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#03 英語で何を伝えたいのか、ということ。

現在休業中の外国人向け料理教室ですが、開業に至るまでのストーリーについても紹介していきたいと思います。今回はイギリス語学学校で経験した料理教室をはじめたきっかけのひとつの話。

前回の記事はこちら。

前回の記事では、夫の駐在帯同で引っ越す予定だったデンマークのデザイン学校の授業を英語で受けるため、イギリスの語学学校に通い始めたことを書きました。

英語学習へのモチベーションと葛藤

駐在帯同予定のデンマークは英語ネイティブの国ではないので、英語力を上げるにはイギリスに住む2ヶ月間が貴重なチャンスです。

社会人になってから英語学習を避けてきたわたしが、とりあえず2ヶ月は英語漬けで頑張ろうと決意。

夫と日本語で会話する以外の時間はほぼ語学学校でできた外国人の友達と過ごし、日本語のニュースやwebサイトなども必要最低限しか見ないようにしていました。

また、わたしが通っていた語学学校は日本人がとても少なく、全校で100人以上生徒がいる中、日本人はわたしを含めてたった3人。それぞれ違うクラスだったので、日本語で話す機会は必然的に少なくなりました。


1ヶ月が経過し、最初は先生が何を言っているのかすらわからなかった授業も聞き取れる内容が増えてきて、自分から積極的に発言しようという姿勢も身についてきました。

少しずつではあるけれどスムーズに出てくる英語のフレーズが増えてくるのは感じられましたが、わたしにはリミットと到達すべき目標があります。

残り1ヶ月でデンマークのデザイン学校が求める中級以上の英語力まで引き上げられるのか?と不安な日々。


その反面、語学学校に通う生活にも慣れて、毎日緊張していた最初の頃ほどの緊張感はなくなり、英語学習へのモチベーションも下がってきました。

そして、最初からいきなりストイックにしすぎた反動がここで。


英語勉強するの辞めたいな〜

英語勉強するより、日本で仕事してる方が楽しかった…

同年代の友達と日本語で話したいし、日本食もお風呂も恋しい…

イギリスでの生活疲れた…日本に戻りたい…


慣れない海外生活、英語で日本語のように話したいことを自由に話せないのは、かなりのストレスになっていました。


でも語学学校だって無料じゃないし、デザイン学校にはすでに申し込んで授業料も払ってしまった。

英語が上達しなくても、デザイン学校に行くのをやめても、イギリス以上に語学のハードルが高いデンマークで生活するという事実は変わりません。それなら英語はやっぱりできた方がいい。


好きな料理でモチベーションを取り戻す

モチベーションを取り戻すためにも、この閉塞感からなんとか抜けださねばと、思いついたのは日本食パーティー

幸い語学学校でできた友達は日本食好きな人が多く、仕事でもある好きな料理をすれば、気持ちもリフレッシュできるかなと思ったのです。

日本食パーティーをしようと思うけど来てくれない?と、何人か誘ってみると、行きたい!とさらに別の友達を誘って来てくれることに。結局集まることになったのは十数名。


イギリスで手に入る日本の食材には限りがあるので、他の日本人留学生と相談して、ちらし寿司、焼き鳥、トンカツ、肉じゃが、焼うどん、枝豆を出すことに。

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握り寿司や巻き寿司は知っていても、ちらし寿司は初めてという人がほとんどでしたが、意外と気に入ってもらえたみたいです。

トンカツや焼き鳥は一瞬でなくなり、あっという間に全部完食!

すごく喜んでもらえてイギリスに来てはじめて感じた達成感!!


日本食の話をきっかけに他のいろんな日本文化の話をしたり、今度は自分の国の料理を作るよ、と約束してくれたり、普段違うクラスでほとんど話したことがない人が美味しいと言ってくたり。

料理がきっかけで国籍問わず友達の輪が広がった瞬間でした。


普段はひとまわりも年下の友達と何を話そうと探り探りで話題を探していたのが、料理のことだと不思議と何も考えずに楽しく話せます。

英語は今よりずっと下手でしたが、箸の持ち方や料理の食べ方、普段食べている日本食についてなど、当時の英語力でできる限り説明。

もっと英語が上手に話せたらわかりやすく説明できるのになぁ〜〜〜

と歯痒い気持ちだったけど、逆にこれがきっかけで消えかけていたモチベーションが再び点火しました。


英語で何を伝えたいのか

わたしが当時悩んでいたのは英語がなかなか上達しないということだけでなく

上達させるためになるべくたくさん話さなければいけないという意識はあるけど、英語で何を話せばいいのかわからなくなってきた

ということ。


語学学校の友達とは最初はお互い何も知らない状態なので、自己紹介やお互いの国の話をしたりしてある程度会話は続きます。

でも一通り話してしまったあとは、普通の友達と同じ。気が合えば一緒にいても会話は尽きないし、気が合わない人とはそれっきり。

さらにわたしは、日本ではプライベートでも仕事でも同年代〜年上の人としか付き合いがなかったので、いきなりひとまわりも年下の外国人の大学生と何を話せばいいんだろう、という戸惑いもありました。


でも日本食パーティーを通して、英語は所詮コミュニケーションのツールでしかなく

やみくもに話す機会を持つだけでなく、英語を使って何をしたいのか、何を伝えたいのかが大事なんだと気づきました。

そして、それがなにより上達へのモチベーションになるのだと。


英語で海外に向けてもっと日本食について広めたい。


このとき微かに芽生えた気持ち。

まさかこのあと自分が外国人向け料理教室をやるなんて思いもしませんでしたが、この経験がその後の海外生活にも影響を与えてゆきます。


〜つづく〜


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