表札が経年変化したので、見てやってください
真鍮製の表札が経年変化するところを見ていこうということで、前回の続きです。
前回の記事「ポストにシールじゃ寂しいから、ちゃんと表札をつくった」では、できたての表札と、3ヶ月後の少し変色した様子について書きました。
できたての表札と、
3ヶ月後の表札。
❶ やっちまったものはしょうがない
今回は、そろそろ違う表情にしてみようかなということで、手で揉み込んでみることに。
僕は金属をすぐに錆びさせてしまう、いわゆる「錆び手」の持ち主。
特殊能力みたいで最近は気に入ってますが、特に夏場は気をつけないとちょっと触れただけで数分後には指紋跡が付いたり、変色したりしてしまいます。
※ちなみに真鍮や銅の場合は、鉄みたいに錆びて朽ちてしまうことはなく、表面が変色しながら保護膜ができていくので、むしろ守られている状態です。
早速、表札を取り外してスコッチで簡単に磨き、保護膜を取り除いていきます。
(表札は磁石での取り付けなので、お手入れ時にはやはり便利ですね。)
スコッチは、台所用スポンジの固い方の面(ナイロン不織布)でOK。優しく磨いていきます。
磨く前と、
磨いた後。
きれいになっ…あれ…文字の赤みが…取れた…
文字の凹凸は変わらず残っていて、表面のざらっとした赤みだけが薄くなった状態。
雨の当たり方や温湿度などが作用したのか、はたまた磨くのに集中しすぎて知らず知らずのうちに強く磨き過ぎてしまったのか。
やばい。
どうやったら赤みが戻るんだろう…文字のところだけ何か塗ればとか、バーナーで炙ってみるとか、しばらくあれやこれや考えてみますが、やっぱりお手上げです。
もうこうなったら中途半端な赤みは取っちゃおう!
過去は振り返らない!
ということで、さらにスコッチで磨いて、綺麗に赤みを取り除きました。
なんだか散髪に失敗して丸坊主にしてしまえーみたいな流れでしたが、これはこれでスッキリしてて好きです。というか、安心しました。
❷ 祈るように、手揉みする
さてさて、ここからが本題です。
本来やりたかったこと、手でベタベタ触っていく工程。
手で揉み込む方法については、以前別の記事「Q4.真鍮を手で揉み込んで表情をつくってみる」で書いたのでそちらを参考にしてください。
全体的に黄色みが強くなって、ちょっとマットな感じに。
さてさて、どんな風に変色していくか、乞うご期待。
❸ 月みたいな表札を目指して
それから1ヶ月ほど経ちました。
全体的に黄色みがグッと沈み込んでマットに、うっすらまだら模様も見て取れます。
特に真ん中より少し左下に、緑色っぽい点が出たのが個人的なツボ。
アンティーク感が出てるのでこのままでもいいような気もしますが、光の当たり方によってはちょっと視認性が悪いかも…
ということで、文字部分を中心に、今度こそ本当に優しくスコッチで研磨してみました。
うん、めちゃくちゃいい!
アンティーク感はキープしつつ、視認性もバッチリです。
僕にとって経年変化はいかにムラを表現できるかが重要なので、手入れしながら自分の好きな具合を探していくのは楽しいですね。
途中、文字の色が変わってしまったときは正直ショックというか、どうしようかとかなり焦りましたが、いい感じのところに転んで行ってくれました。
この「空気と反応する表札」は、設置する場所や環境、手入れの仕方や程度によって本当にさまざまな表情に仕上げることができます。
なので、今回の僕みたいに、ちょっと今の状態は好きじゃないかもとなっても、まだまだ大丈夫です。(こんなとき、どうしたらいいのというご相談にも乗りますので、そんなときはぜひご連絡ください)
❹ 人でもモノでも、良い距離感が分かれば安心ですね
つくる前は、どれくらいの頻度で手入れをすることになるのかなと思っていたのですが、僕の場合は数ヶ月〜半年に一回くらいのペースで手入れして、それ以外は放置です。
庇の下に設置しているので、1日で劇的に変化するわけでもないですしね。
それでも家を出るときはついつい腕組みしながら眺めちゃう、そういう付き合い方で落ち着きました。
報告、以上です。
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