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『オツベルと象』の読書感想文

神様はある意味、はけ口?

「苦しいです。サンタマリア。」

このセリフがどうにも頭についてはなれなくて、読み返してみた。

溜め込むか、はき出すか。
はき出して循環させた方がこの世はきれいになるだろうか。
しかしどこにはき出すか。何かが誰かがはけ口にされる。

愚痴でも何でも聞く、はけ口を引き受ける。それが宗教の本質だとすれば、需要はなくならないのかな。
「宗教」と聞くとどうも引いてしまうけれど。

『銀河鉄道の夜』を読むに、宮沢賢治はどの宗教の神様も同一の存在と思っていたみたい。

宗教についてはちょっと置いておいて、溜め込み/吐き出しについてもう少し。
悪いものを溜め込むと増えてしまうような気がする。
どっちかと言うと出した方がいいように感じる。
出し慣れると出し方がうまくなるかも。
上手な昇華ができたら、それが一番かも。

赤い童子の登場は唐突な気がするが、それくらいの希望は持っていていい、いや持っていよう、ということかな。

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『オツベルと象』
著者/ 宮沢 賢治
発表年/1926年

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以上、『埴輪のとなり』掲載のページを修正し再掲しました。

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