恵まれていたことが見える時

『あぁ、私は恵まれていたんだな』と
愚かな私は
大切な人を失って初めて
気がつく人生を生きています。

オランダに住むOma(祖母)が亡くなり
先日、カードが送られてきました。

Omaの写真と
子どもたちや、そのまた子どもたちの名前の中に
オランダ姓の彼と
その妻として私の名前がありました。

私は愚かで
そんな人生を生きている事実に
『それでも良いんだよ』と
私を甘やかして
見守ってくれる人たちに
ありがとうと呟くしか出来ないけれど
情け無いなんか微塵も思わなくて
『私が私で良かった』なんて
やっぱり愚かな着地点に
私は居ます。

鉛筆を削ると
羽根がたくさん出来るんだなぁと
少し前に気が付きました。

削りカスが羽根に見えると
机や床に時々落ちていても
息子に対して
『こらー！』って気持ちが湧かなくなりました。
それに以前ならゴミでしか無かった削りカスが
可愛くさえ見える日々になりました。

障害者福祉に携わる様になり
『知らない』ことが恥で無いと思う様になりました。
変に世界を歩いたせいか
物事をたくさん知っている感覚でしたが
私の知る世界はほんの一部でしかありません。

『知らない』ことが多いのは
恥で無く
これから知る楽しみが多いと私は思います。

アップデートが苦痛と感じることが無く
鉛筆の削りカスを愛でる私は恵まれています。

着地点の私は愚かでも
温かい手を感じる事は出来る。

人はとても繊細で
1人でツッパって生きていたくでも
心底では1人でも多くの人と交わっていたい
赤信号が続けばイライラするし
自分の行いが何か神様の気に触ったのかと
不安にさえなる
本当に勝手な生き物だと思います。
誰かに迷惑を常に掛けながら生きている。

それでも人である事が愛おしいと思います。

常に『右ならえ』しなくても
気まぐれに、ふらっと立ち寄っても
いつもの様に声を掛けてくれる
いつもの笑顔で迎えてくれる
そんな人が居ると言う事実が
私の今日という日を幸せにしてくれます。

今日の私は30点です。
それでも私は人生を楽しめています。

時にその視点は蟻であり
時にその視点は燕である。
そんな人たちに感化される事が
この上なく幸せにしてくれています。

誰かが悲しんでいたら
喜んで私は道化になろう。
私は表現することが好きなのだから。

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