はにこ

埴輪情報サイト『埴輪のとなり(http://hanitona.web.fc2.com)…

はにこ

埴輪情報サイト『埴輪のとなり(http://hanitona.web.fc2.com)』管理者。『埴輪には底がない』著者。noteには「埴輪などなど目撃談」やこぼれ話やメモを書いていこうと思います。埴輪紹介所もはじめました。

マガジン

  • 埴輪紹介所

    はにこが出会った埴輪たち。埴輪との出会いの衝撃をあなたにも。これはと思う埴輪がいたら、会いに行ってみて。埴輪のいる人生が始まります。

  • 埴輪ネーミング問題

    名前は重要。埴輪に関する事物の名前がいまいちなんて耐えられない、変えたい!

  • 熱望展覧会

    埴子が見たい展覧会の妄想をメモ。

  • 埴輪などなど目撃談

    かがんで 時には 膝をついて 探して 見つける この喜び… 衝撃をくれるものたちの前で呼吸してきた記録です。

  • はにこの読書感想文

    すべての本は埴輪につながる。

最近の記事

  • 固定された記事

埴輪には、埴輪にしかない何かがある【はにこの埴輪活動】20200501追記・修正

はにこです。はにことは? 埴輪に目覚めて十数年、埴輪の力を知らしめたい埴輪活動家。 埴輪活動とは? まず、埴輪を見に行くこと。 それは衝撃をくれるものたちの前で呼吸することです。 プロフィール画像(と、この記事の画像)は自作の埴輪です。100体ほど作った埴輪(一部をcreemaで販売中)のなかで、どうもこれがはにこっぽいので使っています。 埴輪時代の出土品には追いつかないところがまた、はにこっぽい。 追いつかないことに気づいて、今は制作休止中です。 先人の肩の上に乗っ

    • 腕で語る【埴輪紹介所その182】

      目と口が大きい。ザクザクっと切ってあけたようだ。 計算がないのが良い。 もげてしまった腕。欠損が多く、胴とつなげない。 しかしその手には五本の指がしっかりついている。 埴輪の腕や手は、顔に並ぶほど表情がある。 腕は大きな曲線を描く。何かを囲っているよう。どんなポーズだったのか、全体像が知りたい。 振り分け髪に、ミズラが一部残っている。玉の大きいくび飾り。冑がないので、武装していたわけではなさそう。推理は続く。 埼玉県春日部市の塚内4号墳の男子埴輪。 所蔵は春日部市教育委

      • 猫のヒゲ記号【埴輪紹介所その181】

        埴輪を作るときには、型もろくろも使われません。一つ一つ、粘土紐を重ね、手びねりで生まれてきます。 そのためか 円筒埴輪も、よく見ると個性があります。 厚み、突帯(とったい)の形や位置、透孔(すかしあな)の形、上端の開き具合。 こちらの円筒には線刻があります。 透孔(すかしあな)の右に三本、左に三本か四本。猫のひげみたい。 このような、円筒埴輪に刻まれる紋様でも絵でもない線刻は、「ヘラ記号」ではないかとの説があります。何かの目印と推測されています。 何を示しているの

        • 埴輪髷【埴輪ネーミング問題】

          女子埴輪の髪形を「埴輪髷」と改名したい! 今のところ、女子埴輪の髪形は「つぶし島田」と呼ばれている。しかし島田髷およびつぶし島田というのは江戸時代に生まれた髷で、埴輪が結っている髷とは似ているかもしれないが、おそらく同一ではない。 よって女子埴輪の髪形を「埴輪髷」と名付けたい。埴輪の性別は主に髪形で判断される。髪形は重要なので、命名することで注目を促したい。 以上、「埴輪髷」への改名の提唱でした。

        • 固定された記事

        埴輪には、埴輪にしかない何かがある【はにこの埴輪活動】20200501追記・修正

        マガジン

        • 埴輪紹介所
          183本
        • 埴輪ネーミング問題
          7本
        • 熱望展覧会
          3本
        • 埴輪などなど目撃談
          22本
        • はにこの読書感想文
          7本

