【日常・カップル】泣いてしまいました(927文字)
「はい、私の勝ち」
謎の言語が飛び交う店内で、
わかりやすい日本語が俺を斬り捨てた。
「無理せず瑜伽にすればよかったんじゃない?」
「前回瑜伽で余裕だったんだよ…だから呻吟にしたのに…」
瑜伽、呻吟というのはこの店の辛さのレベルのことで、
それぞれ二辛、三辛を指している。
「約束守ってもらうからね」
「仕方ない」
「仕方ない?」
「失礼いたしました。謹んで努めさせていただきます」
「よろしい」
彼女は少しゆっくりなくらいの速度で手を動かし、
食事を続ける。
目の前の料