく」

ということだ。

Netflixでは社員にヘッドハンターに会うことを奨励している。

なぜか?

例えば年棒20万ドルのNetflix社員であるあなたに対して、G社が27万ドル、A社が30万ドル、F社が28万ドルの年棒であなたを引き抜こうとしていると知ることができれば、Netflixはあなたの市場価値を見誤っていた事を認識でき、あなたの年棒を30万ドルに修正できるからだ。

Netflixはあなたに世界最高の給料を提供したいのだ!

休暇、出張経費に関わる規定もない。

もちろんベースには「自由と責任」(彼らはF&Rと呼んでいる)の考え方が徹底されている。

マネージャーはいつも「キーパーテスト」と呼ばれる質問を自分に投げかける。

チームのメンバーが明日退社すると言ってきたら、 あなたは慰留するだろうか。 それとも少しほっとした気分で退社を受け入れるだろうか。 後者ならば、いますぐ退職金を与え、 本気で慰留するようなスタープレーヤーを探そう。

しかし、一部他社が採用しているような業績最下位の人をクビにするというような相対評価ではない。

ここまで読んで「社員はビクビクしながら仕事しているんだろうな」と心配されている方もいるだろう。

しかし、この本を読む限りでは、そんな感じは全くない。

寧ろ、世界の頂点に立つ最強のスポーツチームのような、正々堂々とした能力勝負の爽やかなイメージだ。

そうでなければ、今のNetflixの快進撃は生まれていないだろう。

Netflixの会社運営が最高だと言いたいのではないが、相当先を行っていると言えるのではないだろうか?

少なくとも圧倒的な成果を上げているのは間違いない。

(世界中でみんながNetflixを楽しんでいる)

読み終わって、ふと考えた。

ところで、我々は何周遅れだ!?


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