        記事

          選ばずカタカナにしておく【埴輪ネーミング問題】

          ある言葉を漢字で書こうとしたとき、調べると複数出てくる場合がある。 例えばミズラ。左右二つにわけて結う男性の髪型です。 漢字表記には、髻、角丱、角子、角髪、美豆良などがある。 どれか一つに決まっていれば混乱はしない。だが一つを選ぶのは難しい。それがいちばんふさわしいという理由が必要になる。常用漢字でないものもある。もし一つに決めることができても、誰もが同一の漢字表記をするというルールに従わなくてはならない。表記が違うと、同じものを指しているのかどうか確認できない。検索して

          選ばずカタカナにしておく【埴輪ネーミング問題】

          照れ笑いの待ち合わせ【埴輪紹介所その180】

          待ち合わせた友達みたい。 「久しぶりー」なんて。 会えてほっとしている。照れ笑いが隠れている。 円筒埴輪に表情を見てしまうのは私だけではないはず。 奈良県大和高田市の築山(つきやま)古墳(磐園(いわぞの)陵墓参考地)出土の鰭つき円筒埴輪。高さ110.0㎝、鰭を含めた最大横幅51.5㎝。 所蔵は宮内庁。 撮影は『発掘された日本列島2013』での宮内庁共催展示『陵墓の埴輪』にて。 またね。

          照れ笑いの待ち合わせ【埴輪紹介所その180】

          家形埴輪展【熱望展覧会】

          こんな展覧会が見たい! 一種類の埴輪だけをずらっと並べてみたら迫力があると思う。 なかでも家形埴輪は大型のものが多く、各地で多く出土しているので、開催しがいがあると思う。 四種類の屋根、すなわち、切妻造り、寄棟造り、入母屋造り、片流れ造りをそろえて、作りの違いを目で確かめたい。 家形埴輪には、部位の強調や省略が激しいものがある。建築物としてありえない形に衝撃を受けたい。 扉があったりなかったり、窓なのか戸口なのかわからなかったり。 手が込んでいる装飾に圧倒されたり、

          家形埴輪展【熱望展覧会】

          土偶vs人物埴輪展【熱望展覧会】

          こんな展覧会が見たい! 1.『土偶vs(人物)埴輪展』の開催希望理由いまだに土偶と埴輪をごっちゃにしている人がいるのがひっかかっている。 この国で暮らす人なら、違いをわかっていてほしい。感覚的に。 土偶と埴輪の違いについては、解説が散々なされている。しかしそれでは甘い。イメージで入ってこない。 土偶と埴輪を比較するという展示はこれまでにもあった。だがもっと大々的にやってほしい。もっと注目されるように。また、どちらかのおまけ的展示で一方に偏りがちなので、それは避けたい。

          土偶vs人物埴輪展【熱望展覧会】

          直弧紋展【熱望展覧会】

          こんな展覧会が見たい! 直線と弧を描く線とから成る、謎の紋様、直弧紋(ちょっこもん)。 マジカルさが魅惑的でファンも多いはず。埴輪をはじめとする、直弧紋を持つ遺物を一堂に会しているさまが見たい。  石枕 千葉県市原市 姉崎二子塚古墳出土(國學院大學博物館所蔵) 石に刻まれた直弧紋。 石の直弧紋、もう一つ。 井寺古墳(熊本県嘉島町)の石室 もっと見たいぞ直弧紋。

          直弧紋展【熱望展覧会】

          丸天井円筒埴輪【埴輪ネーミング問題】

          因幡型円筒埴輪と丹後型円筒埴輪を丸天井円筒埴輪に改名したい。 問題の円筒埴輪は、上端が半球形をなし、頂部で小さく円形に開口する。 従来、鳥取県東部で出土したものを因幡型円筒埴輪、京都府北部で出土したものを丹後型円筒埴輪と呼んでいた。 しかしその後、奈良県天理市の西山古墳など、該当しない地域からも類例が出土した。今となっては現状に合わず、このままでは名称が混乱を引き起こしかねない。 そこで新名称を考えた。断面が楕円のものもあるが、円筒埴輪であることは間違いないので「~円筒

