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はにこの読書感想文

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すべての本は埴輪につながる。
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記事一覧

「縄文的原型と弥生的原型」谷川徹三1969の読書感想文(20200821修正版)

1.徹三の三角錐 ~二つの原型~徹三は縄文的原型と弥生的原型の二つを日本の美の原型と考えて…

はにこ
3年前
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『オツベルと象』の読書感想文

神様はある意味、はけ口? 「苦しいです。サンタマリア。」 このセリフがどうにも頭について…

はにこ
3年前
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『夢・スフィンクス楼・Tの死』1946アルベルト・ジャコメッティ の読書感想文

『私は私の心を動かしたものをもっと正確な、もっと印象的な仕方で語ろうと試みた。』 感覚と…

はにこ
3年前
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『完本ジャコメッティ手帖』Ⅰ & Ⅱの読書感想文(埴輪メモ)

(「Ⅰ」p44欄外注) 1『日本の彫刻 Ⅰ 上古時代』1952年,美術出版社.矢内原はこれを含む『…

はにこ
3年前

『ジャコメッティとともに』の読書感想文

問題は、ぼくが自由に精一杯生きるということだ、パリででも日本ででも。たとえ世の中がぼくに…

はにこ
3年前

『武者小路実篤詩集』の読書感想文

『柿の賦』 詩の途中、実篤が柿そのものになって思いを語る。 擬人化というより、一体化。 我…

はにこ
3年前
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『埴輪の馬』1986小沼 丹 の読書感想文

丹は埴輪の馬が欲しくなった。 随筆集。表題作は20ページほど。 話の軸は、移り変わる町の姿。 この本はタイトルだけだが、考古関連の書籍は、中身にあまり埴輪の出番がなくても、表紙には埴輪の写真やイラストが使われていることが多い。 やはり人目をひくからだろう。 もっとも、表題作になった理由は埴輪という言葉の引力だけではないだろう。 他の収録作品が少し重たいので、ほどよい軽さコミカルさが際立つ。 本来の丹のキャラクターもよくうかがえる。 弘光寺の近くの町に工房をもつ「埴輪造り