          丸天井円筒埴輪【埴輪ネーミング問題】

          追いかけっこ【埴輪紹介所その179】

          円筒の側面で追われるは 猿の親子。 親はともかく、子は単独で見たら猿かどうかわからない。 親の前脚が円筒に付いていたことを示している。 追うは犬。のんきな顔に見える。 円筒はだいぶ復元で、犬がくっついていた部分は出土しなかったらしい。 犬の尻の方に、突帯にくっついていた跡があるとのこと。 位置の復元は、犬の表情で決めたらしい。 反対側から見ると ただの円筒埴輪? わからない。どこかに埋もれた別の像があるのかも。 小さめの四角い透孔。 そんな円筒の側面でバタ

          追いかけっこ【埴輪紹介所その179】

          鋸歯筒形埴輪【埴輪ネーミング問題】

          このような形状の埴輪を 「鋸歯筒形埴輪」に改名・統一したい。 (画像は東京都世田谷区の野毛大塚古墳出土の鋸歯筒形埴輪) その際、 内側にほかの埴輪が配置されていた埴輪(配置されていたと思われる埴輪)は別とし、「囲形埴輪」と呼びたい。 (画像は岡山県岡山市の金蔵山(かなくらやま)古墳出土の囲形埴輪) 「鋸歯筒形埴輪」と呼ぶのは、内側にほかの埴輪はない埴輪、としたい。 ちなみに、鋸歯筒形埴輪を含む円筒埴輪群で囲ったスペースには、家形埴輪や囲形埴輪が配置されていることが多

          鋸歯筒形埴輪【埴輪ネーミング問題】

          埴輪時代【埴輪ネーミング問題】

          「古墳時代」を「埴輪時代」に改名したい。 「古墳時代」の問題点 「古墳」は定義が広すぎる。いつの盛り上がった墓を古墳と呼ぶのか? 暗黙の了解で弥生時代の墓を外しているので、古墳時代の期間が辛くも成り立っている。そのままにはしておけない問題だ。 「前方後円墳時代」の問題点 「古墳時代」を改名すべきとの意見は、とっくに出ている。「前方後円墳時代」にしようという案である。「古墳時代」にあたる時代は前方後円墳が造られていた時代であり、この時代を象徴しているのは前方後円墳である、と

          埴輪時代【埴輪ネーミング問題】

          吉備器台【埴輪ネーミング問題】

          「特殊器台」を「吉備器台(きびきだい)」に改名したい。 円筒埴輪の祖型埴輪は円筒から始まった。 では円筒埴輪はどこから来たのか? 円筒埴輪のルーツ、祖型として有力なのが この出土品(画像は葛本弁天塚古墳出土)である。 弥生時代の後期に造られた土器で、「特殊器台」という名で呼ばれている。 また「特殊器台」にのせられた壺は「特殊壺」と呼ばれている。 特殊器台に特殊壺をのせた状態を簡略化して表現したものが、朝顔形円筒埴輪だと言われている。 今回は「特殊器台」「特殊壺」に

          吉備器台【埴輪ネーミング問題】

          埴輪ネーミング問題序章

          名前は重要です。 名前によってそのモノが認識される。そぐわない名前はモノの認識をゆがめる。よりふさわしい名前に変えたほうが良い。 長らく使われてきた名前は、変更するのに抵抗があるだろうし、変更すると混乱が起きるかもしれない。 それでも、再命名自体の話題性も含め、新名称によって、そのモノを正しく認識できるだけでなく、そのモノに良いことがあるとしたら? 例えばそのモノが注目され、そのモノについての研究や研究や議論が進むとしたら?  利益と不利益を天秤にかけて、利益が大きいなら思

          埴輪ネーミング問題序章

          パニエなカサ【埴輪紹介所その178】

          スカートみたい。 パニエをつけてふくらませたスカート。二段切り替え。 しかし実はカサです。キヌガサ形埴輪です。 キュッと締まったウエストに見える円筒部に、差し込まれるはずの部分があるはずなのです。しかしその部分「立ち飾り」は出土していない。残念。 カサ本体より立ち飾りが目立つ埴輪。 立ち飾りがないと、広がったスカートになってしまう埴輪。 大阪府羽曳野市・藤井寺市の古市古墳群の誉田御廟山古墳(こんだごびょうやまこふん。別名、恵我藻伏崗陵(えがのもふしのおかのみささぎ))

          パニエなカサ【埴輪紹介所その